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スポーツ全般、主にサッカーの試合を綴り、気になった場面を切り取って物語を読み取っていけ…

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スポーツ全般、主にサッカーの試合を綴り、気になった場面を切り取って物語を読み取っていければと考えています。食やカルチャー、今練習中のIllustratorの練習奮闘記等、不定期かつランダムに載せます。

最近の記事

選手たちの一人歩き2/2

② 日本サッカーは市場競争ができていない。   Jリーグにお金が入ってこない。 これが貿易なら、破綻するチームが出てこないのが不思議なくらいだ。 日本のプロチームで黒字のチームはあまりに少ない。   やりがい搾取ならぬ、人材搾取が起きているに日本サッカー。 そこを競わずに今のJリーグを認めることは、停滞と足踏みの現状をよしとすることになる。 投資マネーがサッカー界に入り始め、お金はあるところにはある。 それを手に入れる機会はそこら中に落ちている。   お金がなくても選手の

    • 選手たちの一人歩き。1/2

      ①    先日、鎌田選手がドイツのフランクフルトからイタリアのラツィオへの移籍を果たした。 市場原理を強く意識した鎌田選手の移籍は、ある意味で日本サッカーの現状を示すいい例だ。   日本サッカーの発展には大きな落とし穴がある。 それは「いまだ鎖国の日本サッカー」ということだ。 「もっと多様で自由」のはずの、サッカーの醍醐味をこれまで見失っている証拠でもある。   海外のクラブへ挑戦した日本人サッカー選手が手にする経験の中で、現在においても重要なものは、これまで閉じていたプレー

      • 蹴球追いかけっこ

        ヨーロッパのサッカーシーンが一息つく中、今後のサッカーのトレンドはどこへ。   現在の日本代表は、トレンドを取り入れつつ選手の特性を生かした戦術を確立しようと模索している。 世界のトップに比べればこの取り組みは決して速いとは言えないが、試合でトライし、選手が形にしようとしている姿が見られるのは期待感がある。   日本代表に関して言えば、「本気の試合」ということを求めるのならばアウェーでの試合でこそ真価が問われる面がある。 今回の対エルサルバドル、ペルー戦はホームゲームとなった

        • 濁流の中のブライトン

          オールを漕ぎ続ける未完成の船 今シーズンのイングランドサッカープレミアリーグが佳境に入ってきた。 優勝、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ圏内の争い。 そして残留争いやFAカップ。 これほど混戦だったことがあるのだろうかというぐらい、1位から最下位まで目が離せないシーズンが展開されている。 そんな中、三笘選手が活躍を見せるブライトンは先日、残留争いをしているチーム相手に大敗した。 そんなことが普通に起きてしまうこのリーグで、彼はどうやって活躍しているのか。 三笘は

        選手たちの一人歩き2/2

          チームの魂はセットプレーに宿る

            快進撃 イングランドサッカーFAカップ4回戦、ブライトン対リヴァプール。 後半アディショナルタイムに入ってからの得点で2-1と劇的な勝利をおさめたブライトン。   試合の内容としては、終盤にブライトンが繰り出したセットプレーが秀逸だった。 このシーンを見れば、サッカーにおけるセットプレーの重要さがわかる。 さらに、三笘選手の現在の立ち位置とブライトンというチームがとても野心的であることが伝わってくる。   得点シーンのフリーキックを得た位置については、攻撃時に侵入す

          チームの魂はセットプレーに宿る

          ダークホースと三笘と久保

          デザインされたサッカーの先 物語には密度が必要だ。 小説を結末から読む人がいる。これはある意味合理的だろう。 しかし、その読み方はただ「インプット」しているという意味しかないのではないか。 未知の物語を思考しながら読み進める作業は、ただのインプットにはなりえない。 スポーツも同じだ。 一瞬の間に濃密なドラマがある。 そしてドラマはダイジェストや早送りでは絶対に認識できない。 この真理があるから、面白いし興奮する。 イングランドサッカープレミアリーグ第20節 ブライトン対

