小倉トーストラングドシャと雑なドリップコーヒーのペアリング
トーストにバターを塗り、小倉あんをのっけた小倉トースト。これを単体で食べてもおいしい。たぶんコメダで食べたと思うのだけど。地元の幹線道路沿いに比較的最近できたコメダ。だが、僕にとっては普通のおいしいだった。どこで食べたか覚えていない程度の美味しさ。
ところが、小倉トーストラングドシャを雑なコーヒーと合わせると驚くほどおいしくなる。研究室に誰かが名古屋に行ったお土産に買ってきたので、みんなが持ち回りで生協か何かで買ってくるそのへんのコーヒーを適当に入れて、組み合わせて食べたのだった。びっくりしてそのままノートに感想を書き始めた。
オリジナルの小倉トーストは、粒あんやパンをきちんと噛まないことにはコーヒーを口に含めなかった。また粒あんに含まれた水分が、口の中でコーヒーと混ざることを妨げていた。小倉トーストの残り香とコーヒーの一体化だった。しかしラングドシャとなることで、その味をほぼ完全に残したままコーヒーを受け入ることができる。コーヒーとの高度な一体感が実現している。
さらに、普通の小倉トーストにおいては割と控えめな要素のバターがより前面に出されているように思う。乳成分として、コーヒーにとてもよくあう。
合わせるコーヒーもよかったのかもしれない。安いモカをコーヒーマシンで適当に入れたものなのだが、モカの適度な酸味がバター分との均衡をなし、また強めの大雑把な味であることが、複雑だが別に繊細というわけではない甘さとの均衡を実現しているようだ。丁寧に淹れたコーヒーだとラングドシャに押し負けて融合にならない。
世の中にある幸福な組み合わせを拾い上げていきたい。
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これから書きたいと思っているのは「家でできる日本酒の作り方」「ペルー料理を理解するための料理・レストランガイド」「セビーチェのすべて」「ペルー料理を日本料理化する:日秘料理の構想」「砂漠への虚無旅」です!乞うご期待!