第71話「雄叫びをあげろッ!」 #死闘ジュクゴニア
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<前回>
男はフシトを見下ろし、呟く。
「惨めなもんだな……あんた」
男の逆立つ赤髪が、燃えるように風になびいていた。
「ははッ! ぶん殴ってやろうと思っていたのによぉ……その前にくたばっちまいやがった」
男は──造反有理のリオは顔を上げ、前を向いた。
「なぁ。あんたはいったい、何がしたかったんだ。本当にそれで……本当にそれで良かったのかよ」
その造反有理の四字が、静かに輝いていた。
「どうなんだ……なぁ、親父」
リオは鼻を鳴らし、静かに続けた。
「……でだ。てめぇはどうすんだ」
『陛下……陛下ぁ……! そんな……おお……おぉぉッ』
超自然の声が震え、泣いていた。黄金の光を纏う半神のごとき少年がよろめき、フシトへと近づいていく。その少年、バガンは狂わんばかりに声を……その超自然の声をあげ、慟哭している。
バガンは震えていた。ジュクゴニア帝国大元帥として戦いを挑み、ハガネの前に敗れ去った。そして今、己の主すらも失ってしまった。バガンはフシトの亡骸にすがりつき……嗚咽した。
『我は……我は……おぉ……なぜだ……陛下……なぜ……ッ……我は……我は……!』
その潰れた瞳から、血とともに涙がとめどなく溢れている。獣神のように獰猛に振る舞い続けていた大元帥が、今、子どものように泣いているのだ。
「はッ! 『我はどうすればぁ』ってか。だがよぉ……俺に言わせれば、これは因果応報ってやつだ。この結末は、てめぇらの所業が引き起こした当然の結果、必然だ」
バガンは何も応えない。フシトの亡骸に顔をうずめるように泣き、肩を震わせ続けている。
「で……」
リオはバガンを見据えた。「もう一度聞く。てめぇはどうする……どうしてぇんだ」
その言葉とともに、リオの造反有理の四字が輝いた。ピクリ、とバガンの肩が大きく震え、そして止まった。リオは上空を指さした。
「見ろよ、とんでもねぇ戦いだぜ……」
その指し示す先で、凄まじい閃光がいくつも生じては消えていく。その輝きの中心では、ミリシャとゴウマ、そしてハンカールによる神話的とも言える壮絶な戦いが繰り広げられていた。その戦いの渦中へと、暗い稲妻を発しながら少女が──ピエリッタが飛んでいくのが見えた。
「はッ! まさに世界の命運はこの一戦にかかっている……ってやつだな! で、だ。てめぇも聞いただろう。一方はこの世界を滅ぼすとかほざいてやがる。そしてもう一方は、俺の親父の……いや、てめぇの陛下様の力を奪って、この世界を飲み込むんだとかヌカしていやがる」
リオは不愉快そうに吐き捨てた。
「はッ……実にくだらねぇ。心底、くそダセェ連中」
『お前は……』バガンは呻くように言った。『我に……何を求めようというのだ……』
「あーん? 求めるだ? なァに勘違いしちゃってんだ、てめぇは。俺は何も求めてなんかいねぇよ。俺はな……そうだな。言うなれば、ただ問うているだけよ。てめェの矜持。そして覚悟をよ」
リオはバガンを見下ろすように立った。その背後では凄まじい戦いの光芒が飛び交い、その逆光の中で、リオの力強い眼差しと、その左目の下、涙のように刻まれた造反有理の四字だけが輝いていた。
『覚悟……だと……?』
「あぁ、そうさ。てめぇはよ、今までクソみてぇに人を殺してきたな。だからその落とし前、いつかはきっちり、つけねぇといけねぇだろうがよ。だがよぉ……その前に、俺はてめぇに言っておきてぇことがある」
リオはフシトの亡骸を指さした。
