![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/124482472/rectangle_large_type_2_bf6e005039889bbcebd8137a0c7aaabb.png?width=1200)
私が速読をやめた理由:インプットとアウトプットのバランスについて
以前、フォトリーディング、いわゆる速読を試してみたことがあります。
速読って本当に内容を読めているの?
フォトリーディングとは、この本のタイトルの通り10倍の速さで本を読む方法論であり、「1秒で1ページ」のスピードで、本を頭からお尻まで読み切ってしまうテクニックです。
速読の効果、つまるところ「本当に読めているの?」という問いに対しても、大いに議論の余地があることでしょう。
私が実際にやってみた感覚としては、前提として向き不向きがあるのは間違いないですが、正しい方法をとればフォトリーディングという技術は成立する、と思っています。
そもそも、「1秒で1ページ」という文言は、正直なところやや誇大広告です。冒頭に紹介した本を読むとわかりますが、フォトリーディングは全てのページに目を通す前に、一通り本の内容を勉強することから入ります。また、目を通したら終わり、とうわけでもありません。
速読には入念な準備と復習が必要
前書きや後書きなどを読んで概要を頭に入れ、目次とインデックスを拾い読みすることで全体の構造とキーワードを掴んだ上で、全てのページをめくる(これがいわゆる「1秒1ページ」)。そしてそれが終わった後に、本の内容を復習して必要に応じて該当ページはもっとしっかり読み込む。
これらのプロセスを通すことで書籍の全体を理解するのがいわゆるフォトリーディングの正しい作法です。ものすごくぶっきらぼうにいってしまえば、1冊読み終えるために4, 5回は本を流し読みする感じです。
確かに、これをうまくやれば普通に本を読むよりは早く済むだろうし、概要と大まかな主張、自分が知りたい内容などは拾えるだろうというのは、それなりに納得できることではないでしょうか?
私が速読をやめた理由
一方で、私はフォトリーディングを試してみたものの、これとは別の理由でやめてしまいました。それは、あまりにインプットが増えたために、情報の過剰摂取になってしまったからです。
読書を情報を仕入れる手段と捉えた場合、情報は使うために、つまりなんらかの形でアウトプットすることを前提とするべきです。このアウトプットは、何も文章の形で吐き出すことを指すだけではなく、自分の知識を深めて思考や行動を変える、といったことも含まれます。
私の場合、そのアウトプットが突然増加したインプットに追いつけずに食傷気味になってしまったようです。インプットが10倍になったからといって、アウトプットも同様に10倍にできわけではなく、結果的に「情報だけが溜まっていく」状態にモヤモヤしてしまったので、結果的にやめてしまいました。
速読が向いている読書、向いていない読書
フォトリーディングは、前述の通り本に目を通す前に様々な準備を必要とします。これは、その本を読むことに明確な目的を持つことも含まれます。新しい知識をたくさん吸収したい、といったシチュエーションであればそれも有効かと思います。
一方で、教養を深めるような読書の場合は、むしろ目的は軽めに設定し、本の中で新たな知見との出会いを楽しむような読み方が適しているように思います。そしてそのような読み方には、やはりフォトリーディングは不向きではないかと思うのです。
いずれにせよ、どんな本をどんな目的で読むか、が大切であり、フォトリーディングはそれに応じて向き不向きがある、ということでしょう。短期間でより多くの情報を必要とするシュチュエーションに出会ったら、また試してみたいと思います。
<関連する記事>