          ダークホースと三笘と久保

          サッカーパラドックス

          足が先か頭が先か イングランドサッカー、カラバオ杯準々決勝。 サウサンプトン対マンチェスターシティの試合は、現時点(1/12木曜日)でプレミアリーグ最下位のサウサンプトンが2-0で勝利。ジャイアントキリング成功となった。 前回の試合でシティはチェルシー相手に4-0という結果だった。 今回は強いチームゆえの難しさ、格下相手のメンタルマネージメントの難しさが分かりやすく露呈していた。 内容は全体的に悪くない出来だったが、プレーに細かいずれが生じていた。 最終ラインやサイドでの

          サッカーパラドックス

          世界最古のカップ戦

          先発出場してこそ イングランドサッカーFAカップ3回戦、ブライトン対ミドルズブラの一戦。 結果は5-1でブライトンの勝利。 ここまで好調を維持している三笘選手も先発出場。1アシストを記録して64分で途中交代というのが表立った結果だ。 チームプレー重視 この試合はブライトンが押し込む展開が多く、サイドチェンジが一つの有効手段となっていたことは、三笘選手にも有利に働いていた。 実際、彼のドリブルやパスの成功率は高く、ポジティブな内容に見えた。 しかし、データほど内容が良

          世界最古のカップ戦

          後の先

          システム三笘 サッカーイングランドプレミアリーグ第19節。 ブライトン対エヴァートン戦。 三笘選手は先制点を取り、内容的にも持ち味を発揮して4-1の勝利に貢献した。 しかし、ここまで先発フル出場を続けて、さらに中二日での試合だったため、 前半が終わった時点でいつもより消耗しているようだった。 ばく然とテレビやダイジェストで三苫選手のドリブルを見ていると、 「すごいのはなんとなく伝わるけど、なんであんなに簡単に相手を抜けるのだろう」と思う。 この試合でもっとも彼らしいプレ

          後の先

          ブライトンと日本代表の距離

          2022年の大晦日に行われたサッカープレミアリーグ第18節アーセナル対ブライトンの試合。 三笘選手は先発、冨安選手も途中出場を果たし、日本人マッチアップが実現した。 結果は2-4でアーセナルの勝利。 試合に臨む戦術の差が結果に反映された内容で、サッカーの醍醐味が分かる一戦となった。 今回も三笘選手の評価は高かった。 前節とは違い、得点に直接からむことに成功。 それによって、内容よりも結果を出してアピールできた試合と言える。 随所に彼らしいドリブルも披露し、相手に脅威を与え

          ブライトンと日本代表の距離

          三笘選手のプレイスタイル。4年も待てない。

          お楽しみはこれから サッカーカタールW杯が終わり、多くの代表選手にとっも本業である各国リーグの試合が再開された。 その中でも日本のサッカーファンに注目されているのは、イングランドプレミアリーグのブライトンに所属する三苫薫選手だろう。 チームでもこれまで途中出場が主だったが、先日行われた第17節でとうとうフル出場を果たした。 ブライトンは今回のW杯で8人もの代表選手を輩出している。リーグで7位に位置しているチームにこれほどの数のW杯出場者がいることからも、プレミアリーグがい

          三笘選手のプレイスタイル。4年も待てない。

          絶望からのエクソダス

          先日行われたサッカーW杯決勝。PK戦で最後にボールを蹴ったアルゼンチンのモンティエル選手は、この試合で最も絶望を感じた人間の一人だろう。 延長後半11分。フランス代表の選手が放ったシュートを止めに行った結果、ボールが手に当たり、ハンドの判定。PKで同点にされる。 このPK判定の一瞬が、彼にとってもアルゼンチンにとっても最大の絶望だった。そこまでの試合展開はシーソーゲームの末、ようやくアルゼンチンが勝ち越し、残り数分をしのげば優勝という栄光が手に入る状況だった。体力も気力も消

          絶望からのエクソダス