日進月歩 ~Road to MBA~#18
2020/10/5:シードマネジメント特講1A③
前回に引き続き月曜日のシードマネジメント特講1Aという実務家であり、学問と融合をさせている笠原先生の講義の3回目です。講義内では、購買プロセスにおける既存の営業活動に+αもしくは代用としたインサイドセールスの活用はどの部分ができそうか、顧客のKBFに対応できるDXの推進および最新技術の活用にはどんなことがありそうかを「フォークリフトの企業」を題材にディスカッションいたしました。
購買プロセスは5つのステップ(詳細は8つのステップ)に分けられる。それを分類分けすると、「動機付けプロセス」「意思決定プロセス」「レビュー・プロセス」がある。ではどこにインサイドセールスが有効的に活用できるのか、を確認した。新型コロナウイルスの影響によって注目された手法でもあるが、「動機付けプロセス」において現状は利用されることが多く、さらにはこの部分だけに特化した企業(ビザスク社)などニーズをヒアリングするために、デジタルを活用した付加価値を提供できるようになった。
◎インサイドセールス:
電話・メール・ビデオ会議システム等を用いて、顧客とのコミュニケーションを行う役割(対義語はフィールドセールス)のセールス
それでは、顧客におけるKBFはどんなものがあるだろうか?先ほど購買プロセスの話をしましたが、購買プロセスおよび登場人物によって異なっている傾向がB2Bには大いにある。これは、購買センター内に担当者・チームリーダー・センター長・経営者など自分の業務に合わせた課題に対して、もっとも興味のある内容に対する価値をもって決めるからである。各登場人物のKBFを細く理解することで「顧客価値」を提供することができるが、最近ではこの方法にDXという考え方を用いた「収益の最大化」を提供することができる。その中で、「顧客価値」とは何かを分解してみたいと思う。
顧客価値は、①製品、②サービス、③価格の要素で構築されている。また、さらに③価格は、「Companyの価格」、「Competitor(市場)の価格」、「Customer(WTP)の価格」で構成されて決まっていくものであり、価値を表示する機能として判断できるものである。
◎KBF(購買決定要因):
購入対象となる製品を構成する価値や価格の中で、顧客が商品の購買を決める際に「重視する要素」のことを言う
例として荷物を運ぶフォークリストを欲している顧客がいた場合に、本当にフォークリフトが欲しいのだろうか?顧客の潜在的かつ本質的なJobs to be doneは、「物資に対して”需要に対する供給の最適化による最大化および標準化”(平岩説)」ではないだろうか。
フォークリフトを自動運転にする、そもそも工場をオートメーション化してフォークリフトを利用しないなど、DXは更なる価値を提供できる要素をもっているとディスカッションを通じて感じている(以下例)。
【ディスカッションであった例】
✔ 自動運転フォークリフト( +センシングにおける予防メンテナンス)
✔ 工場のオートメーション化( + 稼働状況および生産能力の把握)
しかしながら、利用するユーザーが決断できるかどうか、反対要素や反対勢力がある中でどう推進していくのか、課題は多くある。DXの可能性が、たくさんの企業事例からも見えてきているなかで、リソースをDXに向けられるかどうかが重要になってくるのではないだろうか。
■工場のオートメーション事例
✔ 丸井:EC支える自動倉庫「オートストア」の衝撃
✔ ニトリ:ロボット倉庫「オートストア」がニトリの物流の現場を改革
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 平岩 宗