「知ってたか? そのフシトって野郎。あの崩壊の日の前は……皇帝とか、帝国とか、御大層なことを言い出す前は、もうちったぁ人間らしい奴だったんだぜ……。そして……はっ、これは笑える話だが、俺の、この俺の生みの親でもある」
リオは自嘲気味に続けた。
「……いや、違ぇな。笑える話なんかじゃねぇ……ちっとも笑えねぇ」
息を吐き、リオは頭を掻いた。
「まぁもっとも、こいつは俺のことなんざ、覚えちゃいなかっただろうがよ……。ま、そんなこたぁどうでもいい。なぁ、バガンよ。てめぇにとってのフシトは、要するに育ての親、みてぇなもんなんだろうがよ。だからよ、言っちまえば俺たちは……」
リオはしゃがみ、バガンの顔を覗き込むようにして言った。
「……兄弟だッ!」
『なッ!?』
驚き、バガンは盲いた目をリオに向けた。戸惑うバガンの額に、リオは己の額を押し付けた。ごつん、と音がした。
「だから、兄弟として言わせてもらう。てめぇは……それでいいのか」
『なん……』言い淀むバガンに対して、畳みかけるようにリオは続ける。
「育ての親が無惨に転がされて、その力が奪われて。なぁおい。てめぇはそれで満足か」
『我は……われ』「オイ!」リオは両手でバガンの肩を掴んだ。
「なぁ! てめぇはてめぇなりに、この世界を護ってきたつもり、だったんじゃあねぇのか。……はッ! 俺に言わせれば、てめぇらがやってきたことは最低最悪のクソで、どうしよーもねぇクソカスだったけどよぉ……だがよ、てめぇが護ろうとしたその世界が今、好き勝手にやられそうになっている。いいのか、それで。てめぇは……それで満足なのか?」
『我は……』リオはバガンを強く揺さぶり、続けた。
「てめぇはどうすんだ。てめぇはどうしてぇんだ。てめぇの矜持と覚悟はどこにあるんだ……なぁ……どーなんだよ、オイッ!」
バガンは呻いた。『我は……我……は……ッ』その半神のような少年の顔が……まるで泣きじゃくる子どものように歪んでいた。
「ま。俺が言いてぇことはそれだけだ」
リオはニカリと笑い、その手をバガンの頭に優しく乗せた。「はは……俺と兄弟じゃ不服ならよ……別に、ダチってことでもいいんだぜ。じゃあな。あとは好きにしろ」リオは立ち上がった。
立ち上がったリオの傍に、長い黒髪を後ろで束ねた男が寄り添う。「おい、リオ。俺の計算によれば……」その言葉をリオは手で制する。「あー、言わんでもわかるぜ、ジニ。あいつがこれからどうするか、なんてことはな」
リオは歩き出した。背を向けたまま手を振り、男に──神機妙算のジニに言った。
「じゃあ、俺はちょっくら行ってくる。兄弟のこと……頼んだぜ」
ジニは静かに微笑んだ。
「ふっ……任された」
☆
超新星爆発のグェイサは嗤っていた!
「カカカッ……しつこいッ!」
「ぐふ……はッ」
その灼熱の拳が屍山血河のフォルを打ち砕く! フォルは即座に蒸発、霧散した! しかし……。
「ヌゥ……」グェイサは呻いた。瘴気の渦が寄り集まり、再びそれはフォルの体を形成していく。「こいつ……何度殺しても蘇りおるわ」
「ふん……」グェイサは鼻を鳴らした。「カカカッ……あぁ、面倒くさい」そして凄惨な笑みを浮かべた。「カカッ……もうよかろう……俺は飽いたわ。もはや、何もかもがどうでもよくなった」懐からいくつもの創世の種を取り出し、バリバリと咀嚼。飲み込んでいく。
直後、その体が凄まじい光を放ち、膨張を始めた。
「どうなろうと知ったことか……茶番は終わりだ! カカカッ……この世界ごと吹き飛ばす俺の爆発! 見せてやろうではないかッ!」
しかし……その時!
