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~無痛分娩を、渋谷・神泉で40年続く整体、手技道の見地から考える~【No.244】(再掲)

2019.9.28掲載


こんにちは、手技道の門田です。

朝晩はだいぶ涼しくなってきましたが、
まだ昼間は暑さがありますね。

今週は私が遅めの夏休みを頂き、実家に帰っておりました。
やはり、東京と比べると人が少ない分、湿度が少ない感じがありました。

来年のオリンピックの時は、あまり暑すぎないと良いですね。

さて、今回の手技道コラムは、
無痛分娩を手技道の見地から考える」というタイトルで、
書かせて頂きたいと思います。

私事ですが、最近妹の妊娠が分かり、
実家に帰った時に妹に会い、

実際に色々と話しをしたのですが、
その中で無痛分娩についての話題が出ました。

欧米では無痛分娩が一般的になり、日本でも昔に比べると、
かなり無痛分娩が取り入れられるようになってきました。

「無痛分娩って名前は聞いた事があるけど、どんな方法なの?」

という方もいらっしゃると思いますので、無痛分娩のやり方
について、簡単に説明をしておきます。

無痛分娩とは?
無痛と言っても、完全に痛みがなくなるわけではなく、
個人差はありますが、

どうにも我慢できない痛みが、
まだ我慢出来るくらいに、
痛みを緩和させるというイメージが一番近いです。

その痛みを緩和させる方法がいくつかあり、
今無痛分娩として一般的に行われているのが、
硬膜外麻酔といった麻酔を使って痛みを緩和させる方法なのです。

背骨の中に脊髄という神経の束が通っているのはご存知でしょうか?

人は痛みを感じると、痛みを感じた部位から脊髄まで神経が伝達し、
それが脳に伝わって痛みを感じるのですね。

その脊髄は硬膜という膜で覆われていて、
その膜の外に細い管が通るスペースがあります。

これが硬膜外腔と言われ、ここに針を進ませて管を入れ、
そこに麻酔薬をいれる事によって、

痛みの感覚を麻痺させ、痛みを緩和するのが、
硬膜外麻酔と言われるものなのです。

難しいですよね。

簡単にいうと、背中の痛みを感じる神経の外側から麻酔薬を入れて、
痛みを緩和させるという事ですね。

無痛分娩のリスク
それで、この硬膜外麻酔なのですが、何が問題なのかというと、
非常に技術を要するため、熟練した麻酔科医の方でないと
処置が難しいという事があげられます。

アメリカでは、無痛分娩の為に産科の麻酔に特化した
麻酔科の先生がいますが、

日本ではまだそこまでの整備が追いついていないので、
いまだに個々人のスキルによってばらつきがあるのが現状です。

2015年に神戸で無痛分娩の手術によって亡くなった方の
ニュースが流れましたが、

あれも硬膜の内側に針が入りすぎてしまった事によって、
麻酔が効きすぎてしまった事が原因でした。

このように、技術的な観点からかなり注意深く担当する医院を選ばないと
リスクが高くなってしまうという危険性はあると思います。

手技道が考える無痛分娩のリスク
もう一つ、これが手技道的にかなり問題かなと思われる部分なのですが、
陣痛が緩和される事により、陣痛が弱くなり、
陣痛促進剤の使用、

さらにひどくなると吸引分娩や
鉗子分娩が必要になる可能性がある事です。

イメージとしては、

硬膜外麻酔→陣痛が弱くなる→陣痛促進剤の使用でいきみを促進させる
→陣痛を和らげる為に麻酔を追加→促進剤の使用.・・・

というように同じようなループになってしまう
危険性があるという事ですね。

吸引分娩、鉗子分娩


さらに吸引分娩、鉗子分娩とよばれるものですが、
これは器具を用いて、赤ちゃんを引っ張り出すという分娩です。

吸引分娩の方がいくらか刺激が穏やかで、
吸引分娩でも出てこない場合は
鉗子分娩に切り替えるという方法をとる場合もあります。

この引っ張り出す時にかなりの確率で、
赤ちゃんの首に負担をかけます。

簡単にいうとむち打ちのような状態に近くなってしまうので、
将来的に首のハリや肩こり、
頭痛などの原因をその時に作り出してしまうという事に、
繋がってしまうのです。

なかなかショッキングな事ではないでしょうか?

こういった理由から手技道では、
無痛分娩はオススメはしていませんが、

もし、どうしても無痛分娩を選ばれる方がいらっしゃったら、
出来るだけ経験豊富な麻酔科の先生がいる病院を
選ばれた方が良いと個人的には思います。

前は妊娠中毒症と呼ばれていましたが、
今は妊娠高血圧症候群と名前が変わっている
病気があります。

これは高血圧、むくみ、蛋白尿が症状としてあり、
重症化すると、母子ともに危険な状態と
なる事もある病気なのですが、

食生活の変遷、ストレス等によって、
かなりこのリスクが高まっている事も聞きます。

こういった場合には、
帝王切開を視野に入れながら経過観察をしやすい、
無痛分娩を取り入れる事も考えられるので、
一概にすべて悪いと言い切る事も難しいです。

しかしながら、やはり出来るだけ安全に、穏やかに出産する事を考えると、
妊娠中からの体調管理、出来るだけ自分の体を整える事は、
とても重要かなと思います。

もし、ご心配な事等ありましたら、個人的なご相談は、
いつでもお受けしておりますので、仰って下さいませ。

今回はここまで。
お読み頂き、ありがとうございました。

渋谷・神泉で40年続く、手技道の門田でした。


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