【動画配信】狂犬ツアー@奈良〜非工業が拓く地域の持続的成長と、地域資本主義構造を学ぶ〜
改めて確かめたら10年来の奈良訪問でしたが、大変有意義な時間を過ごせました。それにしても奈良もやはり色々と変わっていますね。大仏は変わらないですが。笑
さて、そんな奈良での狂犬ツアーの模様と、まち歩き動画を2本お送りいたします。
今回のセミナーでは欧州など工業化に世界でいち早く成功したものの、その後はアメリカ、日本、そして今は中国などのアジアに追い越されていった分野が多い地域において、実は500年とかの単位で地域をみると工業ではないカテゴリで勝ち抜くローカル地域はそれなりに存在をしています。特に歴史資産などを保有し、工業は取り込めなかったからこそ残る農地などの強みを世界的な競争力にかえているところがあり、それは実はフランスなど含めて各国の底堅いところになっています。
そのあたりの解説と共に、地域資本を大切にすること、地域での中産階級を分厚くすることが内需拡大になり成功しているローカル地域の経済循環構造とスペイン・バスク自治州のあり方なども解説しています。
100年単位での繁栄を工業で作ることはできても、それも全ての地域というわけにはいきません。アメリカですら、中国ですら、その工業による発展というものは全国に行き渡るというわけにはいかず、局地的なものです。日本が最盛期の頃でもそうでしたね。で、今は衰退局面に達すると、大都市になった工業都市は本当に困っています。100万単位の人口の食い扶持を新たにつくるというのは至難の業です。むしろ1万とか3万とかのほうが地域設計はシンプルです。
でもっと2-3万とかのローテク産業地域が実は500年単位で繁栄を続けているのを見ると、どこを切り取って「成功」というかだけだなと思うんですね。
○ 奈良はポテンシャルと言われ続けて、足りないものは何か
そんな中、奈良がスタバだらけになっていたのは、まぁコンビニみたいなもんだからそうだよね、と思いつつも、そこ地元でどうにか! というおもいもりました。
奈良の今後の改善すべき、投資すべき方向は明瞭でサービス産業分野における教育投資、経験投資(留学や海外ホテルなどのでの就業経験)などを積んだ地元人材での宿泊、飲食事業の立ち上げですね。ここがあまりに弱いなと思わされます。既に芽は出てきていて、小さないい店は沢山できてきていますが、それを次の展開につなげるためには知見の投資が必要です。
あとはものづくり系においては今回いったような中川政七商店のように地元伝統産業を再生して「輸出」可能なところに持っていくというところまでいって外貨獲得。この2つができると、ヒトで稼ぐところ、モノで稼ぐところのバランスがよくなるという総論的にはシンプルなお話が見えやすい。特に歴史や伝統は随一なのは誰しもが認める奈良ですから、そこは強みなんですよね。1000年の歴史とかは今から作るためには1000年という年月が必要ですから。
ということで、今回はセミナーだけでなく、おまけ動画として、まち歩きは勝手に夕暮れに歩いていった1本と、日中に中川政七商店の中川さんたちと共に歩いた1本となっています。
【狂犬ツアー本編】
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