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逆噴射小説大賞2022で大賞を受賞しました!
逆噴射小説大賞2022の結果が発表され……僕の応募作『罪喰らうけだもの』が大賞に選ばれていた!!!
これは逆噴射先生ならびにダイハードテイルズのおふたりに僕の作品を認めてもらえたということなので、心から誇りに思いたい。そして今回、例年にも増してすごい作品が多かったと感じるけど、そんなすごい作品をつくりだした他の参加者たちのためにも、僕は大賞受賞者として、堂々と胸を張りたいと思う! 僕はやりました。
作品はこちら。
今回、想像していた以上に多くの人から「おめでとう」と言ってもらえてそれがうれしかった。「自分のことのようにうれしい」と言ってくれた方も何人かいて、本当に幸せ者だと思った。
でも、見据える先はまだまだ遠い。
遥か遥か高く、遠くまでつづく階段がある。僕はその階段をのぼることすらできずに、下の方でうろちょろとしているばかりだった。でもようやく、足をあげて階段を登りはじめたのだ……今はそんな気分だ。
目指す場所は遥か彼方。でも今回受賞したことでものすごく励みになったというか、もっともっとがんばらねばという気持ちで激しく燃えている。これから僕は『罪喰らうけだもの』でできたことに再現性を持たせないといけない。しかもそれを長編でやっていかなければならない。でもやれるはずだ。よし、やってやろうという気持ちになっている。
去年と今年でなにが変わったのか?
以前、ライナーノーツにも書いたように『罪喰らうけだもの』は「いま自分が考えている素直な小説の手触り」を大切にして書いていった。
小説にずっと取り組みつづけて、ようやく今年になって「小説の手触り」を自分の感覚として持てるようになったと感じている。それが去年までの僕と今の僕のあきらかな違いだ。
では「小説の手触り」とはなんなのか……なんだけど、それはやはり個々人が自分の感覚として自得するしかないと思う。そしてそのために必要なことは何かというと、月並みだけど「インプットとアウトプットを繰りかえす……ただし意識的に、自覚的に」ということだと思う。
もともと僕は小説をまったく読まない人で、3年ぐらい前までまともに読んだ商業小説がニンジャスレイヤーだけ、というかなり極端な状態だった。そんな状態からここ2年ぐらいは寸暇を惜しんで商業小説を読むようになり、そして……目からボロボロと鱗が落ちた。小説についての見方や考え方が変わっていった。小説とはなにか、商業レベルで求められる水準とはどういうものなのか……少しずつだけど理解できるようになっていった。
感銘を受ける作家も出てきた。貴志祐介、佐藤究、恒川光太郎、月村了衛……などなど。僕の背骨にダイハードテイルズ作品があるとしたら、これらの作家の作品はその背骨に沿って伸びる神経や筋繊維のように感じられる。実際『罪喰らうけだもの』はあきらかにそのエッセンスの影響下にある。もちろんインプットは小説である必要はないんだけど、やはり最初のうちは自覚的に小説を読みこんだ方がいいと思う……。
最後に。
自分のなかの初期衝動って、やっぱりものすごく大事です。大切にしないといけない。それがないとガソリンのないエンジンと一緒で、文章を駆動させることができなくなってしまう。なにより文章にスピリットが宿らない……そういったことに今年になって自覚的になれたことも大きかったと思う。
今回、逆噴射先生から「気迫」という言葉で評価いただいたけど、まさにそういうことなんだと思う。
……。
……そうそう。大事なことを書き忘れていました。小説をひたすら読むようになって気がついたことがあるんです。「有名作家の作品だろうが、おもしろいと評判の商業小説だろうが、冒頭が退屈で投げ出したくなるものがいっぱいある!」ということです!
コンテンツ溢れる今の時代では「冒頭の重要性」はますます増している。逆噴射小説大賞はそれを競う場であり、実践の場であり……なによりも道場なのだ。
そのような機会を与えてくださった逆噴射先生とダイハードテイルズの皆さまに心からの感謝とリスペクトを。本当にありがとうございます。これからも浮かれることなく、地に足をつけてやっていきます。
【おわり】
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