ネクロ13:愛はぐちゃぐちゃ #note推薦文
ネクロ13。
それは「逆噴射小説大賞2020」において唐突に出現した、愛の物語だ。
よくわからない勢いと、とてつもないグロさ。読後、僕は思った。
「これって、いったいなんなんだろう……?」
しかし物語はそれで終わりとはならなかった。逆噴射小説大賞に「ネクロ13」が投稿された翌日……そう、翌日だ……その続きが、いきなり連載され始めたからだ。
やっぱりグロい!
そして理解を拒むほど意味不明な世界観。起き上がり、黄泉帰り、化け戻り……よくわからないけど、どうやらこの世界の住民はその三種類に分類できるらしい。死んでも「起き上がり」、死んでも「黄泉帰り」、死んでも「化け戻り」……そのような世界において「死」は睡眠に等しく、軽い。その結果、肉体も軽視され……ぐちゃぐちゃ!
息するようにゴア展開が続いていく。よくわからない。よくわからないけど独特の勢いがあり、ついつい読んでしまう。
……でも。
この前編を読んだ時点では、僕はまだまだ呑気だったのだ……。
映像化不可能案件だ。面白いなー。
なんて呑気な感想なんだろう!
だがこの呑気さは、後編を読むことで一変する。
めちゃくちゃ素晴らしい。これはマジで凄いし、素晴らしい。
語彙が崩壊している……!
結局のところ、この物語は壮絶な化け物たちの、壮絶な執着と、壮絶な感情が織りなす、愛の物語だったのだ。
それ以上にこの物語を語る語彙を、僕は持ち合わせていない。
もし貴方にちょっとでもグロさ耐性があるのであれば……とにかく、この後編を最後まで読み進めていただきたい! そして気に入ったら、是非、その続きも読んでみてほしい。
この「NECRO1:みんなで蜂退治」は「NECRO12:電波塔でバラバラ」の直接の続編となる。続編なのになぜ数字が減っているのか? そこにも当然、秘密がある。そして「みんなで蜂退治」という、まるで童話のような可愛らしい副題。登場するキャラクターたちへの、作者の愛を感じさせる。
「みんなで蜂退治」は凄まじい展開で引きとなるため、ファンとしては続きが気になりまくっているのだ……!
この「NECRO12:肉肥田商店街いきいきデー」は完全に単発のエピソードで、気楽に読めてしまう。楽しい。ただ設定理解などを深めてから読んだ方が楽しめるので、やはり「NECRO12:電波塔でバラバラ」前後編を読み終えてから読むことをお勧めしたい。
最後に。
たしかにこの物語は「グロい」。しかし筆致は明るく、陰惨さはまったく感じさせない。登場人物たちは魅力的で、死のない世界の中で生き生きと日常を送っている。そこに、愛おしさすら感じさせる。
僕は本当に「NECRO12:電波塔でバラバラ」の後編を読んで、ガツンとやられてしまった。ラストの展開とエピローグの描写で「神話じゃん」と思った。そして「この人の作品はマジで推せるな」と思うようになったのだ。
【終わり】
※ これは遊行剣禅さん主催のnote推薦祭り参加記事です!