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猛暑が続いています。屋外で水分補給する機会も多いと思います。
のどが乾いたとき、真夏でたくさんの汗をかいたとき、スポーツドリンクを飲まれる機会も多いかと思います。もちろん、スポーツドリンク以外にも、コーラなどの甘い炭酸飲料や果汁入りのジュースなどを飲まれる機会も多いでしょう。
夏と、こうしたドリンクは切っても切れない関係。だからこそ、頭の片隅でもいいので、インプットしておいていただきたい「危険」があります。

「ペットボトル症候群」という病気。

「ペットボトル症候群」とは、スポーツドリンクや甘い炭酸飲料、ジュースなど、多量の糖を含む清涼飲料水(ソフトドリンク)をたくさん摂取することで発症する病気です。正式には「ソフトドリンクケトーシス」と呼ばれています。

ソフトドリンクを通じて摂取する大量の糖分。

ソフトドリンクには、想像以上に多量の糖分が含まれています。
コーラであれば500mlのペットボトル1本で角砂糖(1個4gとして)14個分、スポーツドリンク500mlでも角砂糖6~8個分程度の糖が含まれています。ソフトドリンクを飲むということは、同時に大量の糖を摂っているということになるわけです。

気をつけなければならないのは、特にスポーツドリンクです。
たとえば、猛暑のなか、大量の汗をかいて、コーラやジュースで水分補給をする方はあまりいないと思います。水とかお茶とかで水分補給される方も多いとは思いますが、スポーツドリンクで水分補給される方、結構多いですよね。たくさん汗をかいていたりすると、スポーツドリンクっておいしいものです。ついゴクゴクと飲んでしまう方も…。スポーツドリンクをゴクゴク飲むということは、砂糖をバクバク食べているのと同じこと。そう考えれば、リスクもイメージしやすいかとは思います。

ペットボトル症候群のメカニズム。

ソフトドリンクを飲むと、飲料中の糖によって血糖値(血液中の糖の濃度)が上がります。血糖値が上がると、のどが渇きますから、また何か飲みたくなります。のどを潤すのに水やお茶を飲めば問題ありませんが、このような状況で次から次へとソフトドリンクを飲むと、さらに血糖値が高くなって、のどが渇くという悪循環に陥ってしまいます。

通常、血糖値が高い時には、膵臓からインスリンというホルモンが適宜分泌され、糖の利用が促されて、血糖値を下げる仕組みになっています。しかし、高血糖の状態が長く続くと、インスリンの分泌や働きが悪くなることがあり、その場合には糖がエネルギー源としてうまく利用できなくなるため、血糖値が下がらなくなってしまいます。

糖の利用ができなくなると、それに代わるエネルギー源としてタンパク質や脂肪が分解され、エネルギーとして利用されるようになります。脂肪が分解されたときには「ケトン体」という物質ができますが、これが増えると血液が酸性に振れ、これらのことが原因となって、ペットボトル症候群の諸症状が現れます。

ペットボトル症候群のさまざまな症状。

具体的な症状は、以下の通り。
のどが渇く
尿量が増える
だるい
疲れやすい
イライラする
吐き気がする

などの症状がよくみられます。

重症化すると、意識がもうろうとしてきます。そして、最悪の場合は、生命に関わることもあります。

それは、糖尿病そのもののうえ、急性の代謝異常の状態。

「ペットボトル症候群」という病名からは、あまり重症感や深刻感が伝わってこないかもしれません。しかし、実態は糖尿病そのもの。しかも、急性の代謝異常を起こしている状態です。

糖尿病と診断を受けている方はもちろんのこと、糖尿病の可能性を指摘されている方やメタボリックシンドロームの方も含めて、発症リスクがたいへん高いと考えられています。

実際、健康にあまり関心のない若年層の肥満男性で、日常的にコーラやジュースなどを大量に飲むような人が罹りやすいと言われています。
ペットボトル症候群を防ぐため、また、生活習慣病の予防のためにも、日常的な飲み物は水やお茶にしたり、ソフトドリンクを飲むときは過剰にならないようにするなど、重々気をつけていただきたいものです。

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