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昔はピュアだったな、と思う自分

感性ってさ、昔の自分は尖すぎて耐えられないと思うこともよくあったけど、ありがたいことに歳を取ると、削られてどんどんと鈍感になっていくのよね。

歯が年々削られていくように、感性や好奇心なんてのも、歳とともに削られてしまうのよ。

だから、テレビなんか見ていても、昔は楽しいとかワクワクしながら見ていた内容が、どうして昔はあんなに面白かったのかって思ったり、昔は憤りを感じながら見ていたはずのニュースに何も思わなくなったり、って自分がいるのに気がつく。

でも、そんな自分に気がついても、若い頃ならとんでもない喪失感に襲われたものだけど、まあ、そんなもんだよな、って齢を取ることをいつの間にか受容している自分もいる。

なんか、昔はとにかくピュアだったよな、と思うけれども、そのピュアだった時代に戻りたいかというと、ちょっとしたことが全て刃に思えて突き刺さってくるようなあの感性はもういらないな、って気もしている。

でも、子どもには今の十分にピュアな時代をもっと楽しんでおけ、って言うのも言っておきたい。

その感性は、今は辛くても、その辛さと裏腹の豊かな感受性は、その時代にしか味わえないものなんだから。とことん、この世の美しさと甘酸っぱさを味わい尽くして欲しいと思う。


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