PRE活用による稼ぐインフラの創出が地方自治体の経営で大切な理由
さて、今日は少し改めてPRE活用について再整理しておこうと思います。
地方自治体財政は当然ながら悪化していくトレンドの中にあります。つまりやるべきことに予算が足りない。その不足予算を補うために、民間資金を活用して開発した施設を月賦で利用するみたいなPFI事業などがこの数年展開されてきたものの、国の到達目標には全く達していません。これはこれらの事業が民間にとっても、公共にとっても経済的にも政治行政的にもあまり合致していないとも言えます。行政のなけなしの予算範囲でしかビジネスはできず、役所は負担は単年度で減っても複数年度では大きくなるという構造になってしまっているからと言えます。今後は民間はもっと稼げる余地を増やし、役所はもっとその稼ぎを財政根拠にできるような取引を民間としていく必要があります。
その有望な可能性の一つが「公的不動産利活用(PRE)」の議論です。国土交通省では、以下のように公的不動産が全国に約590兆円あるとしています。地方公共団体だけでも約450兆円に達します。
現在は、これら資産は全て税金で維持されており、その維持費だけでも膨大なことがわかります。同時に、これだけの不動産が市場外にあり、今後利活用を促進することよって、新たな公共収入を得たり、公共サービスそのものを変えていくことにも繋がる可能性があります。これら資産の利活用に対する基本的な政策は大きく全国の不動産市場に影響を与えるといってもいいでしょう。
◯ 公的不動産利活用の鍵は、公民連携でキャッシュ・フローを生み出すこと
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