ぐっちーさん、永遠に。

もう公式にも掲載されましたが、闘病の末にぐっちーさんが永眠されました。最後まで病気だと周囲にも決して言わずに闘病されました。

岡崎さんとぐっちーさんが出会い、ぐっちーさんがオガールプラザにおいてファイナンスのサポートに就かれ、その後に私もぐっちーさんに色々な機会を頂きました。東洋経済オンラインの連載も、ぐっちーさんが誰か地方創生で書けよということで岡崎さん清水さんたちを経由して、編集の福井さんがプロフェッショナルスクールの会場に来られて私がお引き受けしたのが最初。そこからオンラインメディアでの様々な発信機会を多く頂きました。東洋経済のサミットも一緒にさせてもらったら、皆がジャケットやスーツなのに一人広島カープのユニフォームで登場して「カープのようにファンを作り上げることが地方事業の肝」という話をされていたのが昨日のようです。

僕にとっては人生観を変える旅を共にしてくれたのもぐっちーさんでした。5年前にスペインで星付きレストラン食いまくるぞということで一緒させてもらってから、毎年ワインの旅に出ました。地方都市、農村地帯にとてつもないコンテンツがあり、付加価値が高い事業があるのを垣間見て、都市部再生系ばかりやっていた私の世界感はがらっと変わりました。5日間の滞在で9の星食うことになるわけですが、ぐっちーさんの黒光りしたセンチュリオンカードのパワーで特等席ばかり確保してくれました。4人でいって毎回泡1本、白2本、赤2-3本は当たり前でしたよね。

2016年　サンセバスチャン
2017年　ボルドー
2018年　シャンパーニュ
2019年　ブルゴーニュ

その後、ボルドーいったらワインショップの地下倉庫にとんでもないいいワインが続々とあり、「おい、きの、やべーぞここ」と繰り返しながらすごい量のワインを買われていましたよね。

シャンパーニュにいったら、シャンパーニュ騎士団のシュバリエを発揮されて、休みなのに最古のワイナリーであるゴッセに連れて行ってくれましたよね。地下まで見せてくれて、テイスティングといって10本以上のシャンパーニュを開けてくれて、最後に「これお土産」といって一人1本ずつシャンパーニュをくれる大盤振る舞いまで経験させてもらいました。

そして今年の5月いよいよワインと言えばブルゴーニュだぞ、ということで最初の頃から言い続けていたブルゴーニュにいきましたよね。ロマネコンティの話をみて「おい、きの、1.4haで60億円だぞ」という話で盛り上がって、さらにジュブレ・シャンベルタン村の1haのグラン・クリュ、プレミアクリュの畑で1億円という話をきいても驚いたり、つまりは付加価値とは何か、それを形成する歴史とは何かというのを幾度となく話してくれました。さらにレストランではPERNIN ROSSINという既にやめた作り手のワイン、そこのレストランでは最後の1本を開けてくれて、皆で感動したのも忘れられません。

今年も北海道の八雲までわざわざ狂犬ツアーに来てくれたり、オガール祭りでのんだくれシンポジウムでもものすごいいい話をしてくれた。「皆さん、こないだカバンやバクッだシャンパーニュつくってるLVMHのCEOが、ビル・ゲイツの総資産を超えたんですよ。ハイテクばかりじゃないんですよ、世界経済は」という語り口は、ぐっちー節そのものでした。

けど、本当は8月末か9月に飲もうよという話をしてくれていたのですが、台湾出張が詰まってて、その前の予定調整がなかなかできていなかったから、もうその頃には病院に入られていたようで、もう一週でも早めに一度だけ飲めたら、と悔やんでも悔やみきれません。

ぐっちーさんとの最後のメールは

「台湾、暑いですけど、栄養補給もしてきてくださいね。
また、お声をおかけします。うまいもの、たくさん食ってきてください！　ぐっちー拝」

この時には病院にいらっしゃったかと思うと、その時まで弱いところ見せず、むしろこちらのことを気遣ってくれていたのが、なんだかんだではちゃめちゃで厳しそうに見えて、だけど誰よりも優しいぐっちーさんだなと思わされました。

あっちの世界でまた全力回復されているだろうぐっちーさんは絶対に若い子と楽しんでいそうですけど、上記メールを僕はもらっているので「また声かけてくれるといったじゃないですかー」と言い張って、若い子たちとのワインの飲み会に参加させてもらいたいなと思います。

それにしても昨日の朝、4:30に目がさめたんですよね。ぐっちーさんがマイクもって講演している会場に僕はいて、たまたまとなりに座っている意味不明なことを言ってくるおっさんと私が喧嘩するという話でした。

手を打ち、顔をくしゃくしゃにしながら「おい、きの、もっとやれ」と言われているのかな、と勝手に思ったり。そのまま起きて、グッチーポストの過去の投稿とかgooglephotoとかみて、なんか急にすごい寂しくなってきてしまい、色々と思いを巡らせていました。

もう少し僕はこっちの世界でがんばります。ぐっちーさんのように弱音を吐かずに最後まで頑張れるかわからないけど、丸くなんてならずに、仲間と共に挑戦を続けたいと思います。

本当に色々と有難うございました。決して貴方のことは忘れません。

合掌

ぐっちーさんのAERA連載の絶筆。
逝去　最後のコラムで説いたアメリカンドリームの現在とは？ (1/2) 〈AERA〉｜AERA dot. (アエラドット) https://dot.asahi.com/aera/2019092700091.html

ぐっちーさんの著作

ぐっちー https://amzn.to/2nIVdZu