昨日は「タコ」の話を投稿しましたが、今日は「トラ」の話をします。
知る人ぞ知る「虎の穴」ならぬ「虎の舌」の話とあわせて、「咆哮」や「虎柄」の話もさせていただきます。
まるで凶器のような舌
猫の舌もザラザラとしてますが、同じネコ科の生き物である虎もまた、ザラザラとしています。ザラザラどころか、トゲトゲというかギザギザというか、そんな凶器のような見た目ではあります。舐められただけでえらいことになりそうですね。自分は大丈夫なんでしょうか?(笑)
この虎の舌は、「糸状乳頭」と呼ばれる、数多くの小さく、鋭く、反り返った突起物で覆われています。この糸状乳頭のおかげで、舌は粗く、ザラザラ以上のザラザラとした感触となり、牙とともに、獲物の羽や毛、肉を剥ぎ取るのに役立つ構造となっています。
この糸状乳頭は、髪の毛や爪と同じケラチンで出来ており、獲物を食べるとき以外にも役に立っています。
汗を肉球でしかかけないので、唾液に体温調節の役割があり、このトゲトゲギザギザの舌でペロペロと毛繕いをすることで、体に唾液を付着させ体温調節しているそうです。
ブラシ代わりになって、体を綺麗にする役割もあるようですね。
体を「麻痺」させるほどの咆哮
虎の威圧的な咆哮は、声帯が非常に太く発達していることによります。
その吠え叫ぶような声を聞いた動物を、瞬間「麻痺」させる力があり、経験豊富な人間のトレーナーでさえも固まってしまうことがあるとのことでした。
「虎嘯」(こしょう)という言葉をご存じでしょうか?
虎が吠えることを「虎嘯」と書きます。「嘯」は、唸る・吠えることですが、「虎嘯」は、英雄・豪傑が世に出て活躍することのたとえでもあります。
【竜吟虎嘯】(りょうぎん-こしょう)、【虎嘯風生】(こしょう-ふうしょう)という四字熟語があります。
【竜吟虎嘯】同じ考えや心をもった者は、相手の言動に気持ちが通じ合い、互いに相応じ合うということ。また、人の歌声や笛・琴の音などが、あたかも竜や虎のさけび声が天空にとどろき渡るように響くことを言います。
【虎嘯風生】虎が吠えて風が起きるという意から。すぐれた才能や技能をもつ人が機会を得て奮起することを意味します。
美しき虎柄
虎といえば、あの美しいデザインの虎柄を真っ先にイメージされる方も多いと思います。個人的には、大阪のおばちゃんを思い出してしまいますが…(笑)。
実はあの縞模様、皮膚の奥深くまで入り込んでいます。つまり、毛を剃っても、同じ模様が現れるということです。こんな感じに…。
まったく同じ縞模様の虎はいません。人間の指紋のように、唯一無二なのだそうです。
虎って、つくづく、危険な香りのする、美しい生き物だと思います。
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