まるで悪夢の中?狂気のディズ…ベトナムテーマパーク『スイティエン公園』でミッキョーマウスがおでむかえ
番組をお聞きの方もそうでない方もこんにちは。
ポッドキャスト番組『昭和オカルト奇譚』のマサです。
2024年、遅めの夏休みということで、8月21日~28日までの1週間、ひさしぶりのベトナム旅行にいっていました。まとめは別の記事にするものとして、ここでは24日(土)に訪れた、狂ったディズ〇ーランド、狂気の世界観といわれ、実在性も疑われてた都市伝説のような世界唯一かもしれない仏教系テーマパーク『スイティエン公園』だけをまとめた記事にしました。それでは、悪夢の世界へご案内。アクセス方法は最後。
※本編はポッドキャスト(Apple Podcast / Amazon music / Spotifyなど)からお聴きください。
『スイティエン公園』とは?
オカルト界隈でまことしやかに囁かれる噂のひとつに、「ベトナムには仏教とファンタジーを融合したテーマパークがある」というものがあった。思えば、2005年頃バックパッカーの若者としてベトナムを縦断したときに、ニャチャン付近で狂気じみた水族館に行った記憶があり、今でもあれは悪夢だったのかも…と思っていたところで、今回ホーチミンにも類似施設が存在するということで目的のひとつに掲げていた。
そこは、入場ゲートから明らかに異質なオーラを感じる、不思議な空間だった。過去に行ったことのある猛者たちのtiktokやブログを検索すると、少し前まではなぜか2匹の猫が入り口を守っていたらしいが、ぼくが見たそれは多少のカスタマイズが加えられており、龍っぽい何かに変貌していた。その「ぽい」とする根拠は、動画をご覧になってほしい。しかし、この元猫の龍っぽい何かはパークには一切登場しない。ここだけである。
ちなみに入場ゲートの向かい、一般道沿いには、この象が支える何かの牙と、噴水の中を台座ごと回転する銭を咥えたガマガエルのモニュメントがある。テーマパークというものは、入り口で来場者に魔法をかけてくれるものだが、見事に何かの呪いがかけられた思いだった。
入場料は、入場だけなら180,000ドン(約1,000円)。いくつかの人気アトラクションや施設のチケットがセットになっている「コンボチケット」もある。今回は、動物と触れ合える施設、"Abnomal Creatures Exhibition”(異常生物展)というUMAか何かを期待させる施設がセットになった「Combo2」のチケットを購入した。1人250,000ドン(約1,450円)だ。各アトラクションは個別にチケットを購入できる。
ちなみにパーク内は取り壊し中、工事中のアトラクションなど諸行無常をまるまる見せてくれているが、おそらくそれらも含め64ヶものアトラクションがある。マップを見る限りでは。
輪廻を体験できる園内マップ
このマップを信じて歩いた結果、同じ場所をぐるぐるまわることになった。これは仏教の教え的に試練のようなものなので注意してほしい。信じると輪廻を経験させられる。
また、マップ中心を流れる某所でいうところのウエスタンリバー的な川がこれだ。川というより沼だったが、とにかく臭い。あまり橋の上にとどまりたくはない異臭を放っていた。とはいえ、サイゴン川などのプカプカゴミが浮いている川と違って、キャストがちゃんとゴミさらいをしていた点は記載しておきたい。
意外にも開園は1995年というから驚きだ。おそらく、前述のように頻繁にキャラの造形が変わっているとは思うが…一応のコンセプトはあるらしく、wikiを読む限り高尚そうな内容だが、その実態は、極彩色のド派手で不気味な、まるで悪夢の中にいるかのような世界観であった。正規のほうが夢と魔法ならば、こちらは悪夢と狂気に彩られたテーマパークだ。その悪夢の世界への水先案内人はこちら。色々と問題がありそうなマスコットキャラクターだが。
問題ありそうなマスコット"ミッキョーマウス”
入ったら地面の色とまったく合っていない何かがいた。
つい「あっ…(大丈夫そう?)」と心配してしまった。たぶんギリギリダメだろう。
版権的に大丈夫そうかだいぶ気になる感じのマスコットキャラがおでむかえしてくれるわけだが。今回、ぼくはこのキャラの名前を仏教に基づいて、ミッキョーと呼称することにした。ネズミがベースっぽいので、ミッキョーマウスあたりが妥当だろう。
