演奏家のプライベートって…?【出演者インタビューVol.3】フォルテピアノ奏者 平井千絵さん
本日は『時代を巡る3種の鍵盤』にご出演いただくフォルテピアノ奏者の平井千絵さんへのインタビュー第3弾をお届けします!
…最近ではないのですが、ちょうど1年くらい前でしょうか。フランスのピアニストであるアンヌ・ケフェレックさんが日本にいらして、埼玉でのリサイタルを聴いたのですが、素晴らしかったです。気品があって、ひとつ芯があるような…。演奏解釈も、彼女自身が磨きあげた考えがあって。それがね、排他的でなく温かいんですよね。本当に感激しました。
あとはそうですね、アマチュアの演劇を観る機会が立て続けにありました。去年の秋から冬にかけてなんですけれど、あれは全て良かったですね。ミュージカルも観ました。音楽よりも演劇を観ることが多い1年でした。
生の舞台というのは本当に魂の中の魂という感じがありますよね。
言葉のシャワーみたいな、そういうのが垣根無しに来る感じが面白いですね。先程のアンヌ・ケフェレックさんの公演も、彼女とはもちろんお話ししたことは無いし、演奏を聴いた際も舞台から遠めの席だったんですけど、でも彼女の話を聴いた気になりました。「すごく素敵な話を聴かせてもらえたな」みたいな。そういう気になりとても不思議でしたし、「こういう音楽がしたいな」と思いました。
音楽の場合は、演奏曲目で決めることが多いですね。こういう曲を弾いてくださる方だったら素敵に違いないというような。曲のチョイスで、今、その方が思っていることが伝わってくるような気がします。あとは前に聴いて素敵だったからもう一回聴きたいときとか。音楽以外であれば、単純にテーマに惹かれたら行きます。観てみたいな、経験してみたいなと思ったら。あとは「これは今経験しないとダメかも」と心が動けば、観に行こうと思います。
日本だと、新潟です。
私、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館で二回公演をしていますが、それが本当に忘れられなくて。音響が素晴らしかったし、あとは当時まだ若かったんですけど、こちらが緊張しないようにリハーサルから本番まですごくスムーズに、フレンドリーに運んでくださって。本当に忘れられないですね。それだけの理由で、また新潟に行きたいと思うくらい。(笑)
もちろん、先生が昭和音大にいらっしゃらなくても「新潟です」って言いますよ。
(笑)あとは海外ですと北フランスに行った時が楽しかったですね。酪農で有名なんですよね、ブルターニュ地方っていう、牛さんがいっぱいいて。モン・サン=ミッシェルとか。オペラ公演の「フィガロの結婚」で一か月くらいフォルテピアノをずっと弾いていたんですけど、楽しかったです。
ありました。でも新潟は観光する時間はありませんでしたね…。それに公演日が大雪になてしまい「早く帰った方がいい!」みたいな感じで世話しなくホールを後にしました。
楽器を乗せた車は、雪の影響で一泊の予定が二泊することになりました。
またフランスでは、すごくガレットが美味しかったです。(笑)
塩バターが美味しかった。あとはオペラ公演だったのでリハーサルとリハーサルの間が長いんですけど、昼休みには海で泳いでいました。朝にリハーサルをして、外でごはんを食べて、泳いで、シャワー入って、昼以降のリハーサル。
楽しかったですね。そんな一か月もありましたね!
私の祖母が洋服を作る人でした。その祖母が使用していた洋裁用の大きい裁ちばさみがあって、それは今でも使っています。一番古くて愛用しているものといったらそれくらいですかね。あとは小さい頃に習っていたピアノの先生から、発表会でペンダントをいただいたんです。小さいペンダントですが、それは今でも大切にしています。
ピアノの先生からいただいたものは、すごく自分にとっては大事で。色んな理由で先生が変わっていますが、それぞれの先生からいただいたものは大人になった今でもとってありますね。
良いですね。私の小さいネックレスは子供用の小さいものなので着けることはできませんが、でも大切にしまってあります。娘にもあげてないです。(笑)
3種の鍵盤楽器が聴ける機会はなかなか無いですし、山下実季奈さん、尾崎有飛さんという素晴らしい方々とご一緒できることが私にとってはとても有難く、楽しみです。3種の鍵盤楽器が集まり、3人の異なる奏者「三者三様」という形でお客様にも楽しんでいただけたら嬉しいです。
私たち自身も初めてのインタビューで、とても緊張しましたが、平井さんの優しいお人柄に緊張もほぐれ、和やかな中、貴重なお話を伺うことができました。
皆様、平井さんのフォルテピアノをぜひじっくりとお聴きください!!
〈公演概要〉
「時代を巡る3種の鍵盤~あなたの知らない変遷がここに~」
2024年5月3日(金・祝)
開場 15:30 開演16:00
会場 昭和音楽大学 南校舎5階 ユリホール
〈チケット〉
一般:3,000円 ゆりフレンズ:2,700円 学生:1,500円
チケット購入先:https://www.tosei-showa-music.ac.jp/concert/ticket.html
〈自主企画公式HP〉
https://sites.google.com/view/artmanagement-hp?usp=sharing