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昭和の純愛ソングで時代の結婚観を考察する

10月6日放送回は、夫婦や恋人たちの微笑ましくハッピーなラブソングでベストテンを決定した『幸せいっぱい純愛ソング特集』。
ゲストに川中美幸さん、福田こうへいさん、丘みどりさん、おかゆさんを迎え、この日のテーマにふさわしく、終始ハッピーで楽しい回となりました。
 


 昭和女子の結婚観 小坂明子の「あなた」
昭和の結婚観が垣間見れる曲がいくつもランクインした今回のベストテンで、まず注目したいのは、小坂明子さんの『あなた』。
昭和48年にミリオンヒットとなったその歌詞には、「マイホームを建て、子犬を飼って、レースを編む…」といった風景が描かれ、当時、若い女性が憧れる結婚生活と言われました。
しかし、歌詞の後半では「それが二人の望みだったのよ いとしいあなたは今どこに」と歌われ、全ては夢物語だったことが明かされて、妙に不穏な空気に…。
内閣府の調査によると、この曲がヒットした昭和50年前後は、男女ともに未婚率が急に増え始めた頃でもあり、結婚観が大きく変化しつつありました。深読みすれば、そんな時代背景を暗喩するようにも思える歌でした。
 
     家に居場所のない夫たち
『今夜のスポットライト』のコーナーでは、昭和11年に一世を風靡した『うちの女房にゃ髭がある』を、川中美幸さんと福田こうへいさんがデュエットしてくれました。


妻には何も言えない恐妻家のサラリーマンの心情がユーモラスに歌われている曲ですが、歌詞には「♪朝の出がけのあいさつも 格子を開けての 只今も 何だかビクビク 気が引ける♪」とあり、コミカルな雰囲気とは裏腹に、夫婦関係はなかなかに深刻な様子。この家に夫の居場所はありません。
近年のコロナ禍でさえも、夫婦喧嘩を避けるためなのか家に帰りたがらず、夜の街を彷徨う難民夫と思わしき男性を時折見かけますが、この歌を思い出さずにはいられません。
 
  時代と共に変わりゆく結婚式の定番ソング
また、長渕剛さんの「乾杯」や和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」など結婚披露宴で歌われる定番のウェディングソングもランクイン。スタジオでは、昭和42年に大ヒットした佐良直美さんの「世界は二人のために」を、おかゆさんがカバーしました。
そんな定番ソングも、続々と登場する新しいアーティストの楽曲に時代と共に入れ替わり、昭和世代がせいぜいついていけるのは、安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」や福山雅治さんの「家族になろうよ」ぐらいまで。
しかし一方、大瀧詠一さんの「幸せな結末」が最近若い世代の心を掴み、リバイバルヒットしているそうで、リアルタイムで聴いていた世代としては密かに誇らしく、嬉しい限り。いつか当番組でもランクインされることを期待します。 
 
そんな昭和の結婚観が垣間見れる「幸せいっぱい純愛ソング特集」は、10月6日(木)よる9時!どうぞお楽しみに!
 



ゲスト: 川中美幸 丘みどり 福田こうへい おかゆ
 
構成作家 工藤ひろこ
 

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