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問われる、コモンズマインド〜まちづくりは行政の専売特許ではなく、民間はコモンズへの投資を始めよう〜

まちづくりにおいては、パブリックマインド、つまり公共意識を持つことが唱えられてきてます。実は地域活性化は私益ではない、かと言ってあまねく地域の人に関係する公益的なものかと言われると、これも難しいところがあります。やはりその地域に関連することはその地域に閉じた利害関係も多くありますから。

そういう意味では、これから地域分野で問われるのは実は、公益以上に共益部分を認識して動く「コモンズマインド」ではないかと思うのです。

○ まちづくりは公益性よりも共益性が基本

地域活性化やまちづくりというものは、公全般に関わるように思われますが、実際にはかなり限られた範囲の地権者であったり、事業者であったり、生活者にその直接的影響は限られます。

今年も百貨店の撤退が相次ぎましたが、これもまたその直接的な影響は都市全体ですらなく、半径600m範囲の地価などに影響するだけでもあります。そもそも経営が成り立たないほどに地元民も利用していないので潰れても生活に問題が発生することはないという皮肉な現実もそこにあります。

エリア再生というものを考えた時にも、再生の直接の受益者というものは地権者です。自分たちの保有資産の価値が上下することで得もするし、損もするわけです。だからこそその地域の地権者がエリア再生の主体になるのが自然なのです。アメリカの場合には地権者負担を伴うようなBIDの制定なく、市だけが巨額の投資をエリアに行う場合には、限られた一部の地権者への不当な利益供与として納税者団体が訴訟を起こすという話をきいてびっくりしたことがあります。が、まぁそのほうが自然で、日本のように中心市街地を勝手に設定して用地買収=地権者への利益供与を伴う事業を公益性のもとに推進し、しかも政策的には失敗してしまい得したのは用地売却できた地権者だけという笑えない話とかもあるわけですから、日本のほうが実態と歪んでいるように思うわけです。

○ まちづくり=行政の仕事、という認識が衰退を加速させた

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