このミッキョーには雌雄の区別があり、アイキャッチにもしている人民服っぽいものを着ているのがオス♂、リボンをつけているのがメス♀である。どっちも金ピカなのでパッと見で判別するのは難しいが、次第に慣れてくるのが怖いところだ。さらにくまのプ…豚のキャラもいる。
これが『スイティエン公園』のエントランスだ。某所に喩えるなら、ワールドバザールのあたりだ。この光景、映画『タイタンの戦い』とかで観たことある。
エントランスでのミッキョーマウスのおでむかえは少し動画にしてあるので、ぜひご覧になってほしい。ついでにフォローしてほしい。
画像にある仏塔みたいなものも愉快に回転していることがわかる。
肉食の動物と生肉を通じて触れ合えるワニワニ☆パニック
園内はそれなりに広く、東京ディズニーランドというテーマパークがあるらしいのだが、そこと比べると約2倍の広さだ。ゆえに、園内を何種類かの乗り物で移動できるのだが、ぼくが購入した「Combo2」チケットは、緑色の列車で、園内を網羅しつつ最奥へいってくれる、地獄への片道切符だった。ここでもまた六道の因果を味わうことができる。
とりあえず一番近かったのが、『スイティエン公園』の目玉施設でもある「クロコダイル・キングダム」であった。どこかで喩えるところの、クリッターカントリーのあたりだ。ここでは、ブツ切りにした鶏の生肉をくっつけた釣り竿を用いて、ワニを本当に釣ることができる。日本人には馴染み深い、ワニワニ☆パニック(但しガチ)である。
「もう、怒ったゾォ~!!」となったらカクゴが必要だ。
ここではベトナムのファミリーたちが、和気あいあいと釣り竿を垂らしては興奮する姿が見ることができる。何地獄なのだろうか。
呆然と見ていて、蠢くワニにとりあえずスマホを向けると、隣にいたわんぱくそうな少年がそれを見て張り切って、生肉をぼくの眼前にぶらさげてくれるというハートフルな空間がそこにはあった。
(園内で)迷ったら涅槃バーサルスタジオ前でお祈りをする
この日は雲間から日差しが頻繁に差す、蒸し暑い日だった。ワニワニ☆パニックで心癒されたぼくは少し園内を思惑に耽りながら散策していたが、ふと、LAのユニバーサルスタジオの入り口で見かけたような光景が見えてきた。しかし、何かが上に乗っている。釈迦だ。
そうか、これは涅槃バーサルスタジオだったのだ。パーク内で迷ったとき、ここを訪れよ、さすれば見えてくるものがある、そういうことだろう。実際、お供え台があったのだから。
なぜ中心のシンボル的モニュメントをゴーストハウスに?
さて、このアカウントはポッドキャスト番組『昭和オカルト奇譚』である。ゆえに、旅行先でもオカルト的なものがあれば都合が許す限り現地リポをするのがポリシー。もうパーク全体がオカルトであると言っても過言ではないが、一応、施設的に2つのお化け屋敷があった。
まずひとつがこれだ。マップでいう20番「Mystery of The Witch Forest」。直訳すると、魔女の森のミステリー。外観からどのあたりが魔女なのかもはやそこからミステリーだが、魔女とは決して女性だけを指す単語ではないことはオカルトを嗜む者にとっては常識だ。そういう意味で、試されている。
このアトラクションは、入場すると20mほどは魔女の森というか地獄の亡者見物のようなゾーンを歩かされる。つきあたりが真っ暗でどこに進むべきかわからず入口と3往復した結果、先行していたベトナム人女子グループが「ここだよ」と案内してくれたEXITの先が正しいルートであった。
突如、真っ暗な中でコースター的な乗り物に乗せられ、餓鬼地獄のような世界観を行くことになる。これはこれでなかなかおもしろかった。
もうひとつがこれだ。64番「Ghost House」。そのままお化け屋敷だが、パーク内の中心地にある池の真ん中という一等地にある。録音もOKらしく(たぶん英語理解していない)収録しながら行ってみたが、何かの仕掛けが動く前に「プシュー!!」という音がするので、なんとなく何が起きるのか予測ができてしまう残念なお化け屋敷だった。むしろ、中が真っ暗すぎて誘導灯もないのでスマホの懐中電灯アプリを使わなければどこに行けばいいのかもわからないという、ナチュラルな暗闇の怖さのほうが勝っていた。
観覧車の隣というテーマパークにおいては最高の立地になぜかあるお化け屋敷。右側から入場して、出口が左側になるので、誰かを入り口付近で待たせてしまうと非常にめんどいことになる。
猛暑のなかで食う鍋は格別!
