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森靖展 -Gigantization Manifesto-(碌山美術館)

お急ぎの方は目次からGo! (でももう会期終了すまん)


ネットでふと見かけたでっかいおっぱい付けたプレスリーの木彫り彫刻。なんだこりゃ? だれしも受けるであろう衝撃に、こいつはどこで見れるんだと探すと東京都現代美術館の企画展のひとつとして展示されているらしい。しかしそれが判明した時にはすでに会期が終わっていた…。

なら、他に見れるところはないのかとまた探すと碌山美術館なるところで制作者森靖(もりおさむ)さんの個展が開かれていると。プレスリーがいるかどうかわからなかったがこれは見に行ったほうがいいかな。

で、碌山美術館(読めもしねえ)ってどこよ? 穂高? 長野の方だよね。山のイメージ。行ったことないし温泉もあるみたい。おもしろそうだ。さっそく予約したあずさ5号。会期終了ギリギリに滑り込む。

森靖さん。売り出し中の若手彫刻家なのかな。森靖で note 検索しても記事が引っかかって来ない。それなら私が先物買いだ!(?)

天気予報だと穂高は土曜日から気温急降下で雪もちらつくようだ。寒そう…☃️ UNIQLOの超暖ヒートテックを身にまとい僕はあずさに乗り込んだ。

例によって途中少し波乱もあった。穂高駅では Suica が使えないとかで車内で精算した(チケットレス特急券をえきねっとで買って、乗車券は モバイルSuica で入場して乗っていたのだ)。

さらには先の線路で倒木があったとかでダイヤ乱れや運休のアナウンス。バス移動に切り替わる人もいるとか。幸い私はそれに該当しないようだ。

穂高駅

無事到着。予報通り小雪が舞っている(傘忘れた〜〜☂ でも最後までなんとかなった)。気温は低いけどそれほど寒さは感じないさすが超暖。風がないこともあるかも。

駅を出て左にトイレ

後で美術館から戻ってきてから気付いたことに、そのトイレの右にあるここをくぐってまっすぐ線路沿いの道を行くのが碌山美術館まで一番近いみたい。Google先生はそこを道と認識していないようで遠回りしちゃったよ。

碌山美術館

こんなところなのか。

受付だれもいねえ。構わず入る(敷地をちょっとプラプラした後でちゃんと入館料払ったよ)。あの教会以外にも展示棟があるのか。順路に沿って敷地内の各棟を巡って鑑賞する。

山小屋的な?

遠目にはレモン🍋に見えたけどカリンなのね。好きに持って行けと。カリンはいい香りだけどあまり使い道がないんだよな。

⛪️
カリン
持って帰ってもよかったけどビチョ濡れだし…

碌山というのは荻原守衛さんという彫刻家の号だった。

教会の中に入ってみた。

暖炉!(フェイクでなく本物よ🔥)
🔥🔥🔥

教会の中にはその碌山さんの作品が展示されている。ロダンや高村光太郎なんかと交流もあり、その作品は彼らの影響がとても色濃いと思った。

「坑夫」は日本近代彫刻のはじまりの名作とか聞いたことはあったけどこの人のだったっけ。佐藤忠良さんのでもそんなのあったような。

撮影はいいみたいだけどSNS投稿はいいのかしらん?  大丈夫っぽいけどこの記事は森靖さんに焦点当てて、碌山さんにはあまり触れないこととしようか。


森靖展 第一会場

こっちは撮影も投稿もOKのようだ
んじゃ本気出すぜ〜

作品名のタグが付いてないのでこんな撮影をしながらじゃないと後でわけわからなくなる。

いっぱいいるよ
《Devotcha - Venus de Milo》2021
ミロのヴィーナスのオマージュ


《Inner Muscle - A》2020
ミケランジェロのオマージュ


《3MNW - The Tree of Lost Things》2024
顔の表情リアルだよね
いいケツしてるじゃん

パンフレットにはひとこと解説もついていて、卒業制作のものもいくつかあると知る。これなんかそんな感じする↓

《Mind of flame》2007
習ってた先生の顔に似せてたりして

プレスリーいた(お目当てのじゃないけど)

アレの習作だったみたい
《EP》2012


《Self - portrait》2002

「高校卒業作品展出品」とある。高校生でこんなの作ってたの?

