日進月歩 ~Road to MBA~#90
2021/3/27:DX事例研究勉強会(笠原先生)
ビジネスデザイン研究科の縦の繋がりから企画されたこの企画!!17期の皆様にもご協力いただき、笠原先生に「DX戦略のポイント」を講義いただきました。さらに実際のケースから提供価値の変化を構造的に学ぶことを目的に、また、M1の時の秋学期の講義であるシードマネジメント特講1Aと1Bの復習も兼ねながら、「CCDIV(Customer、Competition、Data、Innovation、Value)」について改めてケースから学ぶことができました。
■DX活用傾向と成果
近年では、DXへの関心が高まってきている中で、各企業のDXの進捗状況をまとめた表などをご説明いただいた。DXの取組割合は、おおよそ5割~6割程度の大手企業が実施をしているようである。しかしながら、「成果の実感」や「DX実施上位目的」といった内容を見ていると、どうしてもオペレーションの改善が大きく、ビジネスモデルの変革にまで至っていない。未だ多くの企業がDXとしての”本当の成果”を実感できていない現状となっている。
以下のアンケート結果からは、昨年比で「業務プロセスや業務システムの先進化」は引き続き推進していることが分かる。また、微増している項目としては「ビジネスモデルの変革進化」や「デジタル時代に対応する事業ドメインへの進化変革」となってきており、少しずつではあるが変わっていっているようにも思えている。
※「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)」【電通デジタル調査】より抜粋
■DX戦略を構成している価値領域(講義復習)
DX戦略を構成して創出される価値領域は、大きく2つで”価値提案と呼ばれるValue Propotition”と”価値ネットワークと呼ばれるValue Network”であり、企業におけるビジネスモデルや戦略をトランスフォームすることを目的としていることを忘れてはいけない。更にその先には、HRM(人事・評価制度)の要素や、実際にプロジェクトを実施していく上での運用までもが要素として含まれているのだ。こういったことから分かることは、『DXの本質は技術ではなく、戦略や新しい企業の方向性を導くものである』ということだと改めて認識をさせていただいた。
最近の例として挙がっていたのが、製造業における予知整備(予兆メンテナンス)やITの文化改革(アジャイル型)などの変化でもある。
※【以下図】DX戦略を紐解いていく上での”道筋”を大まかに理解したもの
■事例紹介(薬王堂)
受講生4名から様々な事例を持ち寄って発表があったが、今回は私が紹介した「薬王堂」について記載できればと思います。
(1)Value Propotitionの変化
薬王堂の特徴としては、➀店舗の大きさやレイアウトは統一(店舗はどこ行っても同じ)、②大手が対象としていない5,000人から7,000人の小商圏をターゲット、③薬だけでなく日用品や食品なども含めたコンビニエンスドラッグストア型を展開していることがあげられる。このコロナ禍で、ビジネスモデルの変革を求められており、今回はその事例についてご紹介します。
コロナ禍において、薬王堂は非接触で受取り可能な「P!ck and」アプリの提供を開始した(2021年3月15日)。簡単にいうと、アプリで注文し、ドライブスルー方式で受け取るというものである。通常であればEC化して配達する形式をとるが、そこから着手していない理由としては以下の要因があるのではないかと私は考察したと発表した(あくまでも個人的な認識)。
【考察1】食品・日用品・薬といった急を要する商品を取り扱っている
※最短注文後2時間後に受取が可能
【考察2】地域性を重んじてアナログを取りいれる
※東北のみに拠点展開しており、コミュニティが重要
【考察3】Visionとして「究極のふつう」を目指す
※選択肢を増やし当たり前のことを提供する徹底する力
笠原先生の講義要素から読み解いていくと、変革による要素として➀顧客へ「価値提案」をしながらも「価値ネットワーク」もアプリで業務オペレーションを完結させるなどで両立させていること、②「MVP」を活用してまずは3店舗からリリースし、迅速な実験による顧客の反応をしっかりと見極めながら展開していること、③デジタルとアナログをうまく使い、今まで既存で創りあげてきた顧客ネットワークを維持して展開していることが、事例を通して感じることができました。
では、どういった価値提案(旧・新)となっていったのか自分なりにまとめ、基盤とするべき中核要素や破壊されたもの、デジタルを活用することで失ってしまうアナログの要素を中心に考えてみました。デジタルを活用することによって大きく変わるのは、「パーソナライゼーション」へ変化していくと私なりに感じていた。笠原先生からも、セブンイレブンやウォルマートの事例をお話いただき、今後は「パーソナルマーケティング」や「多様化マーケティング」に変化していくという内容をお聞きし、自分がデジタル化を推進する上での重要な要素だと思っている部分と一致することができた。
(2)ビジネスモデルとビジネスモデルキャンバス
DXを推進していく上で重要な「CCDIV(Customer、Competition、Data、Innovation、Value)」の要素から考えてみようと思う。中でもCompetiton(競争はプラットフォーム)を考え、以下にまとめてみた。更にこれまでの要素に基づいて、薬王堂の変革した「ビジネスモデルキャンバス」をまとめ、事例発表とした。
※参考資料:10Xと薬王堂が共同で「ドラッグストアDX推進プロジェクト」開始 ネットで注文、ドライブスルーで受取可能な「P!ck and」アプリを提供(2021年3月15日)
※参考資料:薬王堂(Pick andアプリ説明)
※参考資料:ドラッグストア成長戦略(2017年度)
※参考資料:薬王堂HP
平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】
春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】
株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】
中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
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