海外経済指標から読み解く世界経済 ユーロ圏製造業PMI
PMIとは購買担当者景気指数のことで企業の景況感を表す指標です。企業の購買担当者に新規受注、生産、雇用などについてアンケートを行い、その結果を指数化したものです。
9月23日に発表されたユーロ圏製造業PMIは、さらに悪化し44.8でした。基準が50となるため、企業の景況感は悪い状態が続いています。
この原因はユーロ圏で消費が低迷していることが一因です。しかし消費が低迷しているのはインフレが原因ではないようです。
それを示すかのように9月12日欧州中央銀行(ECB)は、ECB政策金利をインフレが減速しているとの理由から前回に引き続き利下げを行いました。
ただ政策金利が下がり、企業の資金調達がしやすくなることで設備投資、工場建設、採用などへ資金が向けられるまでには時間がかかります。
一方消費者はインフレが減速して利下げも加わることから、住宅、車などが購入がしやすくなり景気刺激にはつながると思いますが、企業業績が芳しくない企業は給与へ反映しづらくなるので、ユーロ圏の経済は不安定な状態で先行きは不透明だと思います。
加えてロシアによるウクライナ侵攻が続いていますので、なおさらです。
そう考えると、ユーロ圏に進出している日系企業は約1000社以上あるようですが、その中でも特に製造業の企業業績が落ち込まないよう、経営戦略が問われます。