にしても、これワンピースに出てくるボア・ハンコックが「相手を見下しすぎる」ポーズに見えるんだが。

この人の表情が見たい。

顔がどんなか撮りたかったのだけど、これがギリギリ。真上にかざして万一手を滑らせてスマホ落としたらえらいこっちゃだもんね。

《Sumo Stomp》2007

お相撲さんというより、背中に絵が入ってるし、大銀杏も結ってないのでそのスジの方じゃないのかな。


第二会場

けっこう雪が降ってきた☃️

第二会場、入口スペースで迎えてくれたのは、ちっちぇえ彫刻。デカささがウリの彫刻家だけどちっちゃいのも出来るのよアピール?

《On the hsnd - Statues of Kongo Rikishi》2023

金剛力士阿吽の像だって。

拡大

極小を極めると極大にもなるとかいう話は素粒子物理学でも出てくるもんね(あたしゃまったくわかりませんけど)

《On the hsnd - The statue of liberty》2021
拡大

空也上人立像であの口から出てるやつにあやかったとか。


続いて広い展示ルームに入るとなんと、会場に御本人がいらしてたみたい。来場者の方の質問にとても低姿勢でお話されていた。握手でもさせてもらおうかと思ったけどすぐどっか行っちゃった。

関係者っぽい方もそばにいたし、なんかの取材? 初日とかにご挨拶に来るのはわかるが、今日は会期終了一日前。講演会とかやるのなら普通午後からだよね。それにそんなイベントがあるのなら大々的に場内案内もあるはず。

それはともかく大広間ではマリリン・モンローのおしりがお出迎え!

サルノコシカケみたい
オーモーレツ!
《Much ado about love - Kappa》2009

ここでの Kappa は、ブランドの Kappa(イタリア語で外套という意味らしいね) ではなく河童なんだって。言われてみりゃカッパだわ。

このハリウッドスマイル!
おっぱいみっつ

森さんは巨乳好きなのかな。どうせならいっぱいおっぱい付けてみようかと?

プレスリーとかモンローとか、森さんのお年ならまったくリアルタイムではなかろうに、なぜ題材に選んでいるのかな?

もう一点の大作。

《3MMM - Melt & messy》2023

こっちはミロのヴィーナスがモチーフになっている。そこにマリリン・モンロー混ぜてみましたと。頭がみっつあるからむしろ阿修羅像?

正面の笑顔の後ろにある顔は裏の顔で悪人相? その横はちょっと表情よくわからない。人相悪い顔になにやら囁いて入れ知恵してるようにも見える。

こしょこしょこしょ
ヒソヒソヒソヒソ
そう考えると悪そうな笑顔
ハハハハハハハハ

頭や手足や乳房が複数ある像は古代期の彫像に見られる。ひとの多重性を表しているのかもしれないし、動きを表すアニメーション効果かもしれない。

第一会場にあった《3MNW - The Tree of Lost Things》は、「ヴィレンドルフのヴィーナス」をモチーフにしているとのこと。

彫像に込めた神話性は当然作家の意識にあるのだろう。エルビスもモンローも時代のアイコンだし。

ネットで森さんのインタビュー記事がちょっと載っていた。

曰く、木彫はすべて自分の手でやる必要がありそこに自分のこだわりがあると。今なら設計図だけ出して3Dプリンターで作るのも容易だけど、それはしたくない。自分は500年後のことを考えて制作している…。

3Dプリンターでなくとも、昔からブロンズ像なんて、作家は設計だけして鋳造は職人さんがやるんだなというのは私も仙台で知ったこと。別に悪いことでもない。

建築家が設計だけして釘一本打たないみたいなものだもんね。

そういえばここで「自分は建築家だけどなにか実際に手を加えたところを残したい」って方の話を聞いたっけ。いろんな考えがあるもんだ。


☃️☃️☃️

しぱらくのあいだこの会場には他の鑑賞者も監視員もいなくなり(いいのかよ持って帰っちゃうぞ)私だけ、静寂の中木像二体との空間を独り占めに出来た貴重なひととき。

今日はツイてるねノッてるね(R.I.P. みぽりん…)

休憩室(室というか小屋)
中はだるまストーブもあり山小屋風だった


おみやげ

受付の背後がショップになっていてまいどおなじみ絵葉書とか売られていて、その他ちょっとしたグッズもありひとつ買ってきた。

中身は

鈴です(500円玉くらい)




と書いてあるのよ
素朴な音がする

もうひとつ「魔除け」と袋に書いてある猫模様の鈴😾もあった。売店の方に「普通の方でいいんですね?」と念を押された。こっちには魔除けパワーはないということかな?


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