NONSTOP WASHLET!!!
先週末はじめてのひとり旅に行ってきました。
目的地は奈良にある室生山上公園でしたが、土曜朝に思い立ちで出発するにはどうもアクセスが悪く京都で前泊することに。
過去2回、修学旅行で行ったことのある京都は、過去2回、修学旅行でしか行ったことのない京都であり、「鴨川ってこんなにものどかなんだあ」とか「河原町の飲み屋の雰囲気いいなあ」とかとか、はじめての京都の顔を複数見せてくれました。
初日最後のお店で隣に座っていた歯医者のおじさんが良くしてくれたこともあり、いつもよりも多めにおいしいお酒が飲めて超ハッピー。とても陽気な気分で鴨川沿いの帰路を歩き、前泊する神宮丸田町のゲストハウスへ。カフェとバーが併設され、ゲストハウスにしてはいかにも今っぽくてモダンで小綺麗な宿。そう僕は、ゲストハウスの雰囲気は好きであるものの、この文章の題にもなっているウォシュレット依存症のため、選び抜いたゲストハウスでないと宿泊できないのである。なかなかめんどくさい男(ただこうなったのも、中学時代にディズニー旅行中に痔になりながらタワー・オブ・テラーに乗った過去のトラウマからである。それ以来ウォシュレットが使えるときは常に使うようにしているし、なるべく使える環境にいようと心に決めている。それに加えて基本的に僕はお腹が弱い。めんどくさいなんて言わず、僕と僕のお腹には優しくして欲しい)。
翌朝、AM9:00起床。共用のシャワールームに向かうと僕よりも早起きの外国人観光客の方が、歯を磨いている。軽い会釈をしながら小さな声で「グッドモーニング」と言うと、「おはよ」と返ってきた。どうやら観光客ではないようだ。そのまま僕はトイレの個室へ入る。手早(尻早?)に用を足し、いつものルーティンであるウォシュレットのフェーズへ。そしてこれまたいつもどおり10秒程度が経ったのちに「止」ボタンを押すとなんと止まらない!長押ししても連打しても止まらない!!
困ったものである。このままウォシュレットが止まらないと溢れかえるのだろうか。小学生の頃に友人たちの間で流行った『トイレのうんこさん』という今まで見た中で最もクソな動画を思い出した。と同時にとても恐ろしい気持ちになった。
深呼吸をして平静を取り戻そうとする。しかし、いくら平静を取り戻したところでウォシュレットは止まらない。それどころか、ずっとおしりにかなり強めな水が当たり続けほとんど身動きが取れない。そんな状況の中で平静なんか取り戻せるはずがなかった。
不安と強い焦燥感からうつむくとトイレに直接繋がれたコンセントの元を発見!いまの僕にとってウォシュレットの発明と並ぶ世紀の大発見である。おしりにかなり強めな水が当たり続けながらも、頑張って腕と腰を精一杯伸ばす。はじめて「ファイトー・1発!」と口ずさんだ。
そんな甲斐もあり、コンセントを抜き、やっとの思いでウォシュレットを止めることに成功。朝から大きな達成感である。もうこれで旅行は終わりで良いのではないのかとさえ思った。そしてかなり強めな水が当たり続けたおしりをトイレットペーパーでいたわり、パンツのチャックを締めて流そうとすると、ふと気づく、「あれ、これコンセントを差し直さないと流れなくない?」。そしてもう1つ重要なことに気づく、「あれ、これ流そうとしてコンセントを差し直したらウォシュレット顔にぶち当たる?」。
先ほど得たばかりの大きな達成感は、再び恐ろしい気持ちへと様変わりする。さすがにウォシュレットを顔から被る勇気はないので、再びパンツのチャックを開き便座に座る。そして、コンセントを差し直すと、僕の悪い予感は的中、再びウォシュレット発動。中学のタワー・オブ・テラー事件以来、とてもお世話になっているウォシュレットにこんなにも苦しめられるとは…。もう一生止まることはないのではないかとさえ思い始めてきたので、再度コンセントを抜き、グーグルにて解決策を模索しようと「ウォシュレットが止まらない 」とスペースまで打つと「ウォシュレットが止まらない 夢」が検索上位でヒット。なんだかおもしろかったので、いったんウォシュレットを止めることは放棄し、検索で出てきた夢占いを見ることに。
ちなみにウォシュレットが止まらない夢は、
「ウォシュレットの水がきちんと止まらないまま、いつまでも水漏れしているような夢は、健康運の低下を表す夢占いとなります。体調不良などに見舞われる恐れが高まっていますので、具合の悪さや自覚症状を感じたなら、無理をせず早めにお医者様に診ていただいてくださいね」
とのこと。
読者の皆さんの中にウォシュレットが止まらない夢を見た方がいましたら、ぜひとも体調には再三の注意を払っていただきたい。
そんな夢占いを楽しむこと3分。そして解決策を探すこと2分、計5分ほどが経過。目ぼしい解決策を見つけることもできず、ついに逃げ出すことが脳裏に浮かぶ。ただ、出た瞬間にさっき、「おはよ」と言ってくれた外国人の方がトイレに入ってきて「うわ、こいつうんこ流さねえのかよ」とか思われるのもいやだしなあ。僕はこんなにもトイレを流したいのに!今この瞬間トイレを流したいと思っている人選手権があるとしたらかなり上位な気がする。世界チャンピオンも夢じゃない。というかそもそも流してない状態のトイレを見られることって結構恥ずかしいんだあということがわかった。小中学生の頃、たびたび流されていないトイレに遭遇することがあったが、彼らは恥ずかしくなかったのだろうか。いや、彼らも彼らなりに何か流せない理由があったのかもしれない。今の僕ならそんな彼らに想いを馳せられる。そう考えると、トイレを流したいと思っている人選手権世界チャンピオンへの道はなかなか険しい道のりである。
なんて、不毛なことを考えながら最後の望みをかけて3度目のコンセント、イン!ウォシュレット、不発!!歓喜!!!!!もしかしたらウォシュレットが発動しないことを喜ぶ人選手権なら優勝できるかもしれない。
そんなはじめてのひとり旅、朝の一幕。
(ちなみに、最近家のウォシュレットが不調で発動しなくなってしまい、ここ2ヶ月間ほどビデで対応中。ウォシュレットが発動しないことを喜ぶ人選手権優勝なんかではなくダントツでビリなので、解決策等をご存知の方、知恵を貸してください…)。