モノゴトを上手く進めるために~根回し~
仕事をスムーズに進めるには、日本ではいまだに”根回し”が有効だと思っています。日本の会社の気質上、忖度をする人、上を見て仕事をする人が多いからだと思っています。
良い悪いは別として、自分の評価を上げるため、スキルを上げるためには必要なスキルです。今回は根回しについてお話いたします。
プロジェクトの関係者を考える
関係者を明確にする
まず、プロジェクトやタスクに関して、誰が意思決定に関与するか、またはステークホルダーは誰か、誰が影響を受けるか明確にすることが大切です。この関係者リストが不完全であると、後々合意形成が誠実になる場合があります。例えば、直接的な首長だけでなく、他部門の協力が必要な場合はその部門の担当者、または間接的に影響を受ける他のチームのメンバーも含めて考えておくべきです。なお、リストと言っても頭でわかっていればOKです。
関係者ごとの期待を理解する
関係者のリストが纏まったら、それぞれが何を重視しているかを理解することが重要です。例えば、トップは成果を重視するかも知れませんが、協力する他の配置は、リソースやスケジュールを気にしなければなりません。
関係者の期待や先入観を理解することで、根回しの際に適切なアプローチが取れるようになります。
ポイント
各関係者の業務目標や優先事項を事前に把握しておく。
過去に同じようなプロジェクトで問題が起きた場合の事例を確認しておく。
タイミングと内容を考える
根回しするタイミングを見極める
根回しは、遅くても早すぎても効果が薄れます。理想的なタイミングは、計画やプロジェクトの方向性がある程度固まった段階で、関係者の意見を求める時期です。これにより、根回し関係私たちの理解やサポートを得ることができ、その後から大きな反対意見が出ることを防ぐことができます。
早すぎると
関係者が十分な情報を持たず、有効な情報提供が出来ず、かえって不信感を招いてしまう場合があります。
遅すぎると
すでに決定した事項を検討する形となり、根回しの意味がなくなり自分は後回しにされたという印象を与えかねません。
根回しの内容を考える
根回しを進めていく中で得た情報や意見をもとに、関係者全員が納得できる形で合意形成を進めることが必要です。そのために、以下の要素を含んだメモや報告書を作成することをおお勧めします。
各関係者の意見とその背景
主要な決定事項とその根拠
次のステップとそのタイミング
これにより、各関係者が自分の意見が適切に反映されていることを確認でき、プロジェクトの進行がよりスムーズになります。
また、人により内容を少し工夫しながら伝える必要もあります。そして本来の意思決定者にはなるべく関係者から集めた希望を反映させる努力は必要です。
大前提として
普段のコミュニケーションを心がける
いきなりあまり関係のない人から相談されても相手は構えるばかりで心を開いてはくれません。大前提として普段から部署のキーマンを見極めておく必要があります。順番としては以下を意識します。
①普段の周りのやり取りなどを見て、各部門の仕事内容とキーマンを見極めておく
②まずは挨拶から、雑務でもよいのでなるべくコミュニケーションを取るように心がける
③依頼された仕事は範疇外でもチャンスと思い、全力・迅速に対応する
④気兼ねなく挨拶ができる状態になる
くらいまで行ければOKです。ただし、全部門のキーマンとそのようになるのは現実的ではないため、できる限りのことから始めましょう。
いざ、根回しの段階になっても「知らない情報を事前に入れてくれる使えるやつ」というプラスの印象を与えることが出来ればいいのです。
まとめ
根回しは、事前事前準備や情報収集だけでなく、関係者との関係を見据え、適切なタイミングでコミュニケーションをとることが鍵です。根回しがうまくいけば、仕事全体の進みがスムーズになるだけでなく、関係者全員の協力を得ることができ、成果も出やすくなるでしょう。
必ず、上手くいったこと、いかなかったことを伝えておきましょう。その時その時に手が打てるようになります。
バランスを見極めていくのが難しいですが、経験と思ってください。
必ず人間力も上がっていきます。