『「定性調査」がわかる本』
【マーケティング定番書籍】その8
『「定性調査」がわかる本』
著者:林美和子 肥田安弥女
出版社:同友館
第1刷:2008年11月17日
1. 本書を読んだ背景
購入して読んだのは発刊から5年後の2013年、誘わてれ入社した(比較的)定性調査に強かった調査会社の社員時代でした。
定性調査専門の会社に勤務していたのは2001年でしたから、12年ぶりに定性調査が関わってきたという背景でした。
2. どんな人に向いているのか?
本書のサブタイトルは「定性調査の実務に関わるすべての人達に向けて」。
そうですよね。「実務に関わる」ということが重要で、本だけ読んでも仕方がないですし、実務との「往還」においてこそ本書も活きるわけです。
3. 本書のポイント
3-1. 理論編と実践編というシンプルな構成となっておりますが、そこは Simple is Best です。
3-2. 実務経験の長い著者さんだけあって、ディテール(細部)でのコメントが効いています。
テクニカルな話ですが、例を挙げると下記のようになります。
・ヒューリスティックとアルゴリズムの使い分け(理論編)
・純粋想起と助成想起の使い分け(実践編)
・「聞く」「聴く」「訊く」の使い分け(実践編)
・「分析は解釈であり発見である」ことの念押し(実践編)
3-3. 日本の定性調査では、梅澤、油谷両先生の著作が“古典”となっていますが、これら2名の先生方のご著作を除けば、定性調査の理論と実践では最もお薦めできる書籍であると考えます。
4. 感想
ここでは本論ではないので触れませんが、定性調査についての“問題点”が語られることが多いなと感じます。
それは(定性調査の専門家ではなかった私を含め)調査を企画・実施する調査会社サイドと、発注する事業会社サイドの微妙な“共犯関係”(言葉は悪いですが・・)なのかな? と思っています。
定性調査の高クオリティのためには、少なくとも調査会社サイドで本書の著者(2名)レベルのリサーチャーが育たなければ、、と考えてしまいます。
言うまでもなく、「リサーチャー」は「マーケティング」がわかっていなければ話にならない、ということです。
以上です。
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