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「できることを増やす」ための業務提携

本日、車いす工房 輪との業務提携を発表しました。

「輪」さんはカスタムメイド、オーダーメイドの電動車椅子を専門にしている、尖った車いす屋さん。映画『こんな夜更けにバナナかよ』で大泉洋さん演じる主人公が乗っていた車いすをつくったり、メディアにも多数出演されています。他方、僕たちテクノツールは、PCやスマホ、ゲームの入力機器や、アームサポートを専門にしています。

共に東京都多摩地域に拠点を置き、顧客層も同じ、しかし異なる得意分野を持つ。そんな2社が協力すれば、もっと多くの人たちのやりたいことを応援でき、QOLを高めるサービスを提供できるはず。そうして生まれたのが、『「できることを増やす」ための業務提携』です。

提携のきっかけは本気のものづくり

この業務提携、光栄なことに「輪」の代表である浅見さんからのお声がけで実現しました。そのきっかけとなったのは、かつてテクノツールが販売していた「スティックホルダー」という商品でした。

頸髄損傷等により首から下が思うように動かせない方が、口にくわえてキーボードを押したり、スマホのタッチ操作をするマウススティックというものがあります。「スティックホルダー」は、マウススティックを使わない時に電動で保持してくれる商品です。

浅見さんが何年も前にこの商品を見て受けた衝撃が、業務提携のオファーにつながっています。

"口で棒を加えて操作する人のためだけに本気で作られた製品を見て、こんなものづくりをする会社があるのかと胸が熱くなりました。(中略)その製品を見た時から、いつか一緒に仕事をさせていただきたいと想いを抱いておりました。"
プレスリリース(web掲載版)より抜粋

ちなみに「スティックホルダー」を開発したのは技術者魂あふれる創業者、つまり私の父です。そして販売を終了させたのが息子の私です。何の因果か、そんな私の代になるのとほぼ同時に提携が実現してしまいました。

テクノツールは街へ出ていきます

1994年の設立以来、テクノツールはパソコンのキーボードやマウスが使いづらい人たちのために、代わりとなる入力機器を開発してきました。ニッチなものづくりにこだわってきた会社です。

2012年に私が入社してからは、ものづくりに加えて輸入にも力を入れてきました。日本にはもっと多くの入力機器が必要なので、ヨーロッパ等の高品質な商品をローカライズして提供しています。多様な入力ニーズに応えるべく色々な商品を見てきたことが、Flex Controllerの開発にも活きました。

そして次のステップでは、もっと街へ出て、ユーザーさんとの接点を増やしていきます。まずは手の届きやすい東京都やお隣の川崎市へ、商品によっては首都圏全体へ、私たち自身が商品のデモや導入、サポートを行っていきます。

そのために理学療法士や経験豊富なエキスパートにジョインしてもらいましたし、今回の事業提携もその方針を強化するものです。浅見さんたちと比べると私たちの知名度は低く、ユーザーさんとの関係性も弱いのが現状ですが、私たちならではの専門性を活かしてチャレンジしていきます。

収益面でも課題はあります。車いすと違い私たちの商品は単価が安い(だから個別訪問が難しかった)ので、訪問料をいただいたり、メールや電話での遠隔サポートも織り交ぜて、ユーザーさんの満足と収益性の両立を目指します。しばらくは価格設定やサービス内容がころころ変わったりするかもしれませんが、「できることを増やす」という目的がブレることはありませんので、長い目で見守ってもらえると嬉しいです。

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