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夫の難病「多発性嚢胞腎」の専門医に斬り込むゲイ主夫

ボコさん(同性のパートナー)は、「多発性嚢胞腎」という腎臓の機能が低下してしまう遺伝性の難病なのだが、2年前から薬の力(トルバプタン/商品名「サムスカ」)を使って進行を遅らせている。

といっても、日本では2010年に承認されたばかりの新薬のため、知見が少ない。

腎臓の機能は、血液検査でわかる。
eGFRという数値が60を下回ると、3分の2の腎臓の機能が失われていると同義となる。一度失われた機能は、二度と戻らないと言われている。

ボコさんのeGFR値は、薬を始めて2年以上でも、今や60を下回った。
eGFR値を時間経過でグラフ資料にしたら、新薬の服薬を機に、むしろ低下が進んでいるではないか。

製薬会社のHPを見ると、新薬の一般的な服薬のタイミング(朝・夕とか)も違うし、腎臓の進行度合いである容積チェックも、もっとしなくていいのだろうか、とか。

考え出すと、どんどん怖くなった。
ボコさんに話をすると、ボコさんも不安になり、今度の通院は一緒に行こうとなった。


そして、通院当日、撃沈。

先生は、全ての疑問に、丁寧に時間をかけて答えてくれた。

一応、同じ難病の人がいるかもしれないから回答内容を書いておくと

・eGFR値が60に低下:問題なし
服用直後はeGFRががくんと落ちると最近わかってきている。ただし、ここ半年は横ばいなので服薬の効果が出ていると判断できる。
・サムスカの服用タイミング:問題なし
服用タイミングについて、他の患者さんで(夕ではなく)昼に飲むのでも効果が出ているのは評価済みのデータである。夕方飲む方が効果はでるが、就寝中の利尿作用(副作用)が起きやすいため、バランスをみて朝昼の服用にしている。
・服薬後の急な腎臓の容積増加:問題なし
最近の知見では、服薬で効果を期待できても、腎臓の容量だけは大きくなってしまうことが一部わかっている。容積の増加率だけでは、判断できない。実際、eGFR値は安定している。
・CTスキャンでの効果検証期間:問題なし
検査の技術上、放射線の影響もあるので、回数は抑えているが、1年に1回はみるので安心してほしい。

先生「ぼく最新のことわかるので、またなんでも聞いてくださいね」

先生、かっこよすぎ。
ゲイ主夫、撃沈。

このままいけば、ボコさんは70歳になっても、人工透析にならなそうである。
ということが、改めて分かった。


色々やらかしたけど、ホッとしたし、聞いて良かったかもしれない。
同性パートナーとして、同席させてくれたお医者さんや、ボコんさんにはとても感謝している。

一緒に歩んでいる感じ。

ぼくらの一番の健康法なのかもしれない。




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