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長野行き2024秋①企画展「北斎の植物図鑑」(小布施 北斎館)

「長野行き新幹線」はいつの間にかなくなったのに新幹線で長野へ行くかがやきながら〜。

例によってしばらくグダグダ話が続くので北斎館 企画展「北斎の植物図鑑」のレポートにすぐ行きたい方は目次からGo!


長野は7月にお邪魔したが小布施は2年ぶりである。ほんとは長野の時に寄るつもりが強行軍すぎるのでやめたんだっけ。

このたび小布施にある北斎館で、彼の植物画が特集されるというので温泉旅行も兼ねて訪ねることとした相変わらずのヒマ人。

長野電鉄の進化

長野駅到着

ここから長野電鉄に乗り換え。おお、前回は現金しか使えなかったのが、キャッシュレス決済のできるタッチパネル券売機が爆誕している!(自動改札はない)

*ちなみに帰りの小布施駅で、こいつバグって故障してたw。販売機の前でおじさんが悪戦苦闘しているので年配者には難しいのかな駅員さん呼ぼうかなそれとも手伝ってあげようかなとか思っていたらその人が駅員さんで、再起動とか繰り返してもまともになってくれなかったみたい…。ダメじゃん。

ん? ダイヤを確認すると次に出る特急があるのか。いくらアップになるんだ? 小布施までだともったいないかな。

100円でいいらしいw。んじゃ特急にしよう。初めて乗るよ。ちなみに全席自由席。

ロマンスカーみたいだね。アナウンスによると展望席がある? ますますロマンスカー。もしかしてほんとにロマンスカーのリサイクル?(やっぱりそうみたい)

*これは小布施駅で撮りました
お、シートに小布施堂の宣伝が

それはともかく展望席も自由席とのこと。ここ狙って血で血を洗う早いもの勝ち競争とか繰り広げられるのかな?

湯田中温泉行き。一休さんでここを検索するとけっこうお高めの宿が出てくるな。今日行くところもその界隈みたい。そんなに高いところじゃないけど。

小布施駅に到着。かなりの人が降りていった。外人さんはそんなにいなかったような。紅葉にはまだちょっと早くても、名産の栗は今がベストシーズンみたい。

鳳凰🦚

レンタルサイクルの呪詛

前回来た時に見かけたレンタル自転車乗れるかな🚲️ 受付は観光案内所らしい。しかし混んでる。「どこそこへ行きたいんですけど〜」の相談に複数いる係員さんが懇切丁寧に答えている。行き先までの道くらいだったらググれよとも思うが。

ようやく混雑が引いてきたので

「自転車借りるのはここでいいんすか?」
「はい。どちらまで」
「(行き先が必要なのか?)はあ、このあたりプラプラしたくて」
「どこに行くかにもよるんですけど」
「あそこ…北斎の天井画があるお寺とか(岩松院ね)、あそこけっこう距離あるでしょ」
「それならバスも出てますし」
「北斎館もよりたいんですが(こちとら小布施歴は長えんだ距離感わかってるよ)」
「まちなかは混雑もあり自転車はおすすめしてなくて…」
「じゃ、イーデスー👋」

話にならん。そしたらいつ乗れるんだよ? 自転車使って欲しくなかったら置いとくな。駐輪場所ないとか乗り捨てとか事故とか黒歴史があるのかな?

ということでテクテク歩く。北斎館まではそんな大した距離ではない。

途中に長い行列の店舗。焼き栗屋さんみたい。そんな並んでまで買いたいものなのか教えてクリ?

そこを過ぎて老舗の小布施堂に来た。

この時期だけの名物
小布施堂店舗🌰

後でおみやげ買ってこう(この日は時間なくなって次の日になっちゃった)

北斎館 企画展「北斎の植物図鑑」

今回は北斎漫画にて掲載された植物画を中心に展示している。全品撮影はいいようだ。

この精密で多種多様なデッサンはダ・ヴィンチもびっくりだよね。実際ふたりとも似たような科学的な興味からこの上もなく詳しく自然の仕組みをスキャンしようと模写をしたのではと思う。

でも基本的に北斎漫画は、北斎が自分の山ほどいる弟子たちの絵の教科書として制作したものだという。

*この辺の知識はちょうどこの日にあった学芸員さんのギャラリートークで聞いた内容も交えています

学芸員さんの解説によれば、普通は肉筆画を描いて教えるが、北斎は弟子が200人くらいいたとかで、「めんどっちいから本にしちまえ!こちとら江戸っ子よぉ!(こんな説明はされてませんちょっと盛りました)」と版画で冊子を作って全国に配布したらしい。

私が最初よくわからなかったのが、この「三体画譜」

「三体画譜」

絵の脇に添えられた ■ が真体、▲ を上下につなげたものが行体、● が草体を表しています

キャプションより

細くて長く伸びる葉っぱの描き方について、文字の書体になぞらえて解説しているようなのだがどうにもピンとこないw。真体って楷書みたいなものかな。抽象度が高くなると草書体? 絵のテーマや描く対象物によって相応しい線を選択すべし、みたいな教えのようだ。

🍄🍄🍄

お隣の部屋では高井鴻山さんのデッサン集が展示されていた。

鴻山画稿集(肉筆画)