「ㇺッ!?」
凄まじい鳴動とともに、それはジンヤの断片を貫くように現れた。「なんだとッ?」グェイサが呻く。ジンヤの断片を貫き現れたもの、それは……巨大なる剣であった!
「ヌゥッ!?」グェイサは周囲を見渡した。遥か下方の荒野の大地から、そして上空の虚空からも、いくつもの巨大な剣が生じ、次々とジュクゴ使いたちを貫いていく。「これは……なんだ……ヌヌッ!?」
グェイサは見た。剣の出現によって生じた土煙の向こうから、ゆっくりと、こちらに近づいてくる人影があった。突風に流され、土煙が晴れていく。
その人影の主──男の髪は、燃えるように逆立つ赤だった。ギラギラとした眼差し、不敵な笑み、そして、輝く造反有理の四字! 男は──造反有理のリオは、左手を右肩に添え、右腕をぐるぐると回しながら現れた。リオはグェイサに告げた。
「俺にはわかるぜ。てめぇ、なーんかとんでもねぇこと、しでかそうとしてやがんなぁ……だからよ」
リオは腕を回すのを止めた。
「まずは、てめぇからだ」
その背後! 「ぐふはッ!」再生したフォルがリオに躍りかかる! リオは……振り上げた右拳の裏拳で、フォルを吹き飛ばした。「ぐはぁッ!?」
「カカカッ。何者だ、貴様」
「はッ。これから死ぬ相手に名乗るほど、俺は酔狂じゃあねぇよ」
リオはひらひらと手招きをした。
「かったりぃ……つべこべ言ってねぇでかかってこい。とっとと済ませてぇからな」
グェイサは嗤った。
「バカがッ!」その巨体の輝きがより強まっていく。「この世界を消し去る前に、貴様を血祭りにあげてくれるわ……死ねいッ!」閃光! グェイサは光の速度でリオとの距離を詰める! そして、星をも砕く拳が唸りを上げ、リオの顔面を直撃した!
爆風!
……だが!
「痛ぇ……」その声にグェイサは驚き、目を見開いた。リオはその拳を真っ向から受け止めていた──顔面で。
リオは拳を受けたままで笑った。「じゃあよぉ、次はこっちの番な」リオは拳を振りかぶり……そして殴り返した!
轟音ッ! 「グアァアッ!?」グェイサの視界が回転し、吹き飛んでいく。グェイサは信じることができなかった。この俺が……吹っ飛んでいるだと!? 錐もみ回転をして!?
グェイサは地を滑るようにして止まり、立ち上がりながら吠えた! 「おのれ……おのれェ……ッ!」その全身が灼熱し、その形相は爆発寸前である!
「ははッ。てめぇ、もう終わってる顔だぜ、それ」
「カカッ……ほざけ……要は、すべてが吹き飛んでしまえばそこで終わりよ……」
グェイサの体が膨張していく! 凄まじい光が放たれていく!
「見よッ! これが俺の……超新星爆発だッ!」
その瞬間、閃光と超高熱、凄まじきガンマ線バーストが吹き荒れた! しかしそれは……真に刹那の出来事であった。グェイサは吹き荒れる輝きの中、両腕を広げたリオが不敵な笑みを浮かべ、己に迫りくるのを見ていた。
「バカなッ!?」
リオはグェイサの肩を抑え込むように掴んだ。その両腕に、凄まじい力が漲っていく。超新星爆発の力が抑え込まれていく! 「ぬぅぅぅぅぉぉぉッ!」リオの咆哮! そして爆発は……止まった!
「なんだ貴様……なんだ貴様は……ッ!?」
リオは超新星爆発を決死の形相で抑え込みながら、壮絶な笑みを浮かべた。
「ははッ! 相手が悪かったなぁ。俺の力はッ! 相手の力が理不尽であればあるほどッ! それに抗うことができる……俺の力は、抗い、反抗するための力だッ!」
リオはグェイサの肩を掴んだまま、頭を後ろへと振りかぶった。
「さぁ! おっぱじめようぜぇ、お祭りをよぉ!」
リオは楽しげに叫んだ! それは戦場全体に響き渡る大音声であった!
