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で、国家資格キャリアコンサルタントって稼げるの?
国家資格キャリアコンサルタント。
なんか、すごそうですよね?稼げそうですよね?
Googleで「キャリアコンサルタント」と検索してみると、検索ページの最下部「他の人はこちらも検索」欄には「キャリアコンサルタント 資格 無駄」なんていうワードも出てきます。
これって一体どういう状況?
キャリアコンサルタント=稼げる では決してない
非常に残念ではありますが、キャリアコンサルタントは稼げるどころか、その資格の認知度も非常に低く、世の中で求められているかと言えばまだそのような状況ではないようです。
いえ、求められていないのではありません。知られていない、の方が正しい。
国家資格キャリアコンサルタントの仕事、その目的は「働く人の悩みに寄り添い、その人の職業人生の選択肢を広げ、自分の力で意思決定していくサポートをする」こと。その他企業に対しては、社員の能力開発や職場環境の整備のお手伝いなどもあります。
でも、そういったことをする人ですよ、ということがまだ十分に知られていません。知らなければ求めるはずはありません。
そういう意味では、この資格は今後徐々に世間に認知されるようになり、10数年経ってみれば、当たり前に活用される時代になっているというものだろうと思っています。
私が30代でFPの資格を取得したのと、状況はよく似ています。今から約20年前、FPとかファイナンシャルプランナーとかいっても「はい?」という反応をされることが多く、仕事として成立していない状態でした。
ところが、今はFPと言えば大概の人が「ああ、お金の専門家ね」くらいの認識はあるし、ファイナンシャルプランナーの看板をあげて生計を立てている方も大勢いますよね。
キャリアコンサルタントも、似たような軌跡を辿ると予測しています。
稼げないのに、なぜキャリアコンサルタントになろうと思ったのか?
すみません。中にはキャリアコンサルタントとしてしっかりお仕事している方々も大勢いらっしゃると思います。
そういった方もいるということは承知しています。
私が「稼げない」というのは、資格をとってすぐに、資格を持っているから稼げるという状況ではないということなんです。
各種求人サイトを見ると、キャリアカウンセラーやキャリアアドバイザーとしての求人は散見されます。職務内容を見ると、ほとんどが人材採用や求人マッチングサービスで数字のついた「営業」のようで、本来の国家資格キャリアコンサルタントの業務とは異なるものです。
では、なぜフリーランスの私は教育訓練給付金も使えないのに、大金はたいてこの資格に挑戦したのか?
うーん、大きな理由は2つ、小さな理由が1つあります。
大きな理由1つ目は
現在55歳のわたくし。
47歳あたりから離婚することを意識し始め「自分で稼げるようにならなければ」この想いに取り憑かれるようになりました。
それ以降さまざまなことに挑戦してきました。
一番初めに挑戦したのは「輸入物販」でした。当時パートで仕事をしていましたが、どんなに頑張ってもたいして稼げないし40代後半から正社員になるのは無理だろうと思っていたのです(実際は無理ではなかったかもしれませんが、会社員は希望していませんでした)。
我ながら、よく粘ったと思います。一定の成果を出せるようになり、そこから輸入物販に挑戦したい人たちへ教える仕事も同時並行で始めました。
そうした中で、働くことに悩んでいる人が本当に多いんだなと実感したのです。案外同年代の女性も多く、彼女たちと繋がって、サポートする仕事が楽しかった。この経験が下地としてあります。
大きな理由2つ目は
2つ目は娘のこと。
2019年、コロナスタートと同時に社会人となった娘が入社した会社はタイミングの悪いことに旅行会社でした。4月から自宅待機スタートで結局丸2年自宅待機。その後、他社への出向期間を経て、ようやく就職先企業で働けるとなったのに、配属されたのはコールセンターでした。
社会人となった瞬間から「不安」しかなかった末に「こんなはずじゃなかった」部署への配属。
彼女はたくさんの企業から内定をもらっていました。その中から、なぜその旅行会社を選んだのか?
彼女の中にもその答えがありませんでした。なんとなく?有名企業だったから?旅行会社ってなんだか楽しそうだった?
そこに「納得感」があれば、もしかすると不本意と感じた配属にも耐えられたのかもしれません。しかし、長い時間の不安と無力感で限界が来たのでしょう。その会社を退職する決断をしました。
若者が社会へ初めて踏み出す、その時の選択はとても重要なものです。でも〜になりたい、〇〇という会社で働きたい、そんな思いがある人の方が少ないのではないでしょうか。
そうであっても、その人の経験の中から「好きなこと」「やりたいこと」を探し「こんなふうに働いてみたい」という思いを探り自分で気がついてもらうこと。それにはサポートする人が本来必要なのではないか。
これから日々の長い時間を投下する「仕事」について、自分で全部決めろというのは本当はどの人にとっても難しいことなのではないかと思うのです。
小さな理由
最後に小さな理由。
これは正直下心でもあるのですが、この資格の将来性にかけてみようと思ったからです。
今はまだキャリアコンサルタントが大勢に認知されているとは言えない。これは逆にチャンスじゃない?
先行者利益、取れるんじゃない?
というヨコシマな気持ち。
市場が飽和してからじゃ遅いということは輸入物販から学びました。
人気が出る前にその市場に参入してないと、後になればなるほど、稼げないんですよ。物販の世界。
そして、これは物販だけじゃありません。
Kindleだってそう、YouTube制作だってそうでしょ?
納得感がある仕事がしたい
娘の就職でも感じたのですが、仕事を選ぶときに大事なのは「納得感」ではないでしょうか。例え失敗したとしても、そのとき「納得感」を持って自分で選んだものであれば諦めがつきます。
そして、今の私にとって「キャリアコンサルタント」という仕事は納得感がある。
55歳の私が働くとすれば、これからよく頑張っても後15年ほど。
残りの職業人生をかけてもいいと思える仕事。
若い人にはまだピンと来ないかもしれないし、回り道だってむしろどんどんしていいと思います。
でも、私にはもうそこまで時間がない。
ギリギリの、最後の挑戦という実は並々ならぬ思いがあったのだなあと、我ながら驚きつつ、今日はおしまい。