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dyslexiaってなに?

学習障害のひとつと言われるdyslexia(ディスレクシア)は、読み書きに著しい困難をきたす症状が特徴です。
実は、筆者がこの障害を知ったのは、イギリスへ留学していたときでした。

ディスレクシアは、日常生活への悪影響が避けられない反面、自覚することで生きづらさを解消できるヒントになるはずです。
本記事では、ディスレクシアの実際の症状や向き合い方について、解説したいと思います。


ディスレクシアを知ったきっかけ、実は…

冒頭で述べた通り、筆者はディスレクシアのことを、イギリスに留学していたときに知りました。
というのも、現地の親しい友人がスマホの文章を読んだときに、下記のような発言をしたためです。

I can't read well because of my f**king dyslexia
(○ソみたいなディスレクシアのせいで文字がうまく読めないんだ)

友人によると、文字の順番がごちゃごちゃになってしまうというのです。
たとえば、"dyslexia"という単語の場合、
dyslexia→dysleixa
という感覚です。

結果、読むことに時間がかかるだけでなく、内容自体も理解できないままになってしまうことがほとんどだそうです。
また、同じ友人とメッセージをしていても、同様のスペルミスが非常に多く見られます。

これは英語圏の事例ですが、日本の場合も症状は似ています。
具体的には、下記のような内容です。

  • 文章を読んでも頭に入ってこない

  • 1文字ずつ追わないと進めない

  • 数字の順番がごちゃごちゃになる


このように、知能やコミュニケーションに問題がない人でも、読むことや書くことに困難を抱えるのが、ディスレクシアの特徴です。

筆者の事例のように、身近な知人が同じ問題を抱えている場合も十分に考えられるのです。

日常生活への影響は…?

筆者は、重度のADHDと診断されています。
特に注意欠如の症状がひどく、ディスレクシアに似た問題に直面してます。

具体的には、数字の読み間違えが非常に多く、仕事上で関連する間違いが頻発します。
数字を一桁間違えるだけで、複数の顧客に迷惑をかける仕事です。
それにもかかわらず、同じようなミスを繰り返してしまうため、会社の人間から強い指摘を受ける日々が何回もありました。
結果、自己肯定感は下がり生きづらさを感じるようになりました。


ディスレクシアは脳の病気であり、やる気や根性で簡単に修正できるものではありません。
そのため、周りからの理解は得にくく、類似の生きづらさを感している人は多いのではないでしょうか?


ディスレクシアとの上手な向き合い方

それでは、ディスレクシアをもつ人がうまく生きていくための方法についてです。
筆者の経験に基づいた対策は、以下の通り。

  • 声に出して読む

  • 作業時は意識的にスピードを落とす

  • 自責にしない

【声に出して読む】

ディスレクシアは、読み書きに困難をきたす脳の病気です。
そのため、視覚からではなく聴覚からも情報を得るのです。
また、声に出すという形式でアウトプットを行うことで、記憶にも定着しやすくなります。
この方法は、さまざまな媒体で推奨されており、筆者自身も試したところ、凡ミスを減らすことができています。
これまで読み書きによるミスが増えてきている方は、ぜひ試してみてください。

【作業時は意識的にスピードを落とす】

これは、"意識的に"という部分がポイントです。
特に単調な作業の場合、スピードを求められる場面が多いかと思います。
そして焦った拍子にディスレクシアが災いして、ミスをするという流れになってしまう方も多いのではないでしょうか。
根性論ではなく、苦手な工程については"スピードを落とす"ことを自身でマニュアル化してみましょう。
そうすることで、作業に時間がかかっても、必要な時間であると自分を納得させられるはずです。
スピードを落として周りの理解が得られない場合、品質を重視している旨しを伝え、理解を得るように心がけましょう。
"なんとなくゆっくり"、ではなく、"あえてスピードを落としている"というルールを作りましょう。

【自責にしない】

それでもミスが防げない方へ。
これは方法論ではなくマインドなのですが、とにかく自責は避けましょう。
繰り返しになりますが、ディスレクシアは脳の病気です。
脚を骨折している人が全力で走れないように、ディスレクシアの人が素早く正確に読み書きをすることは不可能なのです。
もちろん、改善の努力は必要でしょう。
しかし、病気にどうしても太刀打ちできない場面も必ず現れる場合です。
そんなとき、周りには最低限の礼儀を払いつつ、心の中では自分を責めないであげてください。
ひとつの病気が原因で、鬱などの二次的な病は、絶対に避けるべきです。

病気を理解し心に余裕を

ディスレクシアに関する筆者の個人的な経験や、特徴について解説しました。
一見、仕事や学問に問題がなさそうな方でも、読み書きが異常に苦手な人は、わりと身近にいるかもしれません。
もし、そのような人に出会したとき、"ただの無能な人"というレッテルは貼らないであげてください。
また、読み書きに異常なコンプレックスを抱えている方は、自分を過度に責めないでください。
ディスレクシアは、先天的な病と同じで当事者にコントロールできない症状です。
今後、ディスレクシアの認知が広がり、相互理解が推進される社会になることを願ってます(^^)

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