「てめぇらぁッ! 今こそ……」
リオは叫びながら頭を……振り下ろすッ!
「雄叫びをあげろッ!」
壮絶な笑みを浮かべたまま、振り下ろされた頭蓋がグェイサを直撃する! 凄まじい閃光。
グェイサの脳天は、粉砕された。
☆
戦場に巨大な剣の嵐が吹き荒れている! 迫りくる剣を荷電粒子の輝きで撃ち砕きながら、荷電粒子砲のカノンは妖艶に笑っていた。
「フフフ……あなたね……このバカ騒ぎの主犯は」
その視線の先。ひときわ巨大な剣が、荒野の大地から屹立している。そしてその先端。風に黒髪をなびかせながら、女が立っていた。女は襤褸を纏っている。女は腕を組み、凛々しく堂々たる姿でカノンを見据えている。女の胸元には強大なる四字のジュクゴ……剣山刀樹!
女は──剣山刀樹のミツルギは鼻で笑い、カノンの問いに応えた。
「あぁ……そうだが?」
カノンは押し殺すように笑った。「フッフフフ……」その腕をミツルギへと向けてかざす! 「では、お死になさいッ!」
だが!
「……?」その笑みが凍ったように止まる。ミツルギはカノンに向けてまっすぐに手をかざしている。「バカが」冷たく見下すようにミツルギは言い放った。カノンの口から血が溢れ、切断された上半身がずるりと落ちた。ミツルギのかざした手の直線上。虚空から生じた無数の巨大剣が旋回し、ジュクゴ使いたちを切り刻んでいく!
(ふん……これが元気のジュクゴ、根性のジュクゴ、そして……造反有理のジュクゴがもたらした力か。漲る……力が、溢れ返る)
ミツルギは呟いた。「向かうところ敵なし、といった気分だな」そして、先に轟いたリオの言葉を思い出し、笑った。「ふっ……雄叫びをあげろ、か」
ミツルギは目を見開き、かざした手を力強く握りしめる!
「あぁ、いいだろう……あげようではないか、雄叫びを。強者に立ち向かう我らの叫びをッ!」
そして高らかに、共に戦う者たちへと向けて叫んだ!
「血路は開いたぞ……ゆけッ! 貴様らァッ!」
その背後から、かざした手の方角へと向けて一本の巨大剣が伸びていく! それは猛烈な速度と勢いで伸び進み、そして、その先端から……
「グラグラグラァーッ!」
咆哮とともに、鉄球のごとき質量が飛び出した! その丸い塊は剣の勢いをも乗せて、凄まじい回転とともに飛んだ! 質量、回転、そして凄まじい硬度! 進行方向上のジュクゴ使いたちを、次々となぎ倒し、吹き飛ばしていく!
「グラァッ!」
塊は……銅頭鉄額のアイアーンは、体を広げ、叫んだ!
「ゆけぇいッ! 小娘ッ!」
その広げた体から、蒼い輝きをまとい女が跳躍した! その長くウェーブのかかった青髪がなびいている。その左目の下には泣きぼくろがあった。
女は──カガリは、吠えたッ!
「どおぉぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁあッ!」
戦場に蒼き炎が迸り、渦巻いた! 次々と炎に飲まれ、ピエリッタの軍団が消滅していく!
「これは……ッ!」
ハガネ、そしてミヤビは上空を見上げた。凄まじい爆炎が戦場の空を覆っていく!
「……お?」カガリは落下しながら、己に迫りくるジュクゴ使いを見た。炎を突き破り、「フオォォォ」不気味な声をあげ、熱的死のサマルデがカガリへと迫る! その破滅的な暗黒の肉体が拡がり、カガリを包み込もうとしている!
