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スケバン刑事、降臨! 斉藤由貴が語るアイドルだったあの頃
アイドル黄金時代だった80年代、
中でもバブルが始まった1985年は
歌謡界も特に勢いがあった年で、
小泉今日子の「なんてったってアイドル」、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」、
荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」、
そしておじさまたちのアイドル、
テレサ・テンの「つぐない」「愛人」、
男性アイドルでは
チェッカーズの「ジュリアに傷心」や
C-C-Bの「Romanticが止まらない」など、
ランキングの上位を占めたのは
間違いなくキラキラのアイドルばかり
でした。
そこで、
2月20日に放送したMUSIC Xのテーマは
『85年のヒット曲特集』。
ゲストには、
85年にアイドル歌手デビューをした
斉藤由貴さんが初登場しました。
▼葛藤のアイドル・斉藤由貴
1985年、
「卒業」でアイドル歌手としてデビューした斎藤さん。
でもその前年、
少年マガジンの「ミスマガジン」で
グランプリを獲得して話題になり、
「青春という名のラーメン」のCMで
テレビに登場、
そして連ドラ「スケバン刑事」初主演…と、俳優の経歴の方が先でした。
スタジオトークで
「アイドル歌手でいることは苦手でした」と語った斎藤さん。
当時、厳然として存在した
「アイドルとしてあるべき理想像」に
納得できず、
常に違和感を感じていたのだそう。
スケバン刑事の撮影中も
「啖呵を切るようなスケバン役が自分でも
似合わないのをわかっていたので、
どんなふうにしたらいいのかと戸惑い、
戦っていた」とのこと。
確かに他のアイドルとは
どこか違う空気をまとっていた斎藤さん。
心の中に抱えていた戸惑いや葛藤が、
斉藤さん独特のアンニュイな雰囲気を
作っていたのでしょう。
そんな斎藤さんが今回は、
デビュー曲の「卒業」をハラミちゃんと
クロスオーバー。
ハラミちゃん曰く、
水彩絵の具で描いた淡い色彩のような世界観をピアノで表現したという演奏により斉藤さんの歌声が一層優しく聴く人の心に染みる曲となりました。
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▼新浜レオンが歌う『雨の西麻布』
85年ヒットのアイドルソングというと、
当時まさにアイドル的人気を誇った
とんねるずの『雨の西麻布』も
忘れてはなりません。
今回は、プライベートでも木梨憲武さんと
親しくしているという新浜レオンさんと、
いつも息ぴったりの松阪ゆうきさんが
デュエットで歌ってくれました。
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松坂さんはこの曲について、
「CDを改めて聴いた時、曲間のセリフ部分に『全国の銭湯を周って大ヒットさせたい!』というセリフが入っていて、まるで現代の
純烈さんだなぁと思った。」とトーク。
根明なアイドルソング全盛期の80年代、
それよりひと昔前のじっとりした
ムード歌謡は、当時若者の間で古いもの
として認識されていました。
しかし、とんねるずはあえてそれを面白がるようなコテコテのムード歌謡をリリース、
すぐさま爆発的なヒットになりました。
それから時を経て純烈がブレイクしたのは2016年、スーパー銭湯アイドルとして
情報番組やバラエティで取り上げられたことがきっかけでした。
彼らがかつてのとんねるずの戦略を意識していたかどうかは計り知れぬところですが、
80年代の「ムード歌謡と銭湯」と近年の
「歌謡曲ブームの復活とサウナブーム」を
重ねると、単なる「時代は繰り返す」的法則だけではない、
日本人のDNAに根付いた方程式が、
そこにはあるような気がします。
また今回は、
関根さん直々のリクエストにより、
斉藤さんはもう1曲、「夢の中へ」も披露。
そして、「フォルテシモ 〜ff〜」を
新浜レオンさんが、
さらに「翼の折れたエンジェル」を
20歳の石橋陽彩さん、
「恋におちて 〜fall in love〜」を
50代の歌心りえさんが歌唱。
1985年の音楽をそれぞれの世代で
楽しんだのでした。
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ゲスト:斉藤由貴、歌心りえ、松阪ゆうき、新浜レオン、石橋陽彩、ハラミちゃん
構成作家 工藤ひろこ