詩「観測者」
涙を流す機能を持った
機械仕掛けの観測者
熱と光と細めた双眸
答えは最後にとっておく
戦い続けた星だけが
宿す閃きがあるんだろう
交わることはないんだよ
ここに心を置いていこう
置いた心が朽ちようと
確かな事実だけを携えよう
泥の中を歩いていった
脈動している観測者
風と終わりと静まる遠点
じっと夜明けを待っている
歌い続けた声だけが
届く地平があるんだろう
たくさん抱えてきたんだよ
何物なのかも定まらず
収束できない在り様を
今この時だけは「未来」と呼ぼう
遠い光を眺めるだけの
私は単なる観測者
いつか消え行く面影の
祝福を止めぬ観測者
あなたの姿を定義する
たったひとりの観測者
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