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今日は、私が気になった超やばい魚の話です。
その魚「アブラソコムツ」と言います。分類上では「スズキ目 クロタチカマス目 アブラソコムツ属」なので、スズキだのカマスだのムツだのと見慣れた魚の名前が並んでて、「食ったらおいしいんじゃないの」とうっかり思いそうですが、実はこの魚、日本では1981年には販売禁止の措置がとられてます。こいつが関係する危険な事件も多数起きてます。まぁ、とにかくやばいんですね。

スポーツフィッシングとしても人気の深海魚。日本でも広い海域に生息しています。

「アブラソコムツ」の体長は、1メートルから1.5メートルで、重さは50キロ以上になります。この体長で、かなり豪快に泳ぐため、スポーツフィッシングとして大変人気のある魚。世界各国の深海で生息が確認されていて、水深は1000メートル近い深さにまでなるようです。日本および周辺では、相模湾から土佐湾、沖縄から台湾南部までの海域で確認されてます。

魚は、地域によって呼び名が変わるものが存在しますけど、この「アブラソコムツ」も同様で、静岡では「サットウ」、沖縄では「インガンダルマ」や「ダルマ」などと呼ばれています。

食べたらとてもおいしいそうなんですが、食べたらやばいことになります。

別名「oilfish」とも呼ばれるそうですが、その体には大量の「脂」が詰まっています。深海魚特有の浮袋を持たないことから、この脂を使って浮力を得ているのだそうです。
そうなると、脂がのった他の魚と同様「おいしいんじゃない?」と思われそうなんですが、実際も「美味」なんだそうです。しかしながら、「食用」とはされていません。なぜなのか…。

アブラソコムツが持つ脂は、ロウソクのロウに近い「ワックスエステル」という物質で、人間の消化機能では分解することができないのだそうです。
ほんのちょっとだけ食べるぶんには影響はないそうですが、何切れもの量を口にしてしまうと、下痢や腹痛、油下痢などの症状に襲われてしまいます。

やっかいなのは、この「油下痢」というやつで、無意識のうちに肛門からそのまま脂が流れ出てしまうことになります。お腹痛いとか便意に関係なく、垂れ流し状態になる、ということですね。かなりの時間悩まされるそうですが、その間は、おむつでもしない限り、外出は不可能ですね。

厚生労働省では、自然毒のリスクプロファイルの「魚類:異常脂質」として、このアブラソコムツを紹介し、注意喚起をしています。

このアブラソコムツが関係する危険な事件も、多数発生しています。

日本では1981年に販売禁止の措置がとられているため、現在、市場に出回る心配はありませんが、1976年7月から1990年2月までの期間に、食中毒事件として8件の報告(油状下痢便症状患者215名)がなされています。

また、アブラソコムツを他の魚と偽り加工品として販売する事件も起こっています。
昭和58年、山梨県の水産加工会社が、和歌山県の水産業者から流れた11トンのアブラソコムツを静岡県の販売業者を経由して仕入れてます。その内の4.5トンがクエと偽られて加工品として販売され、多数の油下痢などの被害が出て、5人が逮捕されています。

知ってから知らずか、このアブラコソムツを切り身として販売したりと、他にもいろいろな事件が起きてます。

海外では「ホワイトツナ」と称して販売され、被害が出ています。

最近、日本ではあまり事件は起きてないようですが、海外では、まだまだ気をつけなければいけないことが多いようです。

よく知られているのは、海外の「ホワイトツナ」。そう称して、実はアブラソコムツが使われているというケースがあるようです。ホワイトツナと言われて、そういう種類のマグロだと思って食べて、大変な油下痢の症状に見舞われてしまうというケースですね。

海外のお寿司屋さんは、特に要注意だそうです。ネタに「ホワイトツナ」という記載があったら、食べないほうが無難かもしれません。せっかくの旅行が台無しになりかねないので、コロナ明けの旅行などにはご注意を。


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