「あのさぁ」落下に身を委ねながら、カガリは緊張感に欠けた声で言った。「早く会いたいんだ。邪魔……しないでくれる?」
炎を纏った拳を振り絞り……「うりゃ!」一閃! その拳はサマルデの体を突き破った。
サマルデを蹴りあげ、カガリはその反動で腕を引き抜く。「へへ……」カガリは笑い、落ちていく。サマルデは……「オォ?」その体が歪み「オォォ?」次々と内部から蒼い炎の輝きが生じ、「オォォォォッ!?」爆散した!
凄まじい爆発光を背景に、カガリは三点着地を決めた。そしてカガリは顔を上げ……目の前に立つ人影を見た。
(あ……)
その瞬間、時が止まった。目の前には彼がいた。不屈のハガネが。
「お前……」
ハガネはカガリを見つめた。「お前……」「へへ……アタシさ、」照れたようにカガリは笑った。
ミヤビが眉根を寄せ、カガリの体に輝くジュクゴを見る。それは強大な……あまりにも強大なジュクゴであった!
その右の拳には「劫」! 左の拳には「火」!
さらに!
右の肩には「洞」! 左の肩には「然」!
そして……その背には「大千俱壞」!
すべて合わせて……
劫 火 洞 然 大 千 俱 壞 !
そのジュクゴ、なんと衝撃の八字!
「へへ……アタシ、なんか強くなっちった」
「お前……」ハガネは力を振り絞り、カガリへと向かって歩いた。「お前……」ハガネは思い出していた。窮地に陥った時、ハガネを照らし出したカガリの炎の輝きを。協力して、恐るべき双子のジュクゴ使いと戦った時のことを。「お前……」そしてゲンコとゴンタを護り、散っていったカガリの姿を──
「お前ェッ!」
「え?」カガリは目を丸くした。ハガネは、カガリを抱きしめていた。「お前、なんで……なんで生きてッ!」カガリは照れたように鼻をこすり、目をつぶった。「へへ……」
カガリは、はにかみながら呟いた。「……ゲンコ、なんだ」「……ゲンコ?」「そうだよ、ゲンコ。あいつの元気の力が……アタシを、無理やり連れ戻してくれたんだ」
カチン。わざとらしく、ミヤビが剣を鳴らす。「あ……」ハガネはカガリから身を離した。「ちェッ……」カガリは残念そうに呟き、そして上空を指さした。「ほら、あそこだよ」
ハガネはその指先を見た。斜めに伸びた、巨大な剣の背。隠密のステラに抱えられた、ゲンコとゴンタの姿が見えた。
「はは……」ハガネは笑っていた。「よし……」その拳を握り締める。「よし……ッ」腹の底から力が湧いてくる。「よぉし……ッ!」ハガネは感じていた。カガリの輝きが、再び力を与えてくれたのだと。そしてゲンコの元気と、ゴンタの根性が、俺を支えてくれている!
「なぁ……」カガリが心配そうに尋ねた。
「アタシを……信用してくれるのか?」
ハガネは力強く頷いた。「あぁ!」
「アタシ、お前の隣で戦っても……大丈夫なのかな?」
ハガネはもう一度、力強く頷いた。「あぁッ!」
「へへ……!」
カガリは満面の笑みを浮かべた。
「ハガネ……」ミヤビがハガネに並び立つ。「貴様のことだ。行くのだろう。ライを……電光石火のライを助けに」
ハガネは再び力強く頷いた。「あぁッ!」
ミヤビは笑みを浮かべた。「よかろう……私も共に行く」
ハガネは上空を見た。二人も続くように空を見上げた。そこでは壮絶な戦いが繰り広げられている……神話的な、終末の戦いが。
ハガネは叫んだ! 「行くぞッ!」
カガリが拳を振り上げる! 「おうッ!」
ミヤビは静かに頷いた。
「これで最後だ……!」
三人は同時に叫んでいた!
「「「これで、終わらせてやるッ!」」」
【次回、最終話「不屈のハガネ(前編)」!】