【動画配信】狂犬ブックセミナー(4)公民連携事業のリアル! ゲスト:入江智子さん
昨晩開催しました、狂犬ブックセミナー第4弾。大阪大東市で公営住宅建て替えをPPPエージェント方式で行った入江智子さんが本を出すということでゲストとして出ていただきました。
書籍は絶賛発売中なのでぜひお読み頂いた上で、昨晩の1時間ほどの解説、本にかけなかったぶっちゃけトーク動画もご覧いただければと思います。
○ 標準的な建て替えでは、エリアの価値をあげない公営住宅の闇
以下の2枚の写真をみてもらえればわかりやすいのです。
「あなたはどちらのまちに住みたいですか?」
当然ですが、下のほうでしょう。これは全く同じエリアの数年の違いです。上のような公営住宅エリアが、下のようなエリアに変わったのです。しかもジェントリフィケーションがかかり、もともと住んでいた人が住めなくなるアプローチではなく、もともとの人たちも、新しく住む人たちも共存できる方式で。
公営住宅についてはあれこれ言う人はたくさんいて「お金がない人達がすむのに私より立派な家に住むなんて許せない」なんてケチ臭い価値観で物事をいう人もいます。高齢世代とかはこの手の公営住宅を下にみている人たちもいて差別的発言もあることを私は地域での取り組みで度々経験しています。
しかしながら、それではチンケな建物をたてて提供したら皆の生活がよくなるのか。全くそんなことないんですね。むしろ逆です。
公営住宅建設費を大東市デザイン会議で協議しているときに試算されていて、普通の2DKとかの部屋で1部屋あたり3000万円近いコストがかけられているデータがあり驚きました。土地の収容費も、民間で言えば分譲営業する販促費もかかっていないのに、ただあの無機質な団地の部屋を提供するのに多額の予算だけは使われていたのです。
さらにこんな開発するから周辺地価も上がらない=固定資産税収入は低迷するという自治体経営にとってもマイナスでしかないのです。
そしてその最前線に問題意識を持ちながら建築職として行政で仕事をしていた人こそ、入江さんだったのです。重要なのはもともと問題意識を持っていたということ。
まじでくだらないよね、どうにかしたいよね、というその小さな違和感こそ、その後の公民連携事業立ち上げていくモチベーションにつながるのです。
○ 実際に仕掛けるのは大変だが、その問題意識こそ大切
大東市との私の出会いは私のセミナーに大東市市長と部長がきたのが発端。そのうえで、勉強会をしたいという要請を受けて私とオガール岡崎さんの2人でいったのです。その勉強会に参加していた一人で入江さんでした。
しかし数多くの参加者がいても、ここまでやるのは入江さんと大東市の東さんだけです。物事ってそういうものなんですね。
小さな違和感を捨てない、それを変えることを自分の内発的モチベーションに変えられる人しか社会課題解決はできないのです。
結果として、先程の従来にない整備を完成させ、地価は1年で1.25倍に上昇。それだけ多くの人が「ここに住みたい」「ここに店出したい」と思えるまちに変わったということです。誰かを不幸にしても誰かが幸せにはなりません。誰かが幸せになるから、皆も幸せになるのです。公営住宅整備もまずは基本的に前向きなそういう精神で行われるべき。
それを面倒だから国のマニュアルに沿って、国の補助金でやれば反対も少なくて楽でいいわ、くらいでクソ仕事(その認識なく、ちゃんと普通にやっていると思いこんでいるけど)やっているようでは三流役人のままです。サラリーマンでも同じですね。決められたことに違和感を持たなくなったら終わりです。
○ ブックセミナー動画配信 約1時間
さてさて、どうやって組み立てたのか、何が問題意識だったのか、それらの物語については書籍とともに、本にかけないことについても動画でズバリ語って頂いていますので、こちらをどうぞ!!
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