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広島東洋カープ由宇練習場(二軍練習場)に行ってみよう!

 

由宇練習場とは?

 広島東洋カープ由宇練習場とは、広島県広島市に本拠地のあるプロ野球球団、広島東洋カープの二軍練習場です。二軍の選手が練習をしたり、教育リーグや二軍の試合(ウエスタンリーグ)なども定期的に行われています。
 1993年(平成5)に完成した同練習場は山口県の岩国市由宇町(旧玖珂郡由宇町)に位置しており、毎年教育リーグやウエスタンリーグが開幕するとたくさんのファンが観戦に訪れています。この練習場から後に一軍で活躍する若手選手や、怪我などで調整しているベテラン選手などを見ることができて、ファンの間でも人気があります。2016年のオフからは全面的な改装も行われ、より快適な練習環境になったと言われています。
 筆者は、2010年代の前半にはよく由宇練習場に行き、ウエスタンリーグの試合などをよく観戦しておりましたが、しばらく色々な事情で行かなくなり、そうこうしているうちにコロナ禍の影響で観戦制限がなされてしまったため、すっかり足が遠のいておりました。
 しかし先日、久しぶりに由宇練習場へ行き、試合を観戦することができたので、それをレポートしたいと思います。筆者がよく行っていた2010年代の前半とは、かなり変わったところがあります。また、新型コロナの影響により少々面倒になった部分もあります。
 本稿は、由宇練習場には行ったことが無いけれど興味がある、という人のみならず、昔行ったことがあるけれど最近は行っていない、という人に向けて紹介になれればと思います。ルールとマナーを守り、楽しく野球の応援をしましょう。

アクセスについて

 

自家用車で行く人が多い

 由宇練習場は由宇町の中でも重要な観光地と言ってもいいでしょう。しかし、野球の練習場という特性上広い土地が必要だったため、人口密集地より離れた場所に建設されました。このため練習場に行くためには多くの人は自家用車で行っています。筆者も、自家用車で行くことがほとんどです。
 もちろん公共交通機関で行くこともできます。その時は、JR山陽本線の由宇駅からタクシーか路線バスで行くのが一般的です。とはいえ、後述しますが観戦にはわりと必要なグッズも多いので電車とバスで行くのはちょっと大変かもしれません。このため、多くの人は自家用車で練習場に行っています。

駐車の様子。係員の指示に従い駐車する。


駐車場について

 自家用車で行くとなれば、問題は駐車場です。バスやタクシーで行く場合は特に問題はありませんが自家用車の場合は駐車場が問題となってきます。というのも、かつては路上駐車などが多く周辺の住民や道路の管理者などからも多く苦情が出ていたからです。夏場の週末などは、観戦客も多く、駐車場の不足が言われていました。そこで第二駐車場も整備されましたが、練習場からは少し遠いので、歩くのが嫌なら早めに来たほうがいいかもしれません。
 通常、駐車場は練習場前に砂利の駐車場が整備されております。現場に行くと、駐車場専門の職員がおり、案内してくれます。かつては由宇の観光協会の職員さんがやっておりましたが、現在はまちづくり会社の職員(?)がやっているようです。
 駐車料金は800円。以前(改装前)は500円だったので値上がりしたんですね。係員にその場で支払いチケットを貰います。貰ったチケットはダッシュボードの上に見えるようにして置いておくよう言われました。

駐車場は有料である。路上駐車はやめよう。

コロナに関する調査用紙と観戦場所希望シート

 駐車場に入ると、A4の用紙を渡されました。海外に行ったか、身内に(新型コロナウイルスの)感染者がいないのか、みたいな調査票です。名前と連絡先を記入した上で受付に渡します。由宇練習場では基本無料で試合を観戦することができますが、受付が出来たのはコロナ禍以降のことでしょう。練習場の入り口にあたる跨道橋(カープ橋)の手前にある受付に紙を渡します。ここで、大まかな観戦場所も聞かれます。観戦場所というのはつまり、一塁側とか三塁側とか、そういった場所のことです。用紙にも書いてありましたが、ここで改めて確認を入れます。感染者が固まって密にならないようにするための配慮でしょう。これも仕方のないことです。面倒ですが協力しましょう。
 跨道橋を渡るともう一つ門があり、そこで検温と調査票の回収が行われます。これも以前は無かったものです。検温をするときは帽子などは脱ぎましょう。

