採用資料をアップデートしながら、気づいたこと
リンクアンドモチベーションでプロダクトデザイナーをしている辻井です!
現在、デザイナー採用の強化に向けて、採用資料をリバイスしています。いざ着手すると非常に奥深く、つくっていく中で学びが多かったので、今日はそのことについて書いてみます。
取り組みの背景と概要
デザイナー向けの採用スライドを長らくアップデートできておらず、情報が古くなっていたり、発信したい情報を盛り込めていない、という課題がありました。そこで対外的な発信を強化するべく、候補者の方とのコミュニケーションの楔となる採用資料のアップデートをプロジェクト化しました。
改めて、採用ターゲットの解像度を高めるべく、まずはペルソナを設定しました。(未来の入社エントリを書いてみたり)
その上で、会社・デザインチームのビジョンや、プロダクトの概要、チームの強み・課題などを棚卸して、資料化を進めてきました。資料自体は10月に完成予定なのですが、今日はこの一連のプロセスの中での気づきをまとめていきます。
やっちまった「しくじり」
本題に入る前に、「こうやれば上手くいくんじゃね?」と思って取り組んでみたものの、イマイチだったアプローチをいくつかご紹介します。
他社の資料をたくさん見て、構造・構成を真似る
もちろん参考にはなるんですが、そのまま使えるわけではないことがよく分かりました。
組織のフェーズが違っており、訴求するポイントが異なる
会社の規模や知名度が異なり、同じアプローチだと響かない
採用したい層が微妙にズレているため、シナリオのアレンジが必要
みたいなのが理由です。
情報の整理の仕方や、ビジュアルデザインの部分ではめっちゃ参考になるので、たくさん参照するのはいいことなのですが、本筋は自分たちで磨かないといけないことを学びました
詰め込みたい情報を整理して、いい感じにビジュアル化する
「うちの会社の強みは多分この辺だよね」「このあたりを重点的に発信したいよね」というポイントがいくつかあったので、それを詰め込んでビジュアルをいい感じにしてみました。
結論、資料としてはまったくいい感じになりませんでした…笑。
UXデザインの5階層で考えてみれば当たり前の話で、戦略や要件がふわふわの状態で、いきなり骨格・表層を整えているのですから、うまくいくわけがありません。
「小手先に走らず、やるべきことをやりなさい」という教訓を得ました。
気づき・学び
ということで、このあたりのしくじりも踏まえつつ、実際につくっていく中で得た気づき・学びをまとめてみます。
①ターゲットへの深い理解が、必要不可欠
あまりにも当たり前なのですが、「何はともあれまずはこれに尽きる」というのを日々痛感していました。
読んで欲しいのは、どんな仕事をしている誰なんだろう?
その人はこれまで、どんなキャリアを歩んできたんだろう?
その人は、転職に対してどんな温度感で向き合ってるんだろう?
その人から、自分たちの会社はどう映っているんだろう
このあたりが明確にならない限り、そもそも資料を通して実現したいコミュニケーションを描くことすらできません。ターゲットを具体的に定め、彼・彼女が見ている景色を理解することから全てが始まるように思います。
②資料を読む体験全体を、ジャーニーとして描く
資料の構成を考えていく上で、「この資料を読む体験は、どんなジャーニーになるのだろうか」という話になり、最終的には感情曲線を作成しました。
一番テンションが上がるのはどこなのか、各ページの内容をどんな風に受信するのか、といった内容を見える化することで、「このままだとクライマックスを作れていない」「後半がマンネリ化している」などの課題を拾うことができました。
資料を読むというわずか数分の出来事ではありますが、読み手の感情に寄り添ってジャーニーを設計することが、体験の底上げにつながると感じました。
③読み手の心の声を想像して、対話形式で資料を組み立てる
これは上長からもらったフィードバックでした。「読み手の心の声を丁寧に汲み取った上で、その疑問や懸念、驚きや喜びに応える形でページを構成しよう」というアドバイスをもらいました。
「プロダクトは今どんな状況なんだろう?」
「デザイナーは、どうプロセスに関わってるんだろう?」
「実際のところ、働きやすさや働きがいってどうなんだろう?」
といった心の声にアンサーできるように、ページ構成や資料の順番を組み立てていきました。このワンクッションを挟むことで、一方的な情報発信に陥ることなく、読み手とキャッチボールができている状態を目指しました。
④「伝えたいこと」ではなく、「相手が知りたいこと」を載せる
採用資料ということで、気がつくと「これを知ってほしい」「あれも伝えたい」といったように、こちら目線での情報が増えていたことに気がつきました。しかし、これもコミュニケーションの鉄則ですが、自分本位ではなく相手本位の発信をしなければメッセージが届くことはありません。
そこで、「読み手が知りたいことは何なのか」に何度も立ち返りながら資料作成を進めました。この時、他社の採用Deckをたくさん見ることで、デザイナー向けの情報発信において何が重視されているのかの肌感覚を持つことも、合わせて大事にしながら進めていきました。
⑤ありったけの情熱をこめる
ここまで、読み手に伝わる資料にするための考え方や、合理的なアプローチのお話が多かったのですが、最後の最後は「本気や情熱をどれだけ伝えられるか」の勝負だな、という結論に至りました。
デザイナーを求めている企業は増え続けていて、魅力的なチームや採用資料も数え切れないほどあります。そんな中で、少しでも興味を持ってもらい、関係を深めていくためには、「只ならぬ熱」を帯びた発信をするしかないと思っています。
自分たちは何を目指していて、何を大事にしているのか。どんなチームで、どんな未来を実現しようとしているのか。正面突破で想いを伝え切ることを何よりも大切に、資料の制作を進めています。
さいごに
これだけ書いてきたんですが、肝心の資料は製作中で、アウトプットはまだ形になっていません…!第一弾が完成次第、資料を公開しつつ、随時アップデートを加えていく予定です。
公開した折には、採用資料も併せてご覧いただけたらとても嬉しいです!