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経済指標から読み解く経済分析 鉱工業指数

9月30日に経済産業省から2024年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)が発表されました。

日本の国内総生産(GDP)に占める鉱工業の割合は約2割( 2017年)となりますが、卸売業、小売業、運輸業などの一部は鉱工業製品の流通という経済活動を行っており、鉱工業生産活動と密接な関連をもっています。
このためこれらの関連産業も考慮すると、国内総生産に占める割合は約4割の大きさになります。

鉱工業生産は景気の状況に応じて大きな変動を示します。
景気が悪くなって在庫が積み上がれば生産を縮小して在庫調整を行い、逆に景気が良くなれば将来の需要の拡大を見越して在庫を積み増すなど、景気に対する反応が大きいのが特徴です。

2024年8月の結果を以下の通りです。

経済産業省:2024年8月の鉱工業(生産・出荷・在庫)指数の動向(速報)より引用
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202408sj.pdf

前月比、前年同月比ともにマイナス成長でした。
特に生産、出荷の指数は100を切っています。

中身を見ると足を引っ張っている一要因が自動車工業だと感じました。
自動車工業
・生産 前月比:△10.6%減 前年同月比:△15.3%減
・出荷 前月比:△6.6%減 前年同月比:△13.9%減
・在庫 前月比:△8.8%減 前年同月比:10.2%増

生産、出荷ともに前月比、前年同月比が減少しています。
この原因は自動車認証不正問題によって工場稼働がストップし、生産・出荷が止まってしまったからではないかと思います。

この自動車認証不正問題は、個人的には問題をただ大きくしただけだと考えています。
国が決めた基準よりも厳しい自社基準で行っていたのがけしからん、といっているようなものだからです。

トヨタは稼働をストップしていた一部工場を9月から稼働再開しました。
これによって鉱工業指数の生産・出荷の数値も徐々に改善していく一因になっていくと思います。

自動車工業は日本の基幹産業の一つなので、一日も早く生産・出荷が正常化し、改めて日本経済を引っ張っていただきたいと願います。


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