儲けることが最大の社会貢献
業界の人にしかわからない話ですが、らくらくマウス継続の危機、レッツチャット生産終了と残念なビッグニュースが続いている。FBのコメント欄とか見るとみんな「想い」みたいな話しかしてないけど、結局は儲からないと続けていけないということ。
ものをつくって全国に届けて、売った後のサポートもやるってことは、裏側に相当な数の工程があって多くの人が携わっているので、それだけ費用がかかる。レッツチャットの会社なんて日本有数の超巨大企業なんだから、要求される収益のハードルは相当高いはずで、お客さんの要望に加えて社内の要求にも長年応えてきた開発者Mさんはメチャメチャすごい人。尊敬してます。
でもそんなすごい人や採算度外視で取り組む「優しい人」がいないと成り立たない福祉用具の世界はかなり危うい。10年くらい前にも社会貢献で福祉用具に取り組んでいた大手企業が続々と撤退したし、ここ数年でも後継者不在や採算性を理由にやめていくところが増えている。後継者不足も経済停滞も日本全国共通の問題なので、素直に考えればこのまま福祉用具の選択肢は減っていく一方。
どんなに優しさがあっても、儲けないと開発も改良もサポートもできなくて続けていけない。余裕がないと、強くないと優しさは継続できない。
口下手な我が社、テクノツールは僕が入る前からそういう考えで動いている。値段が高いと文句を言われようが、事業を継続して、お客さんの選択肢を増やし続けていくことを第一に置いている。
とはいえ儲ける力は足りないし、社内の意識統一とかラインアップとかまったく理想に追いついていないんだけど、それはもうやるしかない。
だいたい福祉用具で儲けることのなにがいけないんだろう?なんで安い値段で売らないといけないんだろう?生きていくために不可欠とされる衣・食・住をやってる会社はでっかい自社ビルを持ったり期末の予算消化でムダな広告うったりしているのに、我々が儲けちゃいけない理由はない(半分八つ当たり)。
しっかり稼いで、優秀な人を雇って、チャレンジを重ねて、いいモノをつくって、スムーズに届けていく。それを改善しながら続けていく。他の産業がやっている当然のことを、我々はもっと強い意志を持ってやっていかないといけない。目先の安易な社会貢献とかに逃げてはいけない。それが結果的に困っている人たちの選択肢を増やして、社会貢献に繋がる。
ただし、(福祉用具しかやらないなら)どんなに頑張っても市場が小さいから会社もできるだけ小さくありたい。
そんなことを自分に言い聞かせた夜でした。おやすみなさい。