神廻りあれこれ想う故に我コロス【詩】

天井のない監獄
に押し込められた生贄が
今日も
火薬仕掛けの
石塊投げ込まれ
薔薇薔薇にされ
建物を瓦礫に変えられている
だが
苦鳴も絶望も怨嗟も
その声は塀の外には届かない
血肉の花咲かせる石礫
投げ込むのに忙しいし
それは正当な裁きだから
聞く耳など持ち合わせるものか
なんなら
神への供物として
速やかに死に絶えることを
願っているとさえ思わせて

まったく
やれやれだ
数千年間連綿と世界のあちらこちらで
繰り返された惨劇は
現代でも定番のプログラムなんだよ
やってることはおんなじさ
使う道具が変わったくらいのもので
本質は何一つ変わりなく
天使を気取ってやがるのか
我ら神の下僕ってか

監獄の中に
投じられる火薬仕掛けの石礫
それに抗しうるようにと
投げ返される石礫
監獄の遥か上空で
中を覗き込み
満足げな哄笑

仕組んだ
のはどちらの神か
奴らの信じる神と我らの信じる神
同じ起源だったようだが
何処で袂を分かったのか
いずれにせよ
建物を 瓦礫に変えよ
手足を薔薇薔薇にもぎ取れ
奴らに死を
そう
仰せになったのだろうよ

あの大洪水で
ヒトの始祖たる者に
もう滅することはないと
約束はしたが
互いに殺し合う分には
その限りではないのだよ

とほくそ笑んでやがるんだぜ
何て底意地の悪い

コロスべきはこいつってことはないですか
奴ら際限もなく
求めますよ
生贄を
その血を
君の神も
貴方の神も
ね
えっ
ボクですか？

お構いなく
とっくの昔にコロしてるんで
だってこれくらい胡散臭い
存在ないでしょ？

アナタに賞金当選しました
いきなり送りつけられる
ショートメールくらいたちが悪い

自由になればいいのに
ああ
ある意味自由か
これほどに人死にを
望めるのなら