パーク内にはいくつかのフードエリアがある。コートと書かないのは、あまり種類がないからだ。正直、暑さでだいぶやられていたので食欲はなかったのだが、食べられるものがあればとパークで最も広そうなフードエリアへ行く。ちなみに、店舗型になっているレストランはない。つまり、どこも屋外(外と繋がっている)である。そう、涼を得られるスポットがないのだ。
これは仏教の教えでは、殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見を働いた者が堕ちるといわれる焦熱地獄を疑似体験するためにそうなっていると勝手に理解した。
その証拠に、ここで出される食事は、アツアツの鍋しかない。
そしてみなこのうだるような暑さの中で鍋を実際食っているのだ。これこそ焦熱地獄の具現化だろう。とりあえず、ココナッツジュースだけ注文した。思ったよりキンキンに冷えてやがったので、多少生き返る。
Combo2チケットの目玉施設「異常生物展」
そういえば、Combo2チケットで行ける「Abnomal Creatures Exhibition」(異常生物展)にまだ行ってなかった。イメージでは、イエティとかネッシーならぬベッシーなど、ベトナムならではのトンデモUMA展示が見れるものと思ってわくわくしていた。だってそうだろう?「Combo2」としてチケットのセットなのだから、それぐらいの人気がないとセットにはしないだろうと思うのが人間のサガなのだ。
施設の前には、モギリの係員が2人もいる。それほどに重要かつ予算がかかっているということだろう。他の施設はチケットカウンターがまとまっているだけで、特定の係員がつくなんてなかった。これは期待できる。ーそう、思っていた。
やや長めのすだれを「大将、やってる?」というギャグを入れながら入ると、そこには、両頭や足が6本で生まれてきた奇形の動物の剥製やホルマリン漬けが展示されていた。BGMや演出は一切ない。扇風機がまわる音だけだ。
これをチケットのセットに加えたのはなぜだろう。もしかして、逆に人気がない施設をセットにした、抱き合わせ販売みたいな商法だろうか…。ともかく、酸っぱい匂いに満たされた異常生物の館を無表情で鑑賞して、施設を後にした。
悪夢を極彩色でいろどるパーク内の愉快なキャラたち
開園は7:00と異様に早いのだが、閉園は17:00だ。まるでお寺の僧のような時間軸であるが、某所で喩えるところの、エレクトリカルパレード的な何かがあるのだろうか、どこが光っても嫌なパレード用の乗り物がすみっこにおいてあった。その時かかるBGMはお経だろうか。
知見がなくて申し訳ないが、ぼくの持ち得る知識からだと、左から「関羽・関羽・龐統・関羽」の関羽のスリーカードのような並びだ。きっとこれも縁起物なのだろう。
とにかく、誰がマスコットキャラクターなのかわからないという、もはや誰もいい、みんながマスコットなのだというニルヴァーナの境地にさせてくれるところが、『スイティエン公園』の魅力でもある。
そんな中でも、ひと際、ある意味で存在感を放つミッキョーマウスがやはりアタマ一つ抜けていることは事実として付け加えたい。しかしこれはリボンがあるので、雌のほうだ。密邇威マウスとでも名付けようか。ポーズがなぜか北の指導者のようであるのは、ここが社会主義の国だからかもしれない。
スイティエン公園のシンボル「スイデレラ城」
どうやら何度か色が変わっているらしい、懸賞生活をしていた芸人のような顔をした巨大なモニュメント、某所で喩えるところのシンデレラ城的な存在が、なぜかプール区画に聳えている。
