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関東圏以外では、あまりご存じの方はいらっしゃらないかもしれません。「すあま」という和菓子。昔はスーパーなどでも普通に置いてましたが、最近では和菓子店くらいにしか置いてない、下手したら和菓子店にすら置いてないくらいの和菓子で、関東圏でも知らない方、多いかもしれません。
私の父(故人)の大好物で、同じく大好物だった「鯛味噌」と一緒に、よく仏壇に供えております。ほんとに大好きで、ほとんど食べ物を買って来ない人でしたが、この「すあま」と「鯛味噌」だけはふらっと出かけて自分で買ってきて、「すあま」はよくお茶飲みながら食べてました。
知らない方のために説明いたしますと、こういうものになります。
餅菓子の一種。西日本では、見た目で蒲鉾と勘違いされます。
「すあま」は縁起を担いで「寿甘」という字をあてたり、「素甘」と書いたりする餅菓子の一種で、紅白のすあまを詰め合わせて祝い事の席で配る習慣を持つ地域もありますね。卵型に成形したものは「つるのこ」(鶴の子)または「つるのこ餅」と呼ばれることもあります。
普通のうるち米を粉にした、いわゆる「上新粉」をお湯でこねて蒸し、砂糖を加えて熱いうちにつきあげて作ります。上新粉のモチモチとした弾力のある食感と、あんこなどを入れない控えめな甘さが特徴です。かつては、固くなりにくいお餅として重宝されたこともありました。
巻き簾で巻いて、表面に凹凸のある蒲鉾のようなきれいな形に整えます。そのせいで、知らない地域の方からは「蒲鉾?」と思われますね。箱の中で成形されたものもあり、店や地方によっては丸型のものも作られます。素材そのままで未着色のものは白い色をしていますが、外側を食紅でピンク色に着色したものも作られ、縁起物として紅白のセットにすることがあります。クチナシの実などで黄色に着色したものもありますね
いろんなタイプのものがあります。基本的には控えめな甘さがおいしい和菓子ですね。
私のイメージはこれ。
あるいはこれ。
しかしながら、こんなのもあります。
また、こんなのもあったりしますね。
卵型のすあまは、鶴の卵に見立てて縁起の良いものに…。
「すあま」の中でも「つるのこ」「つるのこ餅」と呼ばれものがあります。
鶴の卵に見立てて卵型に成形します。鶴を表しているので縁起が良いとされ、地域によっては高級な祝儀菓子や贈答品に使います。
普段使いのすあまと差別化するため、より柔らかく作ったり、材料に高級な上新粉や上白糖、和三盆を用いたりします。中に甘いあんこを入れたものを作るお店もありますね。
「素甘」と書くこともあるくらいの素朴な、甘さ控えめの和菓子。おいしいですよ。機会がありましたら、ぜひお召し上がりくださいませ。