必要どころか必須〜闇ウェブ
闇ウェブ(ダークウェブ)。
Torという通信元やサービス提供者を匿名化するソフトウェアについては以下の投稿で軽く触れました。
“Don't Be Evil” を掲げるGから始まるどこかの巨大企業の個人情報搾取等(そしてその悪用に近い使われ方)から少しでも距離をとるのにTor(Webブラウザ)やDuckDuckGo(検索エンジン)、Brave(Webブラウザ)を使うことの提案でした。
Torは闇ウェブ(ダークウェブ)を利用するのに必須のツール。(似たようなツールは他にもあります)
では、そのダークウェブとはなんなのか。
それをざっくりと知り、普段のインターネット利用に少しでも役立てる(自衛の意識を持つという意味で)のにグッジョブな一冊。(新書だし)
インターネット利用におけるネットワークやセキュリティを理解するのにはけっこうな専門知識が必要だけれど、その道の専門家でない限りそこまではなかなか厳しい。(自分もそこまではカヴァーしてないし)
それでも目隠しをして家の外を出歩けば危ない、くらいの危険に対する意識と注意があれば、それらのリスクをかなり軽減できるので、WebやITって苦手(でも、インターネットは日常的に使っている)といった人は読んでおくといいと思います。(had betterではなく、mustかなと思う)
さらに知りたいとなれば、より突っ込んだ(専門的な)書籍(Web上にある情報でもいい)にあたるのもいい。(自分はさっき、あのケビン・ミトニックの著書を購入してきました)
そこまではいかなくとも、最低限、本書レベルの情報には触れておくことが今後さらに必要どころか必須になっていく気がする今日このごろ。
なぜか。
そう、自衛のために。(知らないでは済まない時代)
本書は初版が2016年だから、こうしたジャンルではけっこう古い(情報が)ことになるけれど(とにかく変化、進歩が激しく早いので)個別具体的なこと、事例に触れて紹介しつつも、それらの幾段か上の抽象度でもって注意喚起を促している姿勢があるので、いま(2020年10月現在)読んでもとっかかりとしては十分に機能する内容になっていると思う。
新書(ボリュームはほどほど、そして廉価)の機能をきっちり果たしているかと思います。(あとがきを読んでも感じたけれど、著者たちの姿勢も真摯で信頼できて好感)
とにかく、Surface Web(Googleのような検索サービスでアクセスできる)以外のDeep Web(そうした検索サービスではアクセスできない)がWeb全体の99%であり、その中には本書で語られるDark Web(Deep Web = Dark Webではない)が存在し、そこでは麻薬や児童ポルノや殺人請負といったいかにもな悪行だけでなく、Surface Webを利用している中で搾取(スリ)とられているあなたの、そしてわたしの個人情報(と、そこを起点にした縁起が)が売買されている(もちろん、悪用するために)ということにまずは気づく、知ること。
止めて、観る。
そして、お天道さまはいつでも見ているってことを忘れないこと。