北斎を小布施に招いた門人高井滝山の画稿集(高井鴻山記念館所蔵)

*高井鴻山さんは(ほんとにざっくり言うと)北斎を小布施に招いたパトロン兼教え子みたいな存在

まったけ?🍄‍🟫
🌿🪲
🦗

北斎じゃないのかよ。しかしうまいね。まるで洋画のクロッキーってやつかな? 北斎の指導を受けたという話でも、どうせお金持ちの旦那が道楽でやってんだから、「パパっときれいなものを好きに描きたいから北斎センセそこんとこのコツをおしえてくれっかなあ〜!カネなら弾むよ💴🪙💰️」

くらいでいいのにこういう地道なスケッチ修行をしているあたり、超真面目な人だったんだろうな…。だからこそ北斎もわざわざ小布施くんだりまで来て(80歳超えてるのよ!)指導してあげようと思ったんだろうし。カネじゃないよね。

菊図の競演 北斎vs.高井鴻山

今回最大の目玉。これは素晴らしかった。ここ、北斎館という名前の割には期待するほど展示数は多くないのだが、このお花作品だけでも見に来る価値がある。

《菊》葛飾北斎
《菊》葛飾北斎
《菊図》高井鴻山
《菊図》高井鴻山

実は最初は両方とも北斎だと思った。左の2枚の方がいいじゃんとさえ。そしたらそっちは弟子かよ。やっぱり私は何もわかってないな…。

取り繕うつもりはないが、高井鴻山さんの方も悪くない。花束の根本が消えていて幽霊みたいになっているのが味わい深い幽玄さ。

片や北斎菊は、一輪一輪が力強い。そしてそれぞれの花の前後の位置がわかるように気を使っている気がする。どの花の前にどの花が来るか大体わかり、奥行きが想像できる。

高井鴻山菊のそれぞれの花の描き方を見るとどれもほぼ同じ様な描き方になっているのに対し北斎は花によって描画方法を様々に変えている。線の強調、色のメリハリ、フワッと綿毛のような白い花の描写…。さっきの真体だの草体だのの実践なのかな。

これも学芸員さんの解説で気付いたことに、花に一部影が掛かっている。基本的に日本画って全体にペタンとして、陰影とか立体的な描写とかはあまりしないものだ。北斎は80過ぎてなお新しいことにチャレンジしてたのかな。もともと日本画の本流の人でもないけど。

ただ学芸員さんが言うには、この作品(に限らず晩年の北斎作はだと思うけど)娘のあの応為さんの手がかなり入っているのでは? というか、下に葛飾応為の烙印があったのにバッサリ切られて上に北斎の印を付け加えた(そうした方が高く売れるから。作者のサインは普通上の方には入れない)という疑惑があるらしい。真偽の程は不明。十分あり得るだろうけどね。

🌰🌰🌰

ここで一休み🌼

私も負けずに植物写真を何枚か激写。ナイスですねー♪ 小布施はお花の街。春先のチューリップも最高よ🌷

シオン
コスモス
シュウメイギク
ベニバナボロギク(かな?)
フジバカマ(?)とツマグロヒョウモン(?)🦋

🌰🌰🌰

山車

続いて北斎館の最後は長野県の県宝という山車。

北斎は彫刻とかはさすがにやらなかったが、この山車のレリーフなどは北斎プロデュースなので、北斎唯一の立体作品だといえると。

望遠で撮ってみると龍さんたちはなかなかよい表情をしているのがわかりゅう〜🐉

目を合わせない舟越桂系?

🌊🌊🌊

山車の上に張ってあった天井画。現在山車に付けているのはレプリカということ。

男浪
女浪

言われてみれば周りの方が面白いものがいっぱい描かれてるんだね。波に気を取られて気がつかなかった。オウムとか南蛮渡来の珍しいもの特集?

なんで波を描いたのか?🌊 小布施には海もないのに。いや、ないからこそ見せてあげたかった? なんて議論もあるそうだ。周りにエキゾチックなものをいろいろ配してもいるから、小布施の人が目にしたことないようなものを盛り込んだ説は有力かもね。


後は大急ぎであちこち回る。

高井鴻山記念館
👄
小布施はマンホールも北斎柄🌊

さて、15時に宿の迎えが小布施駅に来る。急いで戻らないと。(途中、高井鴻山記念館とか小布施ミュージアムとかも寄っていた。自転車借りれてたらもっと余裕で回れたのにプンスカ)

駅に着き、この赤い実が目についた。なんだろう?南天じゃないよなと思ってググったらハナミズキだと。うーすべーにいーろの〜♬

あの花からこんな実がなるんだね。食えるのかな?と更に調べると「ハナミズキの実を人間が食べることはできません」だってww。鳥さんしか食べれないそうだ。

おまけ 小布施スイーツ モンブラン

北斎館あたりでうろちょろしてる間に食べてみた🌰 普段食べてるモンブランとはだいぶ違う気がする。栗率が高いのかも。たしかにクリゃうめー🌰

小布施堂にはこの時期予約制限定販売の朱雀という伝説のスイーツがあり、噂でしか知らないがさぞかしうまいのかなあ?


意外と初物縁起物みたいで実はそんなにすごいものでもないかもね(酸っぱい葡萄の心理?🍇)

違う、そうじゃない

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