そもそも「TOB」とは何か?
NECは10月29日に、上場子会社のNECネッツエスアイ(NESIC)を完全子会社化すると発表しました。
10月28日の終値(2675円)をおよそ2割上回る1株当たり3250円でTOBを実施し、総額2354億円で残りの株主から約5割の株式を取得するとのことです。(日経より)
TOBとは、「Take-Over Bid」の略であり、「Take-Over」は「買収する」、「Bid」は「入札する」で、「株式公開買付」と呼ばれます。
TOBは、証券取引所を通さずに、不特定かつ多数の人に対して買付価格や期間、株式数などを公告し、株式の買付を行うことができます。
TOBの一例として、上場親会社が上場子会社を買収する例がありますが、その場合、親子上場がスムーズに解消され、資本効率が向上するメリットがあります。
その好例として「日立製作所」が挙げられます。
かつて20社ほど子会社が上場していましたが、資本効率を高めるためにTOBを実施しました。
その結果、社内での改革がスムーズに進むことで業績が向上し、株価は順調に推移しています。
これを受けて、各社TOBをする動きが活発になってきています。
例えば、「豊田通商」もTOBを発表しています。
この動きから透けて見えるのは、親会社から子会社が分離し上場すると、資本が分散してしまい、その影響で経営効率が悪くなり、業績に悪影響を及ぼしかねないという教訓です。
今後も各社が続いてTOBを行うのか、注視していきたいと思います。
TOBについては、友好的TOBや敵対的TOBの2種類があったり、敵対的TOBへの対抗策についても様々なやり方がありますが、また別の機会にご紹介したいと思います。
※個別の銘柄について取り上げておりますが、投資に関してはご自身のご判断でお願いいたします。