ここは別途入場料が必要となる。水着はもってきていなかったので、外から撮るだけとなったが、ネタとしてほしい人は入場するといい。肝心のプールは少し見物していたが、意外にも波が発生する装置があり、本格的な人工プールになっていた。あまり落ち着かない景色ではあるが。
本家に怒られて表記を変えたらしい「マジカルキャッスル」
ところでぼくは練馬に住んでいるのだが、最近、としまえん跡地にハリーポッターの体験型施設『The Making of harry potter』がオープンして連日にぎわっているのだが、ここスイティエン公園にもまさかのホグワーツがあったのだ。仏教の世界観に突如としてあらわれた、西洋の城。何度もいうが、悪夢のようなコラボである。
ただこれは、どうやら本家の許可を取っていなかったようで、ポッター的な表記が消されて『MAGICAL CASTLE』になったとのこと。ホグワーツとは書かれていたが、まぁ触れないでおこう。うっすらだし、消している途中なのかもしれない。
これは他アトラクションとは異なり、1人60,000ドン(約350円)とお高め設定。ぼくはこの時既にいろいろ疲れていたので乗らなかった。このお城は、1枚の写真の画角にホグワーツっぽい建物、釈迦、ドラゴン、ニンマリ笑うえびす像みたいなものが入ってしまうという地獄のような絵が見れるのが特徴だ。
今から思えば中はそもそも乗り物なのか、怒られる展示か蝋人形でもあるのか見ておけばよかった。
「やぁ、ぼくはLong(ロン)っていうんだ、ベトナムじゃよくある名前」
まとめとアクセス方法
さて、いかがだったろうか。まさにこういう悪夢を見たことがある人もいたのではないだろうか。園内では、普通に道端のカラー座椅子で飯を食っていそうな恰好をしたキャストがバイクで普通に移動していたり、お経のBGMが流れるなかでファンタジーな音楽をかぶせてきたりと、カオスな空間であった。
ぼくも興奮してXでポストをしていたら、リスナーの中には、頭がぐわんぐわんしてきた…とガチ吐気を催す人も出るぐらい、異様な世界観を見せてくれる『スイティエン公園』をご紹介した。ホーチミンを訪れることがあれば、ぜひとも足を延ばしてほしい。
行き方だが、目の前に舞浜的な駅になる何かが建設中ではあるが、現在は車でしか行けない。ホーチミンの都市部からは約60分~70分ほど。Grabで行くなら1,500円ほどはかかると思ったほうがよい。おすすめは、バス。
ベンタイン市場横のバスステーションの「19」に乗れば、ほぼ終点のほうに「Suoi thien」がある。上下には気を付けてほしい。ベンタイン市場側は上りなので逆になる。この画像側が下りで行きはここの「19」で待つ。
19と書かれたバスが見えたら手を振って乗りますアピールをする。これがないと止まってくれない。おりる時も同じ。乗車後、中にいるモギリに7,000ドン(約40円)を払えばOK。往復80円で行ける。19バスはインターコンチネンタルホテル前にも停留所があるので、近いほうで待つと良い。
座標でいうとこのへん。
ベトナムは右側通行なので、帰りは逆側になるが、バス停らしきものはない。前述の懸賞生活芸人のモニュメントを横目に陸橋を渡ると、画像のあたりでバスが止まることがわかるので、このあたりで「19」バスを待つ。見えたら「乗りまーす」アピールで手をふれば、無事にホーチミン都市部へ帰れる。
座標的にはここ。マップではバス停のアイコンになっているが、現地にはほんとに何もない。
帰りのバスでうたた寝していたら、ミッキョーマウスたちが無表情のまま迫ってくる悪夢を見れました。
このへんの現地リポなども、後日、ポッドキャストでまとめて配信予定です。よかったら、ポッドキャストも聞いてね。
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