東京オペラシティでチョン・ミョンフンさんを聴いてきた
東京フィルハーモニー交響楽団 チョン・ミョンフン指揮シューベルト『未完成』&ブルックナー交響曲7番(東京オペラシティ)
私はオーケストラなんて何ひとつわからんのに好きな指揮者がいたりする。韓国のチョン・ミョンフンさんもそのひとり。きっかけはたしかiTunesでおすすめされた彼のマーラー「巨人」がとてもよかったから。
だがいくらオススメに出てきてもそれまでぜんぜん知らなかったそれも韓国の指揮者の録音をなんで聴こうと思ったのか?(いやいや他意はないのだけど韓国とクラシック音楽の組み合わせってほとんど想定になかった)
更にはApple Musicがまだ始まっていない時期だから全曲聴いたわけでもなかろうになぜ「購入」までしたのか。
今となっては思い出せない。とにかくそれまで聴いたどの「巨人」よりもマーラーの意図が伝わってきた演奏だった(もちろんそんな気がしただけだ)。
話は現在に戻る。年末にベートーヴェンの第九をオペラシティに聴きに来た時にチョン・ミョンフンさんが新年にここで演奏されることをポスターで知った。
「あら大変!」と即スマホで予約してセブンイレブンでチケット受け取り。ほんと便利な世の中になった。チケぴに電話しまくっていた青春の日も今は昔(もう「チケぴ」って一発変換しないよ遠い目)
演目は(チョン・ミョンフンさんが見れるのならなんでもよかったんだが)未完成とブルックナーか。これもなにかの縁かな。
というのもブルックナーをたぶん初めて聴いたのは、やはりここ東京オペラシティ。もう12年前か。スタニスワフ・スクロヴァチェフスキさんという当時九十歳ぐらいの巨匠。
ブルックナーにもスクロヴァチェフスキさんにも特に思い入れはなかったはずなので、これまたなぜこれを聴きに行ったのかさっぱり覚えていない。
ま、とにかくさわりをちょっと聴いただけでブルックナーってとち狂ってるけど、なんか楽しいなという思いがした。ブログの記事にはしていないようだがちょこっとつぶやいてた。
iTunes でスクロヴァチェフスキさんのブルックナー九番は購入した。
さてチョン・ミョンフン コンサート当日。(安い)三階席から身を乗り出してようやく見える状況なのであまりはっきりとは見えなかったが、はじめてその動く姿を目の当たりにしたチョン・ミョンフンさんは、小柄(?)で控えめな感じ。指揮を振る姿も大げさな身振りは多分なかったと思う。
最初の「未完成」。再度書くが私はクラシック音楽好きだけど、オーケストラの質なんてさっぱりわからない。けれども、聴いていると東京フィルハーモニー交響楽団の常任でなく、名誉音楽監督たまからたまにしかいっしょにやらない指揮者のはずなのに、ちゃんとチョン・ミョンフンの音になってると思った。まあ完全に思い込みだろうが。そんなに指揮者の色ってすぐ出るもんだろうか。
チョン・ミョンフンの音ってなによ? うまく表現できないが文字にたとえれば楷書でくっきり解像度の高い演奏。こちとらド素人だから崩されるともう何書いてるんだかわかんないからね。単純な私は音楽でもなんでもそういうのが好みなのだ。
「未完成」に続いてブルックナーの7番。チョン・ミョンフンさんのことは置いといて、この曲自体たぶんはじめて聴いたが狂っとる。ついていけんw。いくつも主題が出てきて先が読めない展開。ブルックナーさん、私たちをどこに連れて行くつもり??
しかし常に評判が散々だった彼の交響曲の中で7番はほとんど唯一最初からウケた作品らしい。当時の聴衆ももう慣れた頃だったか?
ブルックナーとマーラーはよく比較される。ほぼ同時代だし、師弟関係だったというし、似た雰囲気は感じる。マーラーもかなり混沌としてるが民族音楽など入れてかわいげがある。対してブルックナーは我関せずわしの音楽をやる!って聞き手としては置いてけぼり感があるさな(個人の感想です)。
会場であたまがでんぐり返ったので、落ち着いて聴き直して復習しなきゃなと帰りの電車の中でチョン・ミョンフンさんのブルックナーを探したがAmazon Music には見つからない。
CD でも出てないようだ。録音媒体ないのかな? もしかして新しいチャレンジの曲だったのかも。
へ〜お料理もするんだ
ちなみにアンコールはなかった。先日聴いた第九もなかったんだよな。最近はアンコールに応えないのかな。コロナ配慮?