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冷たい脳髄【詩】

鋼の融けたこの心臓は
もう傷つかない
たとえ
レントゲンに撮られた亀裂が
モノクロームの鎖になって
心を呪縛したとしても

そして
平行に逸れた二対の視線が
いつか交わるその時こそ
冷たい脳髄は
水蒸気の青さを知るだろう
それは
骨をも溶かす円弧の涙

そのころになって


青紫の三原色
来るべき終わりは何色か
朝まで議論したあげく
無色透明で決着をつけるのだ

どこまでも輝く暗夜の黒
侵略する二次元の憂鬱
三次元の夜明けが形作られる頃
冷たい脳髄は
ようやく眠りにつく
デボン紀の頃の
熱帯夜のように

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鐘子寿ゞ実(かねこすずみ)
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