『ローマの休日』の雑感
この映画は、今から約70年前に公開された、誰もが知ってる名作中の名作です。CMなどで使われるなど、今でもこの映画がネタとして使われることもしばしあります。1950年代のイタリアの人々の暮らしだったり、王宮での生活だったりも詳しく描かれていて、観ていてとても楽しかったです。
気になるフレーズ『Roman Holiday』
『ローマの休日』の原題は『Roman Holiday(ローマ人の休日)』だが、なぜ「Holiday in Rome(ローマの休日)」ではないのか。「Roman Holiday」には「他人を犠牲にして楽しむ娯楽」という意味の慣用句です。劇中で最終的に、アン王女は恋と自由を、新聞記者のジョーはスクープを諦めます。それは、他人の犠牲の上で受ける利益であることを理解し、それを拒んだからです。実際に、脚本を担当したトランボも当時、赤狩りの対象となっていたため、その現実に皮肉をこめてこのタイトルをつけたのです。
◉監督:ウィリアム・ワイラー ◉出演:グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバート ◉公開日:1954/4/19
『ローマの休日』の概要
ヨーロッパの中でも、特に長い歴史と伝統を持つ某国の王女であるアンは、ヨーロッパ各地を訪問していた。そんな中、最終日のイタリアで、過密なスケジュールと窮屈な生活に嫌気がさし、隙を見計らって城を抜け出す。しかし、抜け出す前に打たれた鎮静剤によって、路傍のベンチで横になってしまう。その時、たまたまそこを通りかかった、新聞記者のジョーが彼女を見つけ、家を聞き出そうとしたが、うとうとしていたアンが答えられるはずもなく、仕方なく彼の家に止めることとなった。翌日、アンの正体を知ったジョーは、このスクープで大金が得られると思い、友人のカメラマンであるアーヴィングと共に、アンとローマの散歩に出かけるのであった……。
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