むかし好きだった人はロン毛しか愛せない人だった。
23歳の時だから今から10年も前になる。
そのときの髪型はツーブロックのマッシュ。大学のときから今もそうだけどだいたい同じような髪型をしている。
前髪は流しているか、センター分けばかり。変わりばえはしない。
でもそのとき好きになった人は、単発N Gだった。
今でも社会人の男性とカテゴライズすれば短髪とは言えないけれど。
女性の方は「男は短髪がいいよ〜」って言う人が多い? 中、特殊だったのかな。
その人はロン毛しか愛せなくて、まずはそこで仕分けていた。
僕はその人に告白をして、初めてそのことを聞いた。
その日から髪を伸ばした。
その人が好きになるよなロン毛にした。
一年後、髪は肩まで伸びた。前髪も同じくらい伸びた。
90年代の江口洋介みたいに。
それでも振られた。
わかっていたけれど、ロン毛+年上しか愛せない人だった。
でも諦めなかった。
いまそこまでの情熱を注げるのかと言われるとわからないけれど。
好きでしょうがなかった。
情熱とはすごいもので、根負けしたのかそれから半年後に付き合うことになった。
結局、1年半くらいで別れてしまってそれっきりだけれど、あれほど恋愛に情熱を注いだのはあのときが初めてだったかもしれない。
誰かを好きになると、その人の好きな人になろうとする。
音楽だってファッションだって、読んでいる本もそうだし、価値観だってそう。
でもそれってなんだか違うんじゃないかとこの歳になって思う。
ありのままの自分を好きになってくれる人。
なんて言えば、そっちの方がなんだか、、、って感じもするけれど。
好きってなんだろう? ってよくわからなくなる。
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