駐車代を払ったら貰える領収書。
領収書の裏側は注意書きや割引券になっている。
橋の手前にいる赤い服を着た人のいる場所が受付です。
検温場所。ここの前で帽子を脱ぎ、手の消毒を行います。

坂を上っていざ練習場へ

 門を抜けると坂が待っています。観戦用の荷物を持って坂を上るのはわりとしんどいものです。山奥だから仕方ないのですが、なるべく動きやすい服装で行くといいですね。坂を上るとブルペンや第二練習場なども見えます。もちろん立ち入り禁止になっていますが、コロナ禍以前は練習している選手を見ることもできました。
 ちなみに、現在では観客席に入れるのは午前11時からになっており(以前はそれより前に入ることができた)、観戦客はその時間までこの坂で待つことになります。

練習場の坂。ここを上れば練習場が見える。わりとキツイ。
関係者専用の駐車場。以前は、早く行けば観戦客も駐車することができた。現在は立ち入り禁止。
投球練習場。坂を上ると最初に見ることができる。
試合が行われる球場はぐるりと一周まわることができる。以前はランニングをする選手もいて、ファンが声をかける一幕もよく見かけた。

試合観戦のルールとマナー。そして楽しみ。

試合前のお楽しみ?

 さて、球場に着いたらいよいよ観戦の準備に取り掛かりましょう。通常は試合前に現場に到着するので、グラウンドでは選手たちが練習を行っているはずです。そういった練習風景を見るのも楽しみの一つではあるのですが、先述したようにこの場所(観戦場所)に入るのは午前11時からなのであまり長い時間練習を見学することはできません。投球練習場や第二練習場などの周辺も現在では入場が制限されているため、あまり見て回ることもできないでしょう。
 ご存じのように由宇練習場は2016年のオフから全面的に改装されているので、色々と変わったところもあります。変わったところ、変わらないところなどを含めて、球場の周辺を少し案内しましょう。
 まず、バックネット裏の管理棟も新しく改装されました。以前よりも建物が良くなっています。一般の観客は入れないのでどこがどう良くなっているのかはわかりませんが、たぶん色々と快適になっていると思います。
 管理棟の入り口付近には、出待ちのファンも多くいました。コロナ禍以前は二軍調整中の外国人選手が、ファンのために長い時間サインをしている姿も見られました。こういったファンと選手との交流が出来るのも二軍練習場の良いところではあったのですが、現在は難しいですね。 

暑くてもマスク、人前で外すと係員に注意される

 基本的に敷地内はマスクを付けることが原則です。坂を上って苦しくなったのでマスクを外して息継ぎをしていたらスタッフらしき老人に注意されました。とはいえ、熱中症の危険もあるので、マスクを外す時は誰も見ていない場所ではずして呼吸をしましょう。

バックネット裏の管理棟も新しくなった


バックネット裏の管理棟も新しくなった。記者席や両チームのクラブハウスなどが入る。以前はこの付近で、選手がファンにサインをしたりしていた。
ベンチの上のスペースで取材を受ける選手
バックネット裏のトイレ。ウォシュレットが付いた洋式便器もあった。臭くて水漏れのする便器とはサヨウナラ。

 カープ練習場の最大の欠点とも思えたトイレも新しく作られました。二軍練習場のトイレは汚く壊れている便器も多かったのですが、新しく作られて良かったと思います。ただ、電光掲示板裏のトイレは古いままでした。 
 ちなみに管理棟には食堂もあり、以前は食事をしている選手やコーチの姿も窓越しに見えたものですが、現在は見ることができません。別に食事をしている選手の姿を見たいとは思いませんが、うどんを食べているコーチの姿を見た時は少し身近に感じたものです。

管理棟の後ろ側。以前はここに窓があって中の様子が見えることもあった。現在は見えないようになっている。

 さて、一塁側には売店や移動販売車なども充実しています。筆者がよく行っていた2010年代前半には売店もなかったですし、移動販売車もたまに来る程度でしたが、カープ人気の盛り上がりもあって現在は色々なお店が開かれています。

お弁当やカープグッズなどが売られているお店。以前はビジターチーム用のロッカールームだったものを再利用したものだ。
売店内部。色々なグッズが販売されている。
移動販売車。マツダスタジアムほど充実してはいないが、色々なお店があって楽しい。
かき氷なども人気
一塁側裏の販売スペース。ボールが飛んでくることもあるので防球ネットも用意されている。
一塁側の法面。ちょうど日陰になるということもあって、以前はここに登って観戦するファンもいた。現在は立ち入り禁止。

 バックスクリーン近くにはドラフト選手の名前が彫られた銅板が展示されています。懐かしい名前も多く古くからのファンだけでなく新しいファンにも楽しめそうです。

ドラフト指名選手の名前が刻まれた銅板。懐かしい名前もちらほら。
バックスクリーン付近にあるトイレ。昔ながらのトイレ。男性用の小便器の前には如雨露が置いてある。水が流れないからだ。
新しくなった電光掲示板。以前は小さい窓から係員が試合の様子を伺うシーンも見られた。一応入口もあったけれど、現在は中に誰も入っていないのかな?
球場のすぐ近くにある第二練習場。現在、周辺の立ち入りは禁止。

 球場のすぐ横には第二練習場もあります。少し狭いグラウンドですが、以前は選手が練習をしている様子も間近で見ることができました。現在は立ち入り禁止となっております。

人気なのは三塁側。しかし問題も。

 球場で人気な場所は、当然カープベンチとブルペンが近い三塁側です。以前は観客席ギリギリで見ることができて、すぐ目の前で投球練習をする選手も見ることができました。「カーブが見たいなあ」と独り言を言うと、カーブを投げてくれる選手もいたとか。
 現在は、柵の手前から約1メートルほどは立ち入り禁止となっています。それはともかく、三塁側は人気の場所ですが、練習場なのでとにかくファールグラウンドが広い。そのため、三塁側から見ると選手が遠いのです。マツダスタジアムはこの反省を生かしてファールグラウンドを狭くしているようです。
 選手たちとの近さが売りの二軍練習場ですがこの距離はちょっとアレかな、とは思います。基本が練習施設なので仕方ないのかもしれませんが。
 それと、三塁側は場所的に西日がモロにあたる場所でもあります。手前に座れば見えやすい分、太陽の光が直接当たって痛いです。後でも話をしますが、由宇の日差しはとても強力なので舐めてはいけません。

ブルペンも近くにあるので三塁側は人気。しかしマウンドや打席までの距離は遠い。ベンチの様子が見たい場合は一塁側に行くのも手かも。

 一塁側は、逆にファールグラウンドが狭く、三塁側ベンチの中も見られるのでそちらで観戦するのも一つの手とも言えます。しかし先ほども言ったように法面で見ることは禁止されています。

大声は禁止。静かに見たい人にはいいかも

 基本的に大声を出す応援は禁止されております。当然鳴り物もありません。鳴り物やスクワット応援に慣れているファンの方々には少し物足りないかもしれませんが、こういう静かな環境での試合観戦もいいものです。周りには大きな施設や人家もほとんどないので、本当に静かな環境で試合を見ることができます。
 その代わり、選手の声やベンチからのヤジはよく聞こえます。初めて由宇に野球を見に行った時、選手のヤジがやたらうるさかったのを覚えています。ちなみに、コロナ禍以前に観戦に行った時、試合中投手がピンチになった場面で、外野の選手が「恭平(中村恭平選手:2021年戦力外)がんばれー」と声をかけていたので、外で見ていた筆者も「恭平がんばれー!」と声を出すと、マウンドにいた中村選手がびっくりしてこちらを見たことがありました。その後試合に集中しろと言ったら周りのお客さんが笑っていました。静かな環境だからこそ起こるハプニングですね。現在はそういうこともありません。
 応援歌なども基本的にはやっておりませんが、以前はトランペットを持ち込んだファンが、7回に「それ行けカープ」を演奏したことがありました。今思えば穏やかな時代でしたね。

分散退場と大声による応援の禁止を呼びかける表示

持っていくと便利なもの、必要なもの

食品などは持参の方が良い。ゴミは持ち帰ること。

 さきほど、移動販売車もあって食べるものも売られていると言いましたが、数に限りもあるので基本的には持ち込んだ方が無難だと思います。ごみ箱も昔はありましたが今はないので、ごみの持ち帰りは必須です。ゴミ袋も持参しましょう。屋外球場で、夏は非常に暑くなるので防腐対策も忘れないようにしましょう。
 地図を見ればわかると思いますが由宇練習場は山奥にあるので近くにコンビニなどのお店もありません。事前に周辺の市街地で買い物を済ませてから行くといいでしょう。野球観戦というよりは山登りでもするような覚悟で来たほうがいいと思います。わりとマジです。

日傘と日焼け止め、暑くても長袖が良い

 由宇観戦において、これが一番重要と言っても過言ではありません。それほど由宇の日差しは危険なのです。昔、暑かったのでノースリーブで観戦していたら酷く日焼けをしてしまいました。黒くなるような日焼けではなく、赤く爛れるような日焼けです。火傷と言ってもいい。実際に火傷の薬を塗りましたが、その苦しみは冬まで続きました。
 実際日焼け止めを塗っていても由宇の紫外線は強烈なので、日焼けをしてしまいます。翌年まで後遺症が残るほどの日焼けなので、できれば肌を露出しない方がいいでしょう。夏場はもちろんのこと、春先も注意です。
 こういった日差しに有効なのが日傘です。最近は日傘を折りたたみいすに取り付けるタイプもあるようですね。ただ、すぐ後ろに人がいるのに日傘をさしていると注意されることがあります。日傘の使用は場所も考えましょう。
 先ほども少し言及しましたが、人気のある三塁側は場所的に日差しがバンバン差し込んでくる場所です。通常、二軍の試合は昼の12時半に始まるのですが、そこから段々と太陽が西に傾いてきます。このため、観客に対してどんどんと日差しを浴びせてくるのです。日傘をさして顔の周辺をガードしていたとしても足元からどんどんと日差しが差し込んできます。下半身のガードもお忘れなく。

強烈な日光が差し込んでくる三塁側観客席。曇った日でも油断は禁物である。


レジャーシートで気分はピクニック?

 観戦スペースは基本的に芝生なのでキャンプ用の折畳みイスかレジャーシートは必須です。地面に直に荷物を置いたり座ったりすることに抵抗がなければ構いませんが、砂や芝生が付くのはあまり望ましいことではありません。レジャーシートを敷いてお弁当を食べたりしたら、気分はピクニックですね。
 ちなみに友達と一緒に試合を見に来た時、野球にあまり興味の無いその友達は2リットルのペットボトルを枕にして昼寝を始めました。しかし、彼のすぐ近くにファールボールの球が飛んできて……。
 非常に危険なので観客席での昼寝は止めたほうがいいと思います。

双眼鏡で選手を見よう

 何度も言っていますが、由宇練習場のファールグラウンドは広く、有給上自体もかなり大きいので選手をよく見るなら双眼鏡があればいいかもしれません。マウンドや打席までの距離が遠いですからね。カメラを持ったファンも多くいましたが、がっちり選手を撮影しようとしているファンは滅茶苦茶大きい望遠レンズの付いたカメラを持っていました。

観客席からマウンドまでの距離は非常に遠い


試合が終わると

試合後のお楽しみ

 駐車場の使用料を払うと貰えるチケットの裏側には「試合終了後はすみやかにおかえりください」と書いてあります。そのため、我々は来た道を戻って家路につきます。
 しかし、以前は試合後にもそれなりにお楽しみはありました。試合後もグラウンドや第二グラウンドで練習をする選手がいたのです。そしてファンをそれを見学することができました。筆者も、第二グラウンドでアメリカンノックを受けている投手陣(試合に出ていない選手たち)を眺めた思い出があります。また、コロナ禍以前は地元の少年野球のチームが参加した野球教室が開かれたこともありました。

試合後に第二練習場で練習をすることもあった。ちなみに狭いのでよくボールが行方不明になる。

出待ちのファン

 球場から帰るのは何も観戦客だけではありません。選手も宿舎に戻ります。そこで、帰る選手たちを狙った出待ちのファンも多くいました。残念ながら現在はその様子を見ることはできません。
 試合が終わるとすぐに選手専用のバスが出てきて選手を乗せて帰ります。極力人と接触させないよう、最深の注意を払っております。ファンとしては選手と接触できないのは寂しい限りですが、コロナ感染などを理由に試合に出られなくなる方が悲しいですからね。

おわりに

 久しぶりの由宇練習場。以前と変わったこと、変わらないところなどを紹介してきました。以前のように選手と接する機会は極端に減ってしまいましたが、それでもテレビなどではなく生で見る選手たちの姿は心に残るものがあります。みなさんも機会があれば是非、由宇練習場に足を運んでみてください。この記事がその助けになれたなら幸いです。


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