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財務諸表から読み解く企業分析 信越化学工業
信越化学工業は設立が1926年と約100年の歴史を誇る大企業です。
事業内容としては、簡単にいうと生活・社会のインフラを支える企業です。
主要製品は
1.生活環境基盤材料事業・・・塩化ビニル樹脂(世界首位)など
2.電子材料事業・・・半導体封止材など
3.機能材料事業・・・シリコーンなど
4.加工・商事・技術サービス事業・・・樹脂加工製品など
特筆すべきは、塩化ビニル樹脂が世界シェアナンバー1である点です。
具体的には、上下水道のパイプ、窓枠、床材、ラップフィルムなど生活・事業活動に欠かせない材料を提供しています。
では財務諸表を見ていきます。
まず貸借対照表からです。
イメージ図は下記の通りです。
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https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/yuho_147.pdf
流動資産 >(流動負債+固定負債)の財務状況で流動資産が負債より多く、かなり健全な財務状況です。
さらに詳しく流動資産を見ていくと、「現金及び預金」が1,698,999(百万円)とかなりの部分を占めています。
さらに純資産を見ると「利益剰余金」が3,520,355(百万円)と大部分を占めており、かなり過去から良い業績を続けて利益を蓄積してきたといえます。
以上から貸借対照表を見るだけでも、信越化学工業は優良企業といえます。
続いて業績を表す損益計算書を見てみます。
売上高→営業利益→経常利益→純利益の順に見ていきます。
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https://www.shinetsu.co.jp/jp/ir/highlight/
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https://www.shinetsu.co.jp/jp/ir/highlight/
2024年3月期は売上高、営業利益、経常利益、純利益すべて減益となっています。
これは海外での業績が不調だったことが要因のようです。
しかし財務状況は健全なので、今のところそれほど問題ではないと考えています。
最後にキャッシュフローを見てみます。
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https://www.shinetsu.co.jp/jp/ir/ir-data/ir-securities/
まず前提として一般的に
営業キャッシュフロー:プラス
投資キャッシュフロー:マイナス
財務キャッシュフロー:マイナス
このようなキャッシュフローの状況は、典型的な優良企業のキャッシュフローです。
具体的には、本業でしっかりと儲けている、成長のために投資を行っている、借入を返せている状況です。
そのため貸借対照表でも触れたとおり、信越化学工業は財務状況は健全で優良企業といえます。
キャッシュフローを詳しく見てみますと、2024年3月期の投資キャッシュフローが大きくなっています。
これに関して中身を見ますと、財務状況がしっかりしているので借入を返しているというよりは、自己株式の取得による支出が大きかったようです。
以上財務諸表を見てきましたが、直近では業績が下がりましたが、財務状況はしっかりしており、かつ毎年投資も継続的に行っているので、それほど経営状況は問題はなく、事業内容も考慮するとこれからも継続的に成長が期待できる企業だと思います。