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日進月歩 ~Road to MBA~#45
2020/11/16:シードマネジメント特講1B①
本日より秋学期2が始まり、月曜日はシードマネジメント特講1Bとなります。先生は変わらず実務家であり、実務と学問を融合させている笠原先生の講義の1回目です。秋学期1では「Rogers(2016)」におけるCCDIVを中心に学ばせていただきまして、本日からは「DXをテーマとした事業戦略とオペレーションをカバーしたうえで、DXプロジェクトを実践していく際の留意点をケース・スタディを通して理解」について学びます。
前半は、秋学期1で学んだDXの本質と基づいた「CCDIV」の復習をいたしました。デビット・ロジャーズにおけるDXの本質は、”技術の活用論ではなく、新しい思考の仕方、さらには、戦略論そのもの”と定義されています。DXによって創出される価値は2つの領域(①顧客経験:CE、②業務効率:OE)に分けられ、密接に関わっていることも示されています。
その後はCCDIV(Customers、Competition、Data、Innovation、Value)の概要を改めてご説明いただいた上で、中小企業におけるDX事例をいくつかご紹介いただきました。中小企業のDX事例(中小企業且つTraditionalな日本企業)からの学びとなります。
【参考事例(4社)】
今野製作所、旭酒造、小柳建設、東海バネ工業
▶中小企業におけるDX事例からの学び
✔ 業務効率(OE)視点からのDXが多い認識
✔ トップの問題意識があるかどうか(体力が無いためスピードが重要)
✔ コンサルや協力企業などの「外部協力者」の必要性
実際にDXを進めていく上では「従業員のメンタル的なケア」や「評価基準の設定」、「企業の進むべき道の浸透とコミットメントの設定」、「アジャイルな開発手法」といった要素が必要となるだろう。また、要素以外にも企業のマインドも含めて変革していくことが成功への要因となる。
後半は、「破壊的ビジネスモデルの構築」について講義いただいた。事例ケースは”NETFRIX vs BLOCKBUSTER”と”Apple vs NOKIA”を説明いただき、旧モデルに対して破壊性をもたらす製品やサービスの特徴にはどういったものがあるか、チームでディスカッションした(以下は意見を抜粋して記載)。
✔ 顧客指向での使いやすさ(利便性)
✔ 在庫という観点がなく、どこでも手に入る(即時性)
✔ Painを削減して、Gainwo増やす(新しい価値を創出)
✔ プラットフォーマーとして”売り手”と”買い手”の規模(低価格化)
こういった意見があった中で、成功に向けたビジネスモデルを好循環に回せていること(以下、自分が感じている好循環自論を記載)が破壊的なサービスを提供している企業になるのではないかと感じた。また、破壊的なイノベーションを起こす方法にも(A)アウトサイド・インと(B)インサイド・アウトという2種類の参入方法があり、Aはローエンド型(クレイトン・クリステンセンの説)、Bは高付加価値型(AppleやTeslaなど)でイノベーションを生み出している手法となる。
【好循環の自論】
市場進出への先天的な優位性がある上で、①売り手と買い手の数を増やす⇒②規模を確保⇒③低価格で提供することでさらにデータを取得⇒④データを資産として模倣困難なビジネスモデルを構築⇒⑤更なる規模を拡大
もし、このような破壊的な「ディスラプター」が業界に存在してきたらどうしたら良いのか。対応策は(Ⅰ)自らが破壊者になるか、(Ⅱ)損失を和らげる戦略をとるかに分かれ、それぞれ以下の種類が存在する。
また、今後の進むべき戦略を考えるために「ビジネスモデルキャンバス」を利用して、”自社の立ち位置”と”ディスラプターの立ち位置”を比較することで、”現在”と”将来”を考える手助けにもなるだろう。
※講義内では「破壊性の有効性をチェック」するリストも展開
最後に「コンサルタント」とは、顧客の課題認識から解決までを助けることをしているが、顧客が”時間”を聞いたときに「時を告げてあげるのか」それとも「時計のつくり方を教えてあげるのか」という選択があったときに、後者を提供できる(顧客を育てることができる)コンサルタントこそが本質であると教えていただいた。この言葉には深い意味があると自分自身で噛みしめながら、実務の最先端でやられている方から重要な要素を学ばせていただきました。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 平岩 宗