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【LIFEHACK】麻製パンツの糊づけ


1. きっかけ

今では在宅勤務が当たり前になってあまり気にしなくなりましたが、真夏にオフィスに出かけなければならない時にいつも思い悩んでいたのが、通勤時の汗対策でした。外を歩けば数分で汗が吹き出し、オフィスに着く頃には汗だくとなって、デスクに座って最初にやる事は汗拭きでした。幸いビジネス・カジュアルOKだったので風通しの良い服を着ていましたが、それでも肌触りの良いものが欲しくて見ている中、麻のパンツを見つけました。履いてみるとデザイン性も良く、カジュアルでも着回しが出来そうなので、ネイビーと黒と二本購入して履いていました。

麻は洗濯にも強いという思い込みがあったので、普通に洗濯もしていたのですが、段々と買った時のようなパリッとした感触やつや感も薄くなり、柔らかくなって履きやすくはなっているのですが、麻素材のパンツとしては見た目が悪くなってどうしようかと思っていたところ、糊付したら再生できるのではと思い立ちました。

2. 麻の特徴

最初からきちんと知識を入れておけば良かったのですが、麻製品の洗濯は結構デリケートなんですね。ロープに使われているくらいなので丈夫なのだろうという思い込みで粗雑に扱っていたのですが、洋服に使われている生地は摩擦に弱く、丁寧に扱わないと、繊維がケバ立って白けてくる事。木綿のように繊維が柔らかくなく折れやすくて、洗濯時の脱水で繊維が捩れるとシワになること。乾き切ってしまったら、アイロンがけでも中々シワが取れない事などなど思い当たる事もいくつかあり、改めて大事に扱わないとと、気づかされました。

3. 糊付け

そんな中、のり付けで当初のパリッ、シャリッと感が戻る事を期待して調べてたのですが、詳しい説明に中々出会えなかったので、実験も兼ねて自分で試した内容の覚え書きとしてここに残しています。

3-1. 糊の準備

麻に合う糊は何が良いかと調べ始めたのですが、一般的な糊の商品の説明しか出てきません。ポピュラーなのは、PVA(ポリビニルアルコール)という、一昔前にお手製スライム作りの材料として使われていた合成ノリです。

ECサイトで見ると、PVAの他にアイロン時に使えるスプレー糊とか高機能のものもありましたが、肌触りを求めているので、保存料とか含まれていないシンプルなものが良いと思い、実験なので値段的にも安く入手しやすそうなPVAを近所のドラッグストアに買いに行きました。

ところがです。大手チェーン店のドラッグストアだったのに、PVAどころか、洗濯糊自体を扱ってないということ。ECサイトで買おうかと思いましたが面倒だし、他に候補として出ていたでんぷん糊を試すことにしました。

3-2. でんぷん糊

でんぷん糊は、でんぷんを水に溶かして熱を加えて糊状にしたものです。小学生の頃、工作用に緑のチューブに入っていたのりがでんぷん糊だったようで、洗濯以外でも障子張りとかに普通に使っていました。

洗濯糊の購入が出来なかったので、今回は糊も自作することにしました。
PVAを調べた時に見つけた、レシピと作り方の一例を載せておきます。

(材料)

  1. でんぷん(コーンスターチ、片栗粉など):大さじ1

  2. 水:400ml

(手順)

  1. 材料にある分量の水を鍋に用意し、1のでんぷんを溶かしておきます。

  2. 鍋を火にかけ、かき混ぜながらゆっくり温めます。

  3. 温まると段々と透き通ってくるので、沸騰しそうになったら火を弱めます。

  4. 鍋の底が十分に見えるくらい透き通ってから、3〜4分ほど温め続けます。

  5. 粘り気が出て糊状になったら、火を止めて冷ましておきます。

3-3. 衣類への糊付け

糊も出来たので、いよいよ糊付けです。糊付けしたい衣料は、あらかじめ手洗いして、軽く脱水しておきます。手洗いの時も脱水の時も、生地を痛めないよう、捻れに気をつけます。脱水は雑巾の時のような絞りかたはせず、洗濯機の脱水で、水が滴らない程度の軽い脱水で済ませておきます。

洗濯機によってはでんぷん糊が良くない事もあるので、洗面台に水を貯めて、作成した糊を溶かし込みました。今回糊付けするのは、パンツ三本にシャツ一枚で、洗面台に衣類が浸かるくらいの水をためてから作成した糊を溶かし、最初に衣類を全て漬け込み、その後、糊がよく行き渡るように一枚ずづ振り洗いの容量で糊を染み込ませ、手洗いの時と同じように軽く脱水しました。

4. アイロンがけ

水が滴らない程度に脱水した衣類を、物干し台で乾かします。
アイロンがけをしてシワが目立たないようにしたかったので、完全に乾く前の生乾きの状態でアイロンをかけました。今の季節だと、シャツで1時間くらい、パンツで2時間くらいでアイロンをかけられるくらいに乾きました。パンツの場合、全体にかけるのは難しいので、足を通す部分のシルエットが整うようにかけた後、もう一度全体が乾くまで干しておきました。

まとめ

今回実験的に試したのですが、結果はとても良かったです。
シャツとパンツの内2枚は麻100%で、糊付きがものすごくよく、多少色落ちはしてるものの新品のようにシャリッ、パリッとなりました。
もう一枚のパンツは、麻15%、綿85%の混紡だったのですが、柔らかさを残しながら程々にパリッとなり履きやすくなりました。

糊付けをする時に、衣類が含んでいる水で糊が薄まるので、糊付け時の水の量を少なくするか、でんぷんの量を多くしてもっとパリッとするようにしても良いと思いました。

手作りのでんぷん糊は、洗濯糊として十分使えました。防腐剤等入ってないのが良いですが、虫食いやカビには注意する必要があるようです。手間はかかりますが、その都度必要な分量だけ作れば良いので経済的ですね。

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