自己紹介
この前、クラスで自己紹介の時間があった。
時折笑いが起こり、あるいは白け、まあ単調に進んで行った。
最後の人が発表し終えたあと、私の前の席の子がパッと手を挙げた。
「すみません、一個言い忘れて
私本当に耳が悪くて、聴力検査にも引っかかるくらい、なんか人の半分くらい?しか聴力がないらしくて、
だから私が無視しちゃっても聞こえてないだけなので、『あの子冷たいね』じゃなくて、根気良く話しかけてくれたら嬉しいです」
その子自身は「冷たいと思われたくない」という気持ちだけだったのかもしれないが、私はとても嬉しかった。
誰もが自分の出来ないことや弱点を、こんな風に軽いノリで言えたら良いなと思った。
誰もが弱みを持っている。そんなの当たり前なのに、どうして自己紹介の時は出来ることや得意なこと、好きなことしか話さないのだろうと思った。
苦手は、周りの人の理解や協力である程度までは解決出来る。もちろん、どうしても出来ないことはある。医学的、心理学的、その他諸々のことは専門家にお任せなのだ。
でも、「少しの努力や意識で変えられること」も確実にある。
そのためにはまず、互いの多様性を認めることだ。
「どうしてこんなことも出来ないの?」ではなく、「こうやったら出来るかな?」「この分野なら得意だから手伝えるよ」にする。
そして多様性を認めるには、意識の線引きをすること。自分の「こうあるべきだ」を撤廃して、「こういうこともあるんだ。私とは違うけど、別にそれで良いよね」にしていく。
同調圧力の強い日本では難しいだろうと思う。いつかの世界でいいから、本当になったらな。
小学生の作文みたいなノートになってしまった。たまにはいいか。