アルバイトや仕事の志望動機で「お金を稼ぎたい」はダメなの?
志望動機とかいう悩みの種
学生だったらアルバイト、就活生や社会人なら志望する会社の志望動機には毎回悩むのではないでしょうか。なぜなら、業種を問わず就職面接では必ず聞かれる質問だからです。定番の質問だからこそ、悩むものです。似たような答えではライバルに差をつけられないかもしれません。
仕事のために面接を受ける方の中で、特に趣味や生活のため、とにかくお金が欲しいから就職面接を受けるという方にはもっとも苦痛な質問ではないでしょうか。だったらもう手っ取り早く「お金のため」と言ってしまいたい、という衝動に駆られるのも無理はないことです。でもそれだと恐らく面接には合格しないでしょうね。よほど人手不足で困っている職場や、後述する特別な職場でもない限りは難しいと思います。それはなぜでしょう。
自分が選ぶ立場になって考えてみよう
社会経験に乏しい中高生などには難しい質問かもしれませんが、とりあえずわからない時は逆に考えてみましょう。そう、自分が選ぶ立場になってみるのです。何も従業員を雇うだけが選ぶのではありません。今回は、外食する時に店を選ぶときについて考えてみましょう。
もしみなさんが「スシローに行こう」と提案したとしましょう。そこで友人や家族から「なぜスシローなんですか?」と聞かれたらどう答えるでしょう。面倒だからといって「お腹を満たすため」とだけ答えるでしょうか?
察しの良い方ならもうお分かりだと思いますが、面接の時の志望動機の質問と同じなんですね。少なくとも「お腹を満たすため」という答えで納得する納得する人はほぼいないと思います。スシロー以外、他に店舗がないというのなら話は別ですが、そうでなければ外食できる食べ物屋さんは周辺にもいくつかあるはずです。スシローのようなチェーン店がある場所なら猶更です。お腹を満たすだけなら吉野家とかやよい軒でもいいはずです。何なら個人のお寿司屋さんや他のはま寿司やくら寿司など、同じ寿司チェーン店もあります。その中でなぜスシローなのかを聞きたいのです。
一人でフラフラッと行く場合はそんな説明はいらないと思いますが、複数人で行動する場合は必要でしょう。何なら一人で選択する場合でも、今あそこの店ではキャンペーンをやっている、とかポイントカードがあるなどと行く理由があるのではないでしょうか。それを言語化して欲しいのです。
「お金が欲しいから」だけでは過程を無視したもの
では話を戻しましょう。「わが社を志望した理由は?」という質問には、色々な仕事があり、同じ業種でも色々ある会社の中でなぜウチを選んだのか、という理由を聞きたがっています。それに対して被面接者はどう答えれば良いでしょうか?
少なくとも色々な業種があって、同じ業種の中でも色々な会社がある中でその会社を選んだ理由を説明する必要があります。その過程をすっとばして、とにかくお金が欲しいから、では誰も納得できないでしょう。空腹を満たすためなら、流動食を直接体内に流し込み、足りない分はサプリメントや点滴などで補えば良いと考える人はごく少数だと思います。
志望動機がなかなか思い浮かばない人のためのトレーニング?
それでも、何十社も受けている就活生や、本当は働きたくないけど目的のために仕方なく、という求職者にとって何度も志望動機を考えるのは辛いのはわかります。本来だったら、業界全体や同業他社などを色々調べてその中で特徴なり自分の適性に合っているかなどを考慮して、志望動機をひねり出すのが基本ですが、身近なところからできるトレーニングを少し紹介しましょう。トレーニングと言うほど特別なことでもないのですが、あらゆる選択の理由を考えてみることです。なぜ自分はこの靴を履いているのか。このお菓子を選んだのか。この学校を選んだ理由。この病院を選んだのはなぜ?
まずは自分を納得させてみてください。その上で、人を納得させる説明ができるのです。少なくとも自分が納得していない理由で他人が納得できるとは思いません。何となく選んだことでも、そこには自分なりのこだわりとか好みがあるかもしれません。それを見つけることも重要です。少なくとも自分を知るためには重要なのです。
「お金が一番」でも良い業界
ここまで、単純にお金を稼ぎたいから、という志望動機ではダメだよという理由をお話してきましたが、逆にお金が稼ぎたい、でも良いよという業界も存在します。それが、水商売や性風俗店など夜の業界です。夜の業界というのは人間の欲望に直接つながっている業界なので、志望動機もある意味ストレートで良いと思います。
ただ、夜の業界も決して甘いものではありません。犯罪に巻き込まれる可能性や病気を貰う危険性などのリスクが伴います。そのリスクを背負ってでもお金が欲しいという理由は、何よりまず自分を納得させる必要があるでしょう。また、夜の業界は昼の業界以上に向き不向きが極端なお仕事です。
そのお金で何をしたいのか
お金が欲しいというのは市場経済の中で生きる人々の中では当たり前の欲求です、そもそもお金がなければ暮らしていけません。その中でどのようにお金を稼ぐかということも重要ですが、そのお金で何をしたいのかということも重要だと思います。かつて、とある運送会社は仕事がとてもキツイですが給料がとても良いことで有名でした。そこで、独立開業などをしたい人が開業資金を稼ぐために辛い仕事を頑張ってやっていました。お金が欲しいという動機でも全然いいと思うのですが、肝心なのはそのお金で何をしたいのかということです。お金は食べることも着ることもできません。
学生だったら、夏にカノジョと海に行きたいから、とかカッコイイバイクが欲しいから、など色々考えることはあるでしょう。その後の具体的なイメージが出来れば、仕事のやる気に繋がるかもしれません。
おわりに
ここまで就職試験やアルバイトの面接で志望動機を「お金が欲しいから」では説明不足であるということを簡単に説明してきました。面接即採用のような超絶人手不足の業界であろうとも、本当にヤバイ人材は採用したくないので、ある程度の志望動機は説明出来た方がいいと思います。その際、普段やってきた何気ない選択においても、どうしてその選択をしたのかという理由を常に考えておけば、いざという時に役に立ちます。人間、何の理由もなしに衝動的に動くこともありますけれど、よくよく考えてみれば何かしら原因はあるものです。普段から、体を鍛えておけばいざという時に体が動くように、普段から考える癖をつけておけば、いざという時に役立つと思います。そして何より、志望動機は相手(採用側)を納得させる手段であると同時に、自分がなぜそれをやりたいのかと自分自身を納得させるためのモチベーションにもなります。人は一人では生きていけないので、周囲の人たちと折り合いをつけるひつようがあります。私はこう考えるからこうする、と理由を説明できれば、周囲との摩擦も少なくなり円滑な人間関係にも繋がると思います。何を考えているのかわからない人ほど怖いものはありません。
自分自身を知ってもらうという点でも、志望動機を考えることはとても有効な手段です。面倒臭いかもしれませんが、頑張って